このような神話が通じるのは、小学校低学年でアメリカに渡る場合のみでしょう。
私が親の転勤でアメリカに渡ったのが小学4年生。
最初のブログ記事 にも書かせていただきましたが、私の英語力はなかなかレベルアップしませんでした。
今思えば色々な要素が複雑にからまっていたのですが、
その一つに
文法の欠如
があります。
言語力をつけることは、家を建てるようなものです。
家を建てるには、最初から2階の部分を立てるのではなく、まずは、その土地にしっかりした土台を築きます。
土台は写真のように、美しくも無く、家が建ってしまえば見えなくなってしまいます。

しかし、しっかりした土台なくして、2階の部分を立てるのは不可能です。
それと同じように、
文法は言語力の土台となります。
特に、第一言語がある程度しっかりしてくる小学4年生ごろからの第二言語習得においては、
文法というのは非常に大事になってきます。
仮に見た目としては、友達と流暢に会話ができているとしても、
正しい英語をしゃべれているのかは確かではありません。
もちろん、正しい英語でなくても、会話ができているのであれば問題はない
という意見もあるかと思います。
しかし、会話以上、つまり文章を書くことや、文章を理解することにおいては、
この文法が入っているかどうかで、大きな違いがでてきます。
現在、うちの塾生(小学生)の特別講習を行っているのですが
中学3年間分の基本的な英文法を、約一ヶ月間で習得するということにチャレンジしてもらっています。
本人の吸収力は大変高く、塾に毎日のように来てもらっていることもあり、本人にとっても無理なく進んでいる状況です。
本人に聞くと、ESLではやはり十分な説明がされておらず、基本的な文法事項も教えてもらっていませんでした。
私が小学生のときもそうでした。
十分な説明がないために、意味も分からず感覚でとらえていることが多々ありました。
例えば、友達が 「I have to go」
といって、どこか行ってしまえば、この言葉は、どこか行く前に使うのだな
そういう理解の仕方だったのです。
have to が ~~しなければいけない、などというのは日本に帰国後に、中学校の授業で判明したことです。
「あぁぁ!そういうことだったのか!」
そんな発見が日本の中学校の授業を受けているときに多々ありました。
そして、同時に思うのです。
これをアメリカにいたときに分かっていれば・・・と。
日本で生まれ育った小学4年生であれば、中学校レベルの英文法は理解できる日本語力を持っています。
英語を英語で学ぶ、それが自然なことなのでしょうし、理想なのでしょうが
既に持っている日本語力を使い、英文法を理解しない手はありません。
英文法をある程度勉強し、土台を固めてから、現地校の授業に取り組めれば、吸収力、理解力が格段に違います。
なぜならば、あとは単語力さえつけてしまえば、どんな文章でも理解できるようになるからです。
本人が持っている日本語を使い
英文法を理解する。
これは遠回りでも何でもありません。
英会話以上のもの、つまり学力としての英語を身につけてもらいたいのであれば、英文法は必須です。