学生時代にしていた、大学統計学部のアシスタントのバイトについて。

 

前回の記事では、バイトを始めるまでの経緯、時給、勤務日・勤務時間などを書きました。

 

仕事内容

  • チュートリアル
前回、少し説明しましたが、チュートリアルとは小さなグループで行われる授業。
私が担当していたチュートリアルのうち、1つは理系の学生用の統計学の科目、もう1つは経営学(マネジメントやマーケティングなど)の学生がとる統計学の科目でした。
後者のほうが易しい内容だったかな。
 
どちらの科目も、Excel(エクセル)の機能を利用して、統計学に関するタスクをこなす、というのがチュートリアルの主な目的でした。
チュートリアルが行われたのは、コンピューターが20~30台おいてある教室でした。
 

一例ですが、提供されたデータをもとに、こんな感じのグラフを作り、グラフの内容を分析していく、という感じです。

 
このチュートリアル、私がバイトを始めた時は、正規の講師が担当していました。
クマさんのように背が高くて、体格もよく、穏やかそうで、いつもニコニコしていた男性の講師でした。
その先生がいつもチュートリアルを仕切っていたので、このバイトを始めた最初の一年間は、まさにその先生のアシスタントという感じでした。
 
しかし、翌年、その先生は退職してしまい(結構お年がいっていたので、定年退職だったかもしれません)、代わりの正規の講師を雇うこともなかったので、バイト2年目から、アシスタントがメインでチュートリアルを行うことに。
 
それまでは後ろの方でちょこちょこ動いていたのが、急にチュートリアルをまかされることになり、びっくりしたのを覚えています。
ですが、最初の1年間、正規の講師がどんなふうにチュートリアルを行っていたか、しっかり観察できたので、準備体操は済んだ感じでした。
 
教室の前に立ち、大勢の人の前で話すことに、最初はドキドキしたけれど、何事も慣れですね。
生徒に説明している時は「あぁ、なんか先生って感じがする~」と自己満足に浸ってたりしました。
 
今思えば、学生バイトに責任押し付けすぎでしょ、と思いますが…。
責任が増えた分、時給は少し上がったかな?

覚えてないや…。

 
  • 中間テスト・期末テストの監督

私が関わっていた統計学部の科目には、中間テストと期末テストがありました。

120〜160人ぐらいの生徒が取っていた科目だったので、テストを行うにしても、教授一人では手が回りません。
ということで、アシスタントはテストの監督によく駆り出されていました。


教授や講師と一緒に、テストが行われる講堂に行き、事前にテスト用紙を机に置いていきます。
カンニング防止の為、1席ずつ間をあけ、前後の席とも間をあけます。
用意が整ったら、講堂の外で待っている生徒たちを中に入れ、携帯をオフにし、荷物を指定の場所におくように指示します。


試験が開始したら、一生懸命テストを解いている生徒達を観察するのみ。
同じ学生の立場からして、テスト中に監視員が喋っていたら気が散るだろうと思い、私はもちろん終始無言。
ですが、教授や講師はそんなことを気にしないのか、それとも、2時間も黙っているのがしんどいのか、私に話しかけてくることがよくありました。
もちろんヒソヒソと小さな声ですが、テスト中はペンが走る音しかしないわけで…。
教授や講師に黙れとも言えないので、会話は続けますが、生徒たちに少し申し訳なかったな~。
でも、普段ゆっくり話す機会がない教授や講師の意外な一面を知れたり、楽しい時間でした。

ちなみに、カンニングを見つけたことはありません。

 
  • 課題・テストの採点
毎週出される課題は、金曜日のお昼頃に回収し、月曜日の朝までに採点を済ませなければいけませんでした。
テストの採点は、もう少し期限に余裕がありました。
 
課題もテストも、詳しい配点が書かれた模範解答を渡されるので、採点自体は楽でした。
好きな曲を集めて採点用のプレイリストを作り、音楽を聞きながら、ひたすら採点。
統計学部にある小さなオフィスを使えるよう手配してくれたので、静かなスペースで集中して作業することができました。
どうでもいいことですが、採点用に赤ペンをたくさんくれたのが、結構嬉しかった貧乏性の私。
 
課題はWord(ワード)などに書いたものを印刷するのですが、テストは手書き。
採点の中で、一番苦労したのは、汚い字の回答を解読することだったかもしれません。
また、答えが一言で済む問題に、グダグダと答えを書いて「結局、何が答えなの?」と悩まされる回答もありました。
同じ課題やテストでも、それぞれの人となりが出て面白いもんですね。
 
  • テスト・課題の結果のデータ入力

採点した課題やテストの結果を、エクセルのファイルに入力し、保管。

また、大学が使っていたオンライン上のデータベースにも課題やテストの結果を入力しました。

生徒120〜160人分のデータ入力ですが、あまり時間もかからず、単調な作業でした。

ただ、神経質な私は、間違って入力してしまうのが怖く、データ入力を済ませたら、ダブルチェックならぬ、トリプルチェックしていました。

採点された課題やテストは生徒に返却されるので、「テスト用紙に書いてある点数とデータ上の点数が違う!」などということもありえるのですが、私の神経質のおかげか、そういったミスは一度もありませんでした。

 

デメリット・短所

 

このバイトの短所はなんだろう?と一生懸命考えてみましたが、なかなか思いつかず…。

はっきり言って、デメリット・短所はありませんでした。

 

が、短所を一つも挙げないのもあれなので、考えに考えて、短所を2つ見つけました。

といっても、これはデメリット・短所になる可能性があるかも、と私が思ったもので、私が実際に感じたデメリット・短所というわけではありません。

 

