密