先日、アメリカ人の友人と話をしていたところ、話題にあがったのが「肥満」でした。
スーパーとかで見かける肥満な人の多さ、このままだと国が肥満でつぶれてしまうよ、と伝えたところ
あれに見慣れてしまった自分たちは、肥満の人を見ても何も感じなくなるんだ、と。
何も感じなくなるから、何かしようとさえ思わない。
恐ろしいことに、自分たちは肥満による危機感は全くないんだ、と。
言われてみれば、私も数ヶ月のアメリカ生活から日本に戻った時、やけに人が細く見えたものです。
私たちは、肥満という異常な状態を毎日目にすることにより、やがては、肥満を異常と見なくなってしまうのです。
異常といわれている状態も、毎日目にすることにより、普通化してしまい、
普通化してしまうと、それを直そうともしなくなります。
同じようなことがが帰国生の教育環境でも見られます。
最近は、色々な方々から帰国生の教育環境を聞くのですが
あまりのひどさに、ため息がでてしまいます。
そして、それが半ば普通化してしまっていることに私は強い危機感を覚えるのです。
例えば、アメリカの学校ではESLなどで現地校の宿題を手伝ってくれるそうです。
では、その手伝い方とは一体どのようなものなのでしょうか。
お母様方はご存知ですか?
私は、英語が分からない生徒がESLのほんの1時間にも満たないクラスで、一人の先生が何人もの生徒の宿題を終えてしまえるということが信じられません。
文章を読んでも分からない単語が多々あるにもかかわらず、宿題を終えてしまう、ということは
その先生や、アシスタントが、何をどのようにして生徒の宿題を手伝っているのでしょうか。
生徒に宿題をやらせているのか、それとも、先生がやっているのか。
家庭教師にしてもそうです。
その子の英語レベルでは、到底「A」など、とれないにも関わらず、毎回完璧に宿題をこなすために、成績は「A」になる。
これも異常ではないでしょうか。
これを聞いてある翻訳会社で働いている友人の話を思い出しました。
彼女の会社に、とあるお母さんから電話があり、息子の英語スピーチコンテストの英訳をお願いしたい、との連絡があったそうです。
果たして、翻訳会社に依頼した原稿で、スピーチコンテストを優勝したところで、一体何になるのでしょうか。
しかし、全く同じようなことを家庭教師にしてもらっている帰国生の子どもたちがいることは事実なのです。
彼らが手にする「A」は、彼らにとって一体何を意味するのでしょうか。
最後に、毎週課される漢字テスト。
日本語にふれる機会の少ない、アメリカに住む日本人のお子さんが
毎週新しい漢字テストのために勉強。
前日の夜か、その日の朝にだけ詰め込み、そして日曜日には忘れているというこの効率の悪い勉強法。
次の週には、新しい漢字になっており、先週の漢字を完全に忘れている。
これで、テストで良い点をとったところで
忘れていく漢字の方が多いため
一年後、二年後、三年後には、年齢相応の読書もできなくなっているのです。
読書をしないために、日本語力は落ち、語彙力は上がらない。
語彙力が上がらないために、漢字もただの記号にしか見えず
出される漢字をただ丸暗記して、テストで良い点をとる。
これほどの悪循環があるでしょうか。
さて、ここまで異常な状態の三つの例を挙げました。
ESL、家庭教師、そして、毎週課される漢字テストの無意味さ。
異常な状態が長ければ長いほど、ダメージは大きく
一番損をするのはお子様なのです。
一早くこの異常な状態を、まずは「異常」と認識し打開策をうたなければ、お子様の勉強に対する姿勢というのは曲がったままになってしまうでしょう。
少し重くなってしまいましたが、気を取り直しまして
週末は、ウワジマヤさんでフェスティバルジャパンが開催されます。
私たち巣鴨アドバンススクールもブースを出し、パンフレット配布、計算ゲーム(景品付)を考えています。
このブログ読者限定で、キャンペーンも考えています。
ブースに来たときに、ブログ読んでいます、と言っていただければ・・・
・・・
・・・
言ってからのお楽しみということでお願いします。
(すいません、まだ具体的に決まっていないだけです 笑)
それでは、皆さん、良い週末を。