去る2018年10月2日、議会と市が共同して東海旅客鉄道株式会社、名古屋鉄道株式会社、名鉄バス株式会社に対して行った要望について、各社からの回答内容が報告されました。(建設委員会)

 

1 東海旅客鉄道株式会社への要望事項と回答

⑴ 春日井駅については、橋上駅舎・自由通路の完成だけに留まらない、市の中心に相応しいまちづくりを推進するため、駅周辺のにぎわいづくりに積極的に協力すること。

(回答) 具体的な計画があれば個別に協議し、協力していく。

 

⑵ 神領駅については、区画整理事業等により周辺人口が増加し、利用者が顕著に増加しているため、快速列車を停車させること。

(回答)神領駅のご利用人数が年々増加していることは承知している。しかし、ダイヤ改正で毎年検討しているが、周辺の快速列車停車駅と比較するとまだ少なく、お客様のご利用状況、遠方への速達性の確保などを総合的に勘案して現在の快速列車の停車駅の設定は適切であると考えている。

 

⑶ 利用者の利便性及び安全性の向上を図ること。
ア 朝夕のラッシュ時間帯における車内混雑の緩和
イ 各駅へのホームドア設置等、駅での安全対策の実施

ウ ホーム上のベンチ等、高齢者や障がい者を始めとする駅利用者が快適に利用できる施設の整備

(回答)

ア 運転本数や編成車両数については、限られた車両を有効に活用し、路線全体の利便性を高められるようバランスを勘案して決定している。
イ ホームドアの設置については、まずは国が優先して整備することを求めている10万人以上のご利用がある駅について進めていく考えであり、春日井市内の駅については、現段階で設置する計画はない。駅での安全対策については、お客様に安全で快適にご利用いただけるよう、駅係員の適正な配置やホーム上の安全性向上に向けたハード・ソフト両面での対策を行っている。
ウ お客様が利用しやすい駅を目指して、駅設備の整備等に取り組んでいる。ベンチについては、駅の空きスペースや駅をご利用されるお客様の人数、朝夕の通勤時間帯の混雑状況、列車をお待ちいただく時間など、駅のご利用状況を総合的に勘案して設置している。現時点では春日井駅のホーム上のベンチを増設する予定はない。

 

⑷ 鉄道利用者のための自転車等駐車場整備に積極的に関与・協力すること。
ア 自転車法に基づき、本市が自転車等駐車場を整備する際の用地の積極的な協力

(回答)高蔵寺、神領駅については相談をいただいており、調整をしているところ。今後も具体的な事案があれば、別途相談されたい。

 

⑸ 愛知環状鉄道線の利用促進へ積極的に協力すること。
ア 中央本線と愛知環状鉄道の直通列車の増便、延伸

(回答)直通運転については、双方の路線を通してご乗車されるお客様のご利用動向や、車両・乗務員の運用方法等を総合的に勘案して判断する必要がある。現在のご利用状況から判断すると、現状のダイヤが最適だと考えている。

 

⑹ 城北線の利便性を向上するため、勝川駅での接続を図ること。

(回答)城北線は、年間1億円に満たない程度の収入であり、運行に必要な経費を賄うことも厳しい状況に加え、年間数十億円にものぼる多額の賃借料を支払っている状況であるが、地域の足として運行を維持しているところ。こうした経営状況で、また、現在のご利用状況では投資効果が見込めないことから、勝川駅での接続は考えていない。

 

⑺ リニア中央新幹線の工事を進めるにあたり、住民への丁寧な説明や情報開示を行い、理解が高まる周知を市民に対して行うこと。また、工事用車両の市民への影響をできる限り抑制すること。

(回答)中央新幹線の実現に向けては、安全の確保、環境の保全に十分配慮するとともに、地元の理解を得ながら進めることが重要だと考える。

 これまでもわかりやすいデータ、情報の提示や丁寧な説明に最大限取り組んでおり、春日井市内では平成23 年10 月の説明会を皮切りにこれまで16 回に及ぶ説明会を開催してきた。
 工事にあたっては、工事用車両の運行にあたり、地元の皆様への影響を抑制することが重要だと認識している。工事用車両の運行ルートの分散、台数の抑制について最大限配慮し、環境保全措置を講じるとともに、安全運転の徹底、安全教育の実施等の安全対策を実施し、交通安全に努めていく。

