「宇宙飛行士にアルツハイマーの危険」などという記事に遭遇した。
米国の神経生物学・解剖学部の教授が、マウスによる研究でつきとめたらしく、
宇宙に長期間滞在するとアルツハイマー症になる可能性が高いという。
火星と地球の往復は、3年ほどかかるようで、
そのことを危惧しているという記事だった。
しかしである。いったい、どこの誰が「こ、これは大変だ」と、思うというのか。
宇宙に長期滞在するのは危険だから止めましょう、と言われても、
そうなんだ、ううむ、残念――などと言うのは、
財力のある企業のCEOか石油王、あるいは夢見る子どもたちだろう。
「宇宙旅行は7泊8日くらいにして、長期バカンスはマイアミとするか」
といったことを、社長室の窓から下界を見下ろして呟くことは、まんざらなくはない。
が、多くの人は「来週から沖縄に10日間の長期休暇なんだ」と、ほくそ笑むのが関の山だ。
仮に、この記事を読み、ヤバいと思える時代が来るとしたら、
「来週から火星に行ってくるね。3年くらいで帰ってくるよ」
「そうなんだ。元気でね」
といった会話が、丸の内界隈で交わされるような時代であると、思うのである。
そのころには、アルツハイマーの特効薬も開発されているに違いないが。
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