(春日井市議会建設委員会2020.11.17)

春日井市緑の基本計画(中間案)について

田中公園緑地課長 それでは、報告事項12、春日井市緑の基本計画(中間案)、について御説明申し上げます。資料「別冊7」により御説明申し上げます。
 今回の中間案につきましては、多ページにわたっていることから、主だった点の説明とさせていただきますのでよろしくお願いいたします。表紙をめくっていただき、目次のページを御覧ください。
 春日井市緑の基本計画は、第1章、計画の概要から第7章、緑のまちづくりの推進体制まで、全7章で構成しております。本市を取り巻く現状から評価・分析を行い、見えてきた課題から緑の将来像を改めて見直し、魅力ある緑のまちづくりの取組についてまとめております。それでは2ページを御覧ください。
 第1章、計画の概要、1-2、計画の特徴です。春日井市緑の基本計画は、都市緑地法第4条に基づき策定するもので、公園・緑地の整備だけでなく、公共施設の緑化、民有地の緑地の保全及び緑化の推進、市民緑化意識の向上などを含めた緑に関する総合的な計画となります。次に、1-5、目標年次ですが、今年度末に計画を策定し、令和3年4月より令和13年3月までの10年間を計画期間としております。次に4ページをお願いいたします。
 第2章、緑の現況です。4ページから、本市の概況をはじめ、緑に関する様々な状況を取りまとめております。9ページをお願いいたします。2-2、緑地現況・緑化状況として、図2-5の上段に緑の量を表す緑被率のグラフを記載しております。市全域では約42%、市街化区域では約20%を維持していることが分かります。また、10ページでは、図2-6及び2-7において、平成14年時点と平成26年時点の緑の現況図を記載しております。この図からは、本市東部地域には豊かな緑が広がり、保全されていることが分かります。次に12ページをお願いいたします。
 ここでは、緑地現況量について記載しております。本市1人当たりの都市公園面積は、令和元年度末において11.4平方メートルと、全国平均を上回り、県内でも上位の数値となっておりますが、13ページでの施設緑地の現況では、その都市公園の約44%が供用開始後40年を経過している状況となっていることを記載しております。次に25ページをお願いします。
 このページからは、2-3、主な緑地・緑化施策の状況として、緑化振興に関する取組や200を超える地元町内会などの団体による身近な公園の除草・清掃作業が行われている現状について記載をしております。次に30ページをお願いします。ここでは、市の管理業務の視点から見た緑の実態として、街路樹の巨木化や公園施設の老朽化、活動団体の高齢化などを課題として上げております。
 ページ飛びまして、43ページから47ページまでは、本年3月に実施いたしました、春日井市緑の基本計画策定に伴う市民アンケートの結果を一部掲載しております。当該アンケートでは、春日井市の緑についての意見や、街路樹・公園樹木の維持管理についての意見など、幅広く聞くことができました。次に48ページをお願いします。
 第3章、緑の分析・評価と緑のまちづくりの課題です。3-1、5つの機能に対する緑の分析・評価の視点では、緑の現況をはじめ、関連計画や市民アンケートの結果から、表3-1にあります5つの視点に着目して分析・評価し、緑のまちづくりの課題について整理いたしました。なお、分析・評価の内容については、49ページから54ページにかけて記載をしております。次に55ページをお願いいたします。3-3、緑のまちづくりの課題として、先ほどの緑の分析・評価から、「保全」・「創出」・「再生」・「協働」の4つのキーワードで取り組むべき課題を整理いたしました。内容については、55ページから58ページにかけ記載をしております。続いて59ページをお願いいたします。
 第4章、緑のまちづくり 基本的な考え方です。4-1、基本理念では、先ほどの4つのキーワードで整理した課題を踏まえ、緑のまちづくりに関する諸施策を展開するに当たり、「まちと調和し暮らしを彩る かすがいの緑づくり ~Life with Green~」をこの計画の基本理念といたしました。これは、まちと緑のバランスの取れたちょうどよい関係や、市民の暮らしと共にある身近な緑を重視し、以前の緑の量の確保から緑の質の向上への転換を目指した基本理念となっております。次に60ページをお願いします。