 

2 名古屋鉄道株式会社への要望事項と回答

⑴ 利用者が安全・安心・快適に利用できる環境の整備を図ること。
ア 味美駅東側からのアクセス確保やバリアフリー化、味美1号踏切の拡幅など、駅周辺整備への積極的な協力
イ 春日井駅周辺土地区画整理事業を始めとした、都市計画事業への協力
ウ 高齢化の進行に伴う公共交通ニーズの多様化に対応できるよう、市内各駅のバリアフリー化の推進及び駅前広場ロータリー整備への協力
エ 定期券発行や安全性確保のため、小牧線の中でも利用者が多い味美駅への駅員の配置
オ 市内各駅へのmanaca発券機の設置

カ 各駅へのホームドア設置等、駅での事故防止対策の実施
キ 南海トラフ地震や頻発する自然災害への減災対策を見据えた、駅利用者のためのトイレ設置

(回答)

ア 早期の事業化に向けて調整を進めていく。
イ 春日井駅はバリアフリー化の対象駅であるため、駅周辺の整備やバリアフリー化など駅のあり方について、時期、手法などの調整を進めていきたい。
ウ 牛山駅と間内駅は実質的な段差解消がされているが、市の計画があれば、協議・調整していきたい。
エ 各駅に駅員と会話が出来るインターホンなどを設置しており、味美駅に駅員を配置することは難しい。
オ 今後、これらの更新時期には、manaca 発券機の導入も検討していきたい。

カ 利用者が10 万人を超える駅で整備条件を満たしている駅についてはホームドアを整備することとされているが、春日井市内の駅において10 万人を超える駅はない。なお、安全対策として、様々な措置を講じている。
キ 総合的な判断の下に優先順位をつけて整備している。

 

⑵ 鉄道利用者のための自転車等駐車場整備に積極的に関与・協力すること。
ア 自転車法に基づき、本市が自転車等駐車場を整備する際の用地の積極的な協力

(回答)現状提供可能な自社用地は駐輪場になっており、今後新たに用地ができれば、用地の提供を検討していく。

 

3 名鉄バス株式会社への要望事項と回答

⑴ バス路線の利便性向上を図ること。
ア 市民の移動の利便性を保つため、既存バス路線の維持確保
イ バス定期券や得々パスを購入できる窓口の増設
ウ かすがいシティバスとの乗継割引の新設
エ ICT化へ対応したバス停の位置情報等のオープンデータ化

(回答)

ア 利用動向と乗務員不足が根底にあるが、安全の確保とサービスの向上に尽くし、路線の維持・発展に努めていきたい。
イ 窓口の新規設置には、イニシャルコストやランニングコストなどを慎重に検討する必要がある。
ウ 採算性等を勘案して検討しなければならない。
エ オープンデータ化については、すでに一部やっているが、無償での提供は難しい。

 

⑵ バス待ち環境の整備を図ること。
ア 交通結節点であるJR高蔵寺駅、春日井駅、勝川駅等への、バスの運行状況が確認できる案内表示付バス停の増設
イ シェルター付きバス停など利用しやすいバス停留所への改良

(回答)

ア 機器が高価であり、当社単独の設置では、費用対効果や場所の選定を考える必要がある。
イ バス待ち環境の整備に取組んでいくので協力してほしい。

 

⑶ 快適かつ安全なバス運行等を図るよう乗務員教育を徹底すること。

(回答)会社の安全風土の構築に努めていく。

 

⑷ 本市が策定した「高蔵寺リ・ニュータウン計画」の実現に協力すること。

(回答)重要な拠点と考え、個別の議論に参加しており、今後も、可能な限り協力をしていく。

 

(末永けい関連質問)

JR東海、名鉄、名鉄バスに行う要望において、帰宅困難者対策充実や交通系ICカード利便性向上の声を

 

(参考)

春日井市地域公共交通会議