Netflix エレクトリック・ステイト おい!女子高生、謝っても弟は助けられるぞ!! | 気むずかしい いろいろ

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子供のおもちゃみたいな、ロボットが戦ってる予告編をみて、

かわいすぎる~と思ってみた。


見たことあるようなキャラクターたちが、

ヨレヨレになって戦ってるのは、妙に愛着が湧く。

特に、少女と一緒に旅する弟のポンコツ系ロボ、超かわいい。

言葉がつたなくて、ひょっこひょっこと3歳児のように歩く姿もかわいかった。

 

ものすごくハードなロボット戦争を描いているのかと思ったが、

これが超かわいくて、切ない戦争だった。

ズルいよね、本来ロボは感情をもってないはずなのに。

 

戦争モノといっても、人間が直接撃ち合うわけではなく、

人間が操るAI vs ロボットという構図なのがうまい。

血も流れず、倫理観を乱すこともなく、

どちらか一方を「悪」と断罪する単純な描き方ではない。

フィクションでありながら、どこか“現実への配慮”が感じられる。

製作者側の冷静な距離感が好印象。

 

そしてなにより、「制作費3億ドル」という巨額に驚くかと思いきや、

CGでロボット戦をまかなっているため、人間のエキストラがほとんどいない。

 

よく考えれば、出演者も少ない。

つまり、この映画は“戦争”を描きながら、“人件費を削った映画”でもある。

ああ、ハリウッドも変わったなと思う。

俳優の労働組合が怒るわけだ。

AIやCGで「人間の代替」が成立してしまえば、スターの席もどんどん減っていく。
映像革命の裏にある“静かな絶望”まで、なんとなく感じてしまった。

 

ひとつ、アメリカ人のスタンスでめちゃ気になったところがある。

弟を助けるために主人公の女子高生が、セコイ売人を巻き込むのだが、

巻き込まれたせいで、売人の住まい兼、アジトが潰れた。

 

ショックを受けたお人よしの売人がショックを受けているのをみて

女子高生が売人に言うた。

「謝らないわよ。弟を助けるためなら、なんだってするの」

 

弟を助けるためだとしても、人に謝ることもできるやろ。

謝ったら、弟を助けられへんようになるんか?

ひとこと「申し訳ない!」って言えたら、前向きに助けてもらえるんちゃうやろうか。

 

どうかこんな育ち方をしたアメリカ人が、

日本に来ませんように、と祈った瞬間である。

 

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2025年 アメリカ
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
原作:サイモン・ストーレンハグ『The Electric State』(2018年グラフィック・ノベル)
出演:ミリー・ボビー・ブラウン、クリス・プラット、キー・ホイ・クァン、ジェイソン・アレクサンダー、ウッディ・ハレルソンほか多数
音楽:アラン・シルヴェストリ
撮影:スティーヴン・F・ウィンドン
編集:ジェフリー・フォード
配給:Netflix(世界独占配信)
上映時間:128分
制作費:約3億2,000万ドル($320 million)

 

📝 あらすじ
1990年代のアメリカ。人間とロボットの戦争後、ロボットは“追放者”として隔離区域へと送り込まれていた。孤児の少女ミシェル(ミリー・ボビー・ブラウン)は、失踪した天才少年の弟を探すため、謎のロボット「コスモ」とともに荒廃したアメリカ西部を旅する。途中、密輸業者キーツ(クリス・プラット)や変形ロボット・ハーマン(声:アンソニー・マッキー)と巡り合いながら、少女は「弟の真実」と社会の欺瞞を少しずつ知っていく