 4-2、緑のまちづくり 将来像です。図4-1、緑のまちづくり 将来像図を御覧ください。春日井市を、樹林地保全ゾーン、農地共生ゾーン、まちなかの緑ゾーンの3つのゾーンで区分けし、主要な都市公園等を緑の拠点として位置づけ、それをつなぐ緑道や河川、街路樹からなるネットワークで構築しております。特徴として、駅周辺等を囲うオレンジ色の円は緑の都市交流拠点を表し、都市機能の誘導に合わせた適正な緑の配置や民有地緑化の促進を図ることとしております。また、落合公園などについているピンク色の丸は桜の拠点を表しております。桜を将来にわたり楽しんでいただけるよう、この桜の拠点を中心に保全を図ってまいります。続いて64ページをお願いします。
 4-3、基本方針と目標です。先ほどの緑の将来像図を実現するため、基本理念のもと、「まもる」・「つくる」・「かえる・たかめる」・「つなぐ」の4つの基本方針を設定しました。次に65、66ページをお願いします。ここでは、4つの基本方針の内容と目標について記載しております。次に67ページをお願いします。
 第5章、緑のまちづくり 基本施策です。5-1、基本施策では、先ほどの4つの基本方針のもと、施策の方向性と基本施策を定めました。表5-1、緑のまちづくり 施策体系を御覧ください。基本方針「まもる」では、施策の方向性として樹林地を守るなど7つの項目を定め、1から14の基本施策を取り組むことといたしました。また、花印がついた基本施策は「緑のまちづくりプロジェクト」とし、今後まちづくりのため重点的に取り組むべき施策であると位置づけました。その他、基本方針「つくる」・「かえる・たかめる」・「つなぐ」については、記載のとおりでございます。次に68ページをお願いします。このページからはそれぞれの基本施策の個別内容について説明をしております。ページ飛びまして78ページをお願いします。
 第6章、緑のまちづくりプロジェクトです。ここでは、33の基本施策のうち、特に重点的に取り組む施策として、表6-1にある6つの施策を緑のまちづくりプロジェクトと位置づけました。79ページをお願いします。緑のまちづくりプロジェクト「弘前方式による満開の桜づくり」です。青森県弘前市において、桜の維持管理方法として実績のある弘前方式を本市においても導入し、老木化した桜の樹勢回復や保持・増進を図ります。次に83ページをお願いします。
 緑のまちづくりプロジェクト「身近な都市公園の整備」です。地域の住民だけでなく、特に子育て世代が参画し、幅広い意見を取り入れた身近な公園整備に取り組むこととしております。次に85ページをお願いします。緑のまちづくりプロジェクト「住宅等の敷地内緑化の促進」です。県の補助制度を活用し、駐車場、生垣など、民有地の緑化推進をいたします。次に87ページをお願いします。
 緑のまちづくりプロジェクト「多様な市民ニーズに応える特色ある公園づくり」です。求められる機能などを踏まえ、画一的な公園ではなく、多様な市民ニーズに応じた特色ある公園緑地の整備を目指します。次に89ページをお願いします。緑のまちづくりプロジェクト「魅力ある街路樹と公園樹木づくり」です。現状の課題や市民ニーズを踏まえ、街路樹については安全性と景観の2つの観点からの維持管理・再整備を、公園樹木については防犯上の対策をしっかり行うとともに、景観に配慮した剪定・維持管理を行うこととしております。次に100ページをお願いします。緑のまちづくりプロジェクト「緑のまちづくりへの市民参画と担い手の育成・支援」です。緑のまちづくりを推進していくため、市民や企業などの持続的かつ自立した運営母体の育成等の取組を支援します。また、現在実施している花のまちづくりコンクールなどのイベントや、緑化推進の補助事業など、緑のまちづくり団体の継続的な活動に必要な支援を行うとともに、より効果的で利用しやすい制度を検討することにより、参加団体の増加につなげていきたいと考えております。次に103ページをお願いいたします。
 第7章、緑のまちづくりの推進体制です。第4章でお示ししました緑の将来像の実現、また緑のまちづくりを推進していくためには、市民・事業者・行政が連携・協働する必要があります。3者がそれぞれの役割を実施し、街と調和し、暮らしを彩る春日井の緑づくりを推進する取組を行ってまいります。また、取組を効果的に行うため、PDCAによる進行管理を行い、評価・改善を行ってまいります。
 以上、春日井市緑の基本計画(中間案)について御説明申し上げました。なお、今後の予定ですが、11月18日より12月18日までの期間においてパブリックコメントを実施し、その後市民意見を取り入れた最終案を本委員会に報告する予定です。以上、よろしくお願いいたします。

