談春の「芝浜」終わりで、仕事関係の先輩3人と鉄工場のような蕎麦屋で軽く食事する約束を。
お久しぶりにお会いした先輩バラさんが、
「お久しぶりです。
ボク、このとおり目が見えなくなったんです・・・」
と白杖をもっておられた。
えっ?!と声を失ったわたしに、
「緑内障で・・・・全盲ではないんですけど・・・光もほとんど見えなくなってしまって・・・」
絶句してしまった。わたしも毎年、健康診断で緑内障を疑いがあると言われて、
まだ薬を処方されてなくて、ビビっているとお伝えしたら、ボクは診断されてから20年で見えなくなったとおっしゃっていた。
そして驚いたのは、二人の先輩方のサポートがスムーズなコト!!
まずは会場をでて、車までの誘導されたのは灰山さん。
あと何メートルまっすぐです。少し坂道になります。10cmぐらいの段差があと2歩先にあります。ほんとうにスムーズで。わたしったら、ユニバーサルマナーの資格もってんのに、発揮する場がないから唖然とみつめるばかりで、情けないったら。
で、車降りて、地下1階の蕎麦屋に行くまでの誘導をいきなり任されて。うちの業界あるあるだけど、練習ナシのいきなりホンバン。しかも左回りの急ならせん階段で、おっこちやしないかと、ヒヤヒヤしながら見えない世界をどんな不安な気持ちで歩いているのかと、誘導する人をどこまで信用していいのかとか、改めて考えることがたくさんあった。
そしてそのお蕎麦屋さんは、美味しいから行こう!って、盲の人にとっては階段で地下という環境なのに、「美味しい御蕎麦を食べよう!」って躊躇なく誘えるハードルのなさが素敵だった。そりゃ、目が悪くったって美味しいもんは食べたいよね。そりゃそうだ!
そして食事中も、いろんな不便があるこのに気が付き、それらをサラリとサポートする先輩方が、めっちゃカッコよかった。会話はしょーもないのに、サラリとされる気づかいのカッコよさが、たまらんかったな。灰山さんと、カツさん。
むかしはお芝居がすきだったけど、今はもう見ることができないのが残念だと。落語は耳で楽しめるから、久しぶりに行ってみたんです・・・でも、表情もみたかったとおっしゃっていた。もともとおとなしいバラさんだったけど、地下のお店にもどんどん行く姿がカッコよかった。
仕事納めの日に、談春の芝浜をきけて、かっちょイイ先輩方がみれて、ほんまに良き日。
でも、
なんか、いろいろ考え直さなきゃいけない。座学じゃなくて、実体験が必要や。来年は、なんか考えよう。