落語 立川談春独演会 3月公演 / たちきり、お若伊之助 | 気むずかしい いろいろ

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去年の10月からずっと連続月1回、独演会がある。

その合間に、ちょいちょいと大阪の寄席にも出られてて、今年は談春落語漬けができるのすごく幸せ。

 

客席1.5割空席が・・・もったいない。

 

立川小春志「権助魚」

小春志さんの落語は、あんまり余白がないというか、余裕がないというか。

師匠が教えるカタを泣いて拒否して、自分が楽しい落語をしたい!

と伝えたそうだが、どのあたりを楽しんでいるのだろうか。

 

なかなかハマらないのである。

まだあと7回あるから、それまでには見つかるかな。

 

 

立川談春「たちきり」

今朝、目が覚めた時、「オレは天才!」と思ったと興奮気味におっしゃる。

とある人物を登場させることで、ようやくこの噺が腑に落ちたと。

それを今朝おもいついて、稽古もせず、ぶっつけ本番で演ると。

 

うむうむ。そうやって談春さんは古典落語を自分のものにしているのかと。

始終、頭の中で落語のことを考えているのだな。

毎度毎度、関心しかない。

 

芸者に入れあげた若旦那の放蕩ぶりに業をにやした一家が、

番頭の計らいで、若旦那を100日間蔵の中に閉じ込めて、改心させることに。

101日目、ようやく蔵から出た若旦那は、まっさきに芸者小糸のもとに駆け付けるも・・・。

 

冒頭に10歳のマセタ奉公人を登場させて、「お金」のありがたみについて語らせていたのが、

談春さんが思いついた「天才」部分である。

 

若旦那を蔵に閉じ込める業の理由はわかったが、

若旦那が蔵の中で何を考え、変わったのかが語られてない。

そこも、これから広がっていくような予感。

 

小糸のお母さんが若旦那をなぐさめる言葉と、

小糸が息を引き取る間際、弱い力で三味線を鳴らし、

三味線を抱きしめて息を引き取る場面の語りが、美しすぎた。

 

スクリーンに映し出されるように、お母さんと小糸のすがたが、物悲しく浮かぶ。すごい。

 

 

立川談春「お若伊之助」

2021年の杉並の独演会できいて以来。

お若という名家のお嬢様と、伊之助という歌舞伎役者の悲恋の物語。

 

お若をだました狸は、桜の妖しにあてられた、と。

狸にだまされ、狸の双子を死産で産むだけだと、あまりにもだと。

それで、桜の妖というものを差し込んだとおっしゃっていた。

桜の木が、グラグラとゆれる描写とか、日本昔話みたいな絵が浮かんでほんとうにスゴかった。

 

桜、そろそろ咲くころかな。

ことしは吉野の桜を観に行けるだろうか。

夜明けにみると、桜にうっすら色がついてキレイだったと。

まだ奥千本まで、歩けるか・・・。

 

 

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2024年3月15日

@森ノ宮ピロティホール

 

きょうはソデに、吉坊さんがいらしてたそう。

 

 

 

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ようやく浮ついた気持ちが、落ち着いてきた。

 

というか、ほとんどゼロ。

熱しやすく、冷めやすいこの性格、ほんとうにイヤ。