最近は太陽があまり顔を出さなくなりました。
これぞ、オレゴンの冬なのです。
一年目の方は覚悟しておいてください。
オレゴンの冬を通して太陽のありがたさが身にしみるようになりますから (笑)
さて、そんな太陽に会えるか会えないか、ということ以上に
私がこちらにきて、大きく懸念しているのが
語彙力がないばかりに、計算力はあっても、文章題に苦手意識を持った生徒たちのことです。
アメリカに居るから仕方ないと思わずに
ちょっとした日々の工夫で生徒たちは文章題にはりきって取り組めるようになるので
一読してみてください。
ここでは、3つ私が日々行っている工夫を紹介いたします。
(全部言っていたら、また長文になってしまうので・・・)
1、絵を描く(手を動かす)
2、関係する雑談を心がける
3、あえて問題を放置させる:子どもを突き放す (家庭では、難しいかもしれませんが)
まず、1つ目は
絵を描く、というよりも、手を動かすといった方が正しいかもしれません。
絵を描くために、手を動かすと脳が刺激されるからです。
計算は基本的に左脳で処理しているということですから
絵を描くことによって、右脳を刺激し
バランスよく脳を使わせます。
そして、絵を描くことにより、
問題をただの文章の羅列ではなく
「ビジュアルとして捉える」ということも、問題を解く上で楽になります。
絵を描いたり、計算式をたててみたり
算数ができるお子さんで共通しているのが
ノートがメモ用紙になっていることです (ノートが汚いってことです 笑)
きれいなノートを書くことが目的ではありません。
ノートを駆使して、問題を解くことにこそ意味があるのです。
ですので、ご家庭では、ノートが汚い、とかもっときれいにノートをとりなさい、などということは禁句です。
(ただ、字が汚すぎるのは例外です。読める程度までは注意してあげてください。)

こちらは私の予習ノートです。
これくらい雑でかまいません。
間違った計算は消さずに、×とだけ書き、残しておきます。
2つ目は関係する雑談を心がける、です。
例えば問題で
”たかし君は、お母さんに車で塾まで送り迎えされていて、その車は送りは時速60kmで走り、迎えの時は時速50kmで走ります。塾から家まで100kmの距離だとすれば、送り迎えに必要とされる時間はどれくらいかかるでしょう”
などという問題があれば、
なんで迎えのときは早くて送りの時は遅いのだろうか・・・・
などというどうでもいいことを生徒に聞きます (笑)
だいたいこれで、生徒たちは話が盛り上がるわけです。
「送りの時は、遅刻寸前なんだよ。だから、スピードがあがるんだ。
うちのお母さんはいつも直前まで寝ているから。」
などと余計なことを言う子どもたちは数知れません (笑)
その雑談がひと段落するころには、生徒たちは送り迎えのイメージができあがっていますし
笑いがあることにより、問題への苦手意識が低くなっているのです。
だから、問題に取り組みやすくなります。
急がば回れです。
問題に興味を持たせてから、取り組ませる。
そうするだけで、生徒たちの意欲は変わってきます。
そして最後には、
家庭では難しいかもしれませんが
私は、あえて突き放すということを心がけています。
解けないのなら、仕方がない。
その問題を飛ばして、次に行きましょう、と。
しかし、解けない問題というのは本当に気持ちが悪く
生徒は、1と2を通して、問題を解きたいという気持ちができあがっているので
次に行きたくありません。
なにがなんでも問題を解きたいのです。
(私が算数の授業を通して、たどり着かせたいのがここです「何が何でも問題を解きたい」と思わせることです)
そして気持ち悪い状態で放置されると、もう二度と気持ち悪くなりたくないので
がむしゃらに問題を解くようになります。
もちろん、生徒によっては、とことんヒントを出したり
解答直前のところまで手を引いてあげる子などもいます。
ただ、根本としては
解けない問題などない、というスタンスで生徒に接しています。
○○君、○○ちゃんなら解けるよ、自分信じて、失敗してもいいからやってみな。
そういうスタンスで、とことん生徒の成長を待ちます。
そんなわけで、今日は算数指導法における3つの工夫をお伝えしました。
1、絵を描く(手を動かす)
2、関係する雑談を心がける
3、あえて問題を放置させる:子どもを突き放す (家庭では、難しいかもしれませんが)
残念ながら、雲をどかして、太陽に出てきてもらう方法は知りませんが(笑)
毎日生徒に知恵だけは鍛えられていますから
勉強の指導法でしたら、お任せください。