わたしにはゲイの叔父がいる。龍二さんとよんで、かわいがってもらっていた。
わたしが小学生の頃までは、女性と結婚して、子供が二人いて、
沢田研二みたいな中性的な男性で、かっこよくてズバリと物を言う、
オートクチュールのデザイナーをやっていた。
従妹たちともたまに遊ぶほど、交流のあった龍二さん。
叔父夫婦が離婚してから、疎遠となったが、わたしが高校入った頃、
龍二さんが実家に遊びに来た。男性パートナーを連れて。
あと時は、子供だったから、それがどういう意味なのか分からんかったが、
龍二さんが好きだから、変わらず付き合いをつづけて、
龍二さんカップルの家もよく遊びにいっていた。
パートナーの男性は、おとなしく、恥ずかしがりやなのか、
わたしたちと仲良くなることはなかった。残念ながら。
大好きだった龍二さんも、しらないうちに他界して、もう会うことが叶わない。
そんなことを思い出しながら、この映画をみた。
年老いたゲイカップルを、温かく迎える姉夫婦と地元の友人たちを見て、
龍二さんと食事をした日々を思い出した。
龍二さんがいたからこそ、今のワタシは、LGBTQに興味と関心が強いんだろうなと思う。
・・・・だけど、わたしく、これまでまともに人を愛したことない人間なので、
長年の伴侶を失うかもしれない悲しみや、喪失感がピンとこない。
基本、「執着しない」を信条のひとつにしているので、ピンとこないんだよなぁ。
許容する、愛情を注ぐまではできるんだけど、
<愛する>にまで気持ちが発展しないので、分かりませんでした。
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2020年イギリス
脚本・監督:ハリー・マックイーン
出演:コリン・ファース、スタンリー・トゥッチ、ジェームズ・ドレイファス、ピッパ・ヘイウッド