ニュートンはなぜすごいのか 〜2012年のメモより〜 | 須藤峻のブログ

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すどうしゅんによる、心の探究日誌。
生きることは不思議に満ちてる。自由に、自在に生きるための処方箋。

~2012年6月のメモより~

ニュートンは、なぜすごいのでしょうか。
万有引力の発見者であり、微積分の創始者であるアイザック=ニュートン。
彼には誰でも知っている、有名なエピソードがあります。
「リンゴの落下から万有引力を思いつく」というお話です。

それまでも「リンゴの落下」を眺めた人は、数えきれないほどいたでしょう。
しかし,誰も、ニュートンの様な発見はできなかった。
他の誰もにできずに、ニュートンだけが成し得たこと、それはなんでしょうか。
それは、「リンゴが落ちる」という事実を
「万有引力によって、リンゴは下に落ちた」と解釈したということです。

リンゴの落下は、たった1度の現象です。
解釈によって生み出されたのは、「万有引力によって、落下する」という法則です。

ニュートンの発見は、たった一度の「リンゴの落下」という現象から、
万物に共通する落下という普遍的な「法則」を発見したということです。

ことの真偽は別として、この話がこれほどに有名なのは、
このエピソードが、ニュートンの「頭の良さ」を語り継ぐのに、最も適切だからでしょう。

後の世の人々は、この「法則を発見する力」が、
知性の根本であることを、とてもうまく表現していると理解した。
故に、この話を、繰り返し繰り返し、語りついで来たのではないでしょうか。


この話は、推理小説のコトを思い出すと、より理解が進みます。
探偵や刑事が犯人を割り出す時に、お決まりのシーンは、
被害者に共通する要素(=パターン)の発見です。

被害者5人の出身地も、性別も、所属階層もバラバラ
・・・しかし、全員イニシャルがK.Kである!!・・・
こんな話って良くあるでしょ?
この「誰もが気がつかない、だけど背後に存在するパターン」を鋭敏に嗅ぎ分ける力こそが、
凡人と金田一少年を、隔てているモノです。
そして、ニュートンとコナンくん、秀でた知性を持つ人間に”共通するパターン”なのです。


さて、見て来た様に、知性的であるとは、物事の表面(現象)でなく、
背後に隠れた「物事を結びつける共通点(パターン)」を見つける力のことです。
そして知性的な人とは、それを見つけようとする人のことです。

・自然界に存在するパターン
・失敗する人に共通する法則
・自分と親に共通するパターン
・人生に繰り返し現れるパターン
・自分が苦手な人のパターン

パターンを見つけた時に、僕らはそこに対応することが出来る様になります。
自分なりの解答を出すことが出来る様になります。
そこに、踏み込んでいくことが、出来る様になるのです。

パターンに目を光らせると、見えないモノが見えてくる。
そして、その「見えなかったモノ」は、必ず、新しい視座を僕らに与えてくれるのです。

知性、それは、パターンを見つけること。
そして、より深く世界を知り、より普遍的な視点を持つことが出来る様になること。
僕らの知性は、僕らに、世界をより深く味わうチャンスをくれるんですね。

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