【客演】パンチェッタラボ 2024 in 京都 | シュガー・ドラゴンのブログ

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「再来年の一月、空いてますか?」
確かそんな風に誘われたと記憶している。
「まあ、空いているといえば空いてるけど」
そんな先どころか、来月の予定すら決まっていない私は答えた。
聞くと、一か月間、京都に滞在して、何もないところから舞台の創作に携わるという。
お引き受けさせていただくことにはなったのだが、私は思った。
「大丈夫だろうか?」

「役者の佐藤竜です」
たまに立たせていただく舞台の現場では、そう名乗っている。
舞台上で台詞を吐いたりするという意味では、その通りなのだが、職業としてはどうなのだろうか。
例えば、「照明の」とか、「音響の」とか、同じ舞台に関わっている方々は、それで生計を立てているのだろうが、私は「役者」で糊口を凌ぐことすらできていない。
舞台がない間は、バイトをして、何とかやっている。
世間から見れば「フリーター」だし、職業欄にもそう書くようにしている。
多分、世の中の多くの「役者」が、そう変わらない生活を送っていることだろう。

一か月間、芝居に浸かっていられること自体は、とても魅力的だ。
だが、それと引き換えにバイトを休まざるを得ないし、その後の生活の当てもない。
では、なぜ、やるのだろう?
お芝居が好きだから、嬉しいという無茶なのだろうか。
自分、こんなことやってますという見栄なのだろうか。
やると答えたからには、やるという意地なのだろうか。
その答えは、よくわからない。

昔、アニメの制作会社に勤めていたことがある。
私は、名のある監督の下で、助手のようなことをしていた。
その監督は本当にすごい人で、表に出れば、周りがみんなペコペコと頭を下げていた。
だが裏では、夜中に一人、レーズンパンをかじりながら、シコシコと絵コンテを描いていた。
「シャーロック・ホームズ」の生みの親、サー・アーサー・コナン・ドイルは、誰もが知っていることだろう。
だが、医師として開業したものの上手くいかず、木箱二つを椅子とテーブルにして、水でパンを流し込みながら、執筆したという。

京都での一か月。
どんな作品が生まれるのか、その後の生活がどうなるのか、まったくわからない。
旅立ちを前に、なぜやるのだろうかの、答えも見つかっていない。
考えても答えは出ないし、答えを見つけに、行くのかもしれない。
とりあえず、レーズンパンを買ってこよう。 佐藤竜

 

 

◎ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム「KIPPU」

『パンチェッタラボ 2024 in 京都』

——from TOKYO to KYOTO——

今日も今日とて、京都で。

東から陽が昇る。太陽の光に街があたためられていく。現代的な街並みが広がる中に見え隠れする、かつての都の趣。見渡せば、ほど遠くなく山々が。
今どこにいるのだろう。
さっき曲がったはずの道と、似たような光景が広がる。通りにはそれぞれ名前がついているらしいが、覚えられていない。生活者と観光客を混ぜ合わせた乗客を乗せたバスが、数多く通り過ぎていく。西へと陽が落ちる。沈みゆく太陽を見送りながら、我々は作品を生み出す。この地で一体何が生まれるのだろう。

本企画では、事前に何も用意せず、京都の街を歩き、感じたことを元に作品を創作する。稽古場を開放し、創作過程を共有しながら、作品を生み出していく。我々とともに、一喜一憂しながら作品の完成を楽しみにしてほしい。何より、何かが生まれる瞬間は、面白い。

〇PHASE 1
CREATION(公開稽古)
1月5日(金)~1月29日(月)
脚本も何も用意せず、ゼロの状態からテーマを考え、フィールドワーク、創作を重ね、だんだんと作品の形になっていくその過程を公開します。

【日時】
※詳しい公開日時はwebにて。
https://note.com/pnct/n/n31d828391b6c

【会場】
京都芸術センター
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
TEL.075-213-1000
https://www.kac.or.jp/

〇PHASE 2
PERFORMANCE(上演)
2024年 2月1日(金) ~2月4日(月)
約一ヶ月の創作期間を経て出来上がった作品を、生演奏とともに上演いたします。

【日時】
2月1日(木)19:30
2月2日(金)19:30
2月3日(土)14:00/19:00
2月4日(日)13:00
※受付開始45分前、開場は開演の30分前

【会場】
ロームシアター京都ノースホール
〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町13
TEL.075-771-6051(代表)
https://rohmtheatrekyoto.jp/

【構成・演出】
一宮周平(PANCETTA)

【出演】
宇津木千穂 佐藤竜 新行内啓太 角谷良 林真子 一宮周平

【音楽】
ピアノ 加藤亜祐美
パーカッション 小田桐陽一

【STAFF】
舞台監督 中西隆雄
照明 黒太剛亮(黒猿)
制作 若旦那家康(コトリ会議)
デザイン 齋藤俊輔
撮影 中谷利明
企画・制作協力 竹井京子
PR Chika

【料金】
前売:一般3,000 円/U22 2,500円(要証明書)
当日:一般3,500 円/U22 2,500円(要証明書)
※全席自由
※未就学児入場不可

【予約】
PANCETTA予約フォーム(当日精算)
https://www.quartet-online.net/ticket/lab2024kyoto

ロームシアター京都オンラインチケット
https://www.s2.e-get.jp/kyoto/pt/

ロームシアター京都チケットカウンター
[窓口・電話 TEL.075-746-3201(10:00~17:00 年中無休 ※臨時休館日等により変更の場合あり)]

京都コンサートホールチケットカウンター
[窓口・電話 TEL.075-711-3231(10:00~17:00 第1・3月曜休 ※祝日の場合は翌日)]

京都芸術センター
[事務所窓口(10:00~18:00)]

【託児(要事前予約)】
2月3日(土)14:00の回では、託児サービスがご利用いただけます。
詳細、お申し込みはロームシアター京都WEBページをご確認ください。
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/103778/

【観劇サポート】
本公演では車椅子席のご用意がございます。お申込につきましては下記までお問い合せください。 
ロームシアター京都チケットカウンター TEL.075-746-320

問い合わせ  pancettapancetta@yahoo.co.jp
WEBサイト pancettapancetta.com

主催・企画・製作 PANCETTA(パンチェッタ)
共催 ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団) 京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会) 京都市
令和五年度京都府文化芸術体験機会創出事業