1つ目は、教えている生徒の態度。

私が主に教えていたのは、高校を卒業したばかりの大学1年生。

大学の教授や講師とは異なり、アシスタントは彼らと同じ大学生なので、軽く見られ、生意気な態度を取られるかもしれません。

私は良い生徒たちに恵まれていたので、特にトラブルはありませんでした。

 

2つ目は、テストや課題の採点に期限があること。

「〇曜日からテスト・課題の結果がチェックできます」と生徒に伝えてあるので、期限を守るのは必須。

私は週末のスケジュールに採点を組み込んでいたので、「採点しなきゃ!」という焦りを感じたことはありませんでしたが、締め切り日という存在はストレスになる可能性大ですよね。

 

メリット・長所

  • 生徒と関わるのが楽しい
私にとっては、これが一番大きかったと思います。
私が主に教えていたのは大学1年生。
初めてのチュートリアルは、緊張、困惑、期待など、生徒の面持ちはさまざま。
アシスタントである私への態度も、ちょっと距離があったり、緊張感があったりするのですが。
慣れてくると、私の名前も覚えてくれたり、チュートリアルで「ここが分からない~驚き」と助けを求めてきたり、中間テストの手応えを教えてくれたり。
私も、生徒の顔と名前を覚え、課題やテストについてのアドバイスをしたり、チュートリアルの後に自分の授業がなければ、10~15分ほど残って生徒たちの質問に答えたり。
 
学期始めは赤の他人だった学生たちも、時が経つにつれ、私にとって「大事な生徒」という存在に。
テスト前は「頑張れ~!」と心から応援していました。
人見知りだの、内向的だの、人嫌いだの、いろいろ言っている私ですが、なんだかんだ言って、生徒と関わるのが大好きでした。
それを目の当たりにしている私の彼は、「私、できるだけ人と関わりたくないんだよね」と私が呟くたびに「お前は何をほざいてんだ 真顔」と言った目で見てきます。
 
  • 生徒から感謝される
この長所に関しては、いくつかエピソードがあるので、次回の記事でもう少し詳しく書きます。
 
  • 「教える」という経験が楽しい
ただ単純に生徒と関わるのも楽しかったのですが、私は「教える」という経験がとっても好きでした。

毎週、生徒が取り組むタスクの説明をしたり、課題のポイントを教えたり。

それを、生徒が理解し、タスクや課題をこなしていく、という感じが楽しかったです。

 
なんとな~く説明を聞いている生徒もいましたし、分かったのか分かってないのか、はっきりしないような態度の生徒もいました。
そんな中、「分かった?」と聞いて「いや、分かんない」とズバリと答えてくれる生徒が、私は大好きでした(変人)。
「さっきの説明で伝わらなかったか…。じゃ、違う角度から攻めてみよう!」と、一生懸命考えされられるのが好きで(やっぱり変人)。
そのような過程を経て、生徒が「あ、分かった!」となる瞬間が、く~っ、たまらん!
長い一日の仕事の後、キンキンに冷えたビールを飲む感じですかね?(知らん)
 
  • バイト仲間ができる
図書館のバイトと同じで、周りのアシスタントも学生なので、友達ができやすいと思います。
ましてや、数学・統計学部に属している学生がアシスタントとして働いている場合がほとんどなので、同じ学部内で友達ができることになります。
私の場合、すごく仲良くなった人はいませんでしたが、ケラケラ冗談を交わすぐらいの仲の人は数人いたので、楽しく仕事をすることができました。
 
また、大学1年生の時にできた友達が、私に続いてアシスタントのバイトを始めたので、一緒に働くことができたのは最高でした。
チュートリアルの前後など、ちょっとした時間に、近況を報告し合ったり、くだらない話をしたり。
お互い勉強やバイトで忙しい大学生活を送っていましたが、同じバイトをしていることで会える時間が増え、さらに仲が良くなった気がします。
 
  • 過去に勉強した内容を忘れない
一生懸命勉強して単位を取ったとしても、時間が経つと、勉強した内容を忘れてしまったりしますよね。
その点、アシスタントは、チュートリアルで同じ内容を何度も教えるので、過去に勉強したことを忘れてしまうことがありません。
私の場合、大学1年生の時に習ったことを、チュートリアルを通して、何度も復習しているような気分になりました。
また、学ぶ側から教える側になったことで、「単位が取れるように」という思考から「ちゃんと教えられるように」という思考に変わり、生徒たちにうまく説明できるよう、さらに理解を深めなければ、という態度の変化もありました。

 

  • 教授・助教授・講師とお近づきになる機会がある
一緒にチュートリアルを教えたり、テストの監督をしたり、仕事内容で打ち合わせがあったり、統計学部の教授や講師と関わる機会が多かったです。
私は全然違う学部に属していたので、統計学部のスタッフと仲良くなったところで、何の得にもなりませんでしたが…。
(専攻が全然違うのに、なぜお前は統計学部のアシスタントをしている?と周りのアシスタントからは思われていたかもしれません。)
統計学を専攻している生徒、また、修士号や博士号を目指している生徒は、統計学部の教授や講師とお近づきになる機会があるのは大きなメリットかもしれません。
 
  • 立地条件が良い
この点は、図書館のバイトと同じ。

自分の授業が終わったら、チュートリアルが行われる建物に移動する、といった感じで、移動時間はたったの数分。

自分の普段の行動範囲内であるキャンパスでバイトができるというのは、かなり便利でした。

また、次の授業まで1時間半あるから、その間に採点を進めておこう、など、隙間時間を利用してできるバイトでもありました。

 

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次の記事では、このバイトにまつわるエピソードをいくつか紹介したいと思います。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。