 

末永けい

30ページ、76ページのところなんですが、都市公園等の除草・清掃業務の委託内容及び委託金額、単価などの現状について教えていただきたいと思います。

田中公園緑地課長 都市公園等の除草・清掃業務の委託内容及び委託金額の内訳についてですけれども、公園の除草につきましては年4回、清掃作業については月1回、実施することとして、地元区・町内会などの団体へ委託をしております。これを受けて、実施日・作業人数・作業内容を記載した作業報告書を3か月に1回、委託団体より提出いただいております。
 なお、委託する公園数と団体数ですが、本年度は431か所、218団体です。また、委託金額については、均等割額と面積割額があり、均等割額は1公園当たり3万円、面積割額は1平方メートル当たり30円で、令和元年度の契約額は約3,900万円でした。

末永けい

町内会等に委託していない公園の除草・清掃は、どこに委託されているのか、そちらについても委託内容や金額、除草に係る単価について伺います。

田中公園緑地課長 地元委託されていない公園の除草・清掃作業につきましては、スポーツ・ふれあい財団と、シルバー人材センターの2つの団体に、年間を通して委託しております。本年度、シルバー人材センターとは約3,760万円でふれあい緑道など15か所の公園について、年3回の除草作業を行う委託をしております。除草単価は、1平方メートル当たり約77円となっており、毎月作業報告を受けております。
 次に、スポーツ・ふれあい財団につきましては、委託金額が、除草だけでなく低木の刈り込みなど多岐にわたるものとなっていることから、除草に係る単価のみを算出することはできませんが、113公園、年3回の除草などを約1,120万円で委託しております。またこちらも毎月作業報告を受けております。

末永けい

76ページのほうでは、各公園の管理水準に差が見られるというふうにありまして、その原因と管理水準、差が出てこないようにする方策をどのようにお考えなのか、お尋ねします。

田中公園緑地課長 管理水準のレベルにつきましては、地元での公園の利用状況や、除草・清掃作業する担い手の人数など、理由は様々だと考えます。
 対策につきましては、例えば本市が公園広場に雑草が生えづらい土への入替えを行うことや、雑草を枯死させ、発生を抑制する効果がある除草方法を実施するなど、地元除草・清掃作業の負担軽減となる環境整備をすることが考えられます。必要とされる対策を実施する中で、管理水準が一定となるよう、引き続き地元と協働での公園の維持管理につなげていきたいと考えております。

末永けい

30ページのところにも、課題の現況について記載があるのですが、実感として管理水準に差が出ているというのは、町内会管理の公園の間だけではなくて、実際に先日とある公園において、周辺の側溝やフェンス、公園面積の半分近く草が生い茂り、膝丈ぐらい伸びた草がベンチや遊具を覆い隠している状態でありました。公園は周辺住環境に彩りをもたらすべきものであって、公園自体が管理不全で周辺住環境を悪化させていては本末転倒だと思います。こちらは、さすがにひどいと思いまして、付近の住民の方に確認したところ、やはり散歩もできず困っているとのお話で、公園緑地課のほうに確認すると、その公園については、スポーツ・ふれあい財団が受託しているという公園でありました。公園の管理責任はあくまでも行政で、業務委託ですから、受託している団体はあくまでボランティアはなくて業務になります。どの団体が受託していても、管理水準に差があってはおかしいですし、市民や利用者が365日いつでも気持ちよく使える状態にしておく責任というのは、市にあると思います。この30ページのところに、市自身が都市公園等の、あるべき管理水準ということはしっかり定める必要があると思いまして、ここにも記載があるように、維持管理に関するガイドラインが確立されていないという記載になっています。こうしたガイドラインというのはつくっていくお考えなのでしょうか。

田中公園緑地課長 こちらに書いてあります「剪定基準・植樹に関連するガイドラインがなく」といったところなんですが、今こちらのほうで説明いたしましたように、公園樹木や街路樹に関しては、景観だとか安全性に配慮して切っていきたい、そういった形で維持管理をしていきたいというふうに記載をしておりますし、今後はこういった形で進めていきたいと考えております。
 また、委員のおっしゃる公園の、例えば除草だとかに関しましてですが、一応、年何回実施する旨で委託を行っております。今、地元清掃・除草作業についてお話をしておるんですけれども、皆さんが少しでも作業をしやすいような環境を私どもが整備することによって、少しでもそういった管理水準の差がないようにしていきたいというふうには考えております。

末永けい

先ほどもお尋ねして答弁いただいたのですが、区・町内会管理とシルバー人材管理と、あとはスポーツ・ふれあい財団の管理と。それぞれ、委託内容とか、委託金額の内容に差があるということが明らかになりまして、これも管理水準の差につながってしまっている要因の一つなのではないかなという気もいたしますので、公園管理の委託先や委託内容についても、見直すべきところがないのかということについては検証していただきたいということを要望しておきます。

【参考】

春日井市緑の審議会

【末永けい関連質問】

【町内会・自治会も必見】春日井市は防犯灯の設置箇所が上手く調整されておらず、暗がりが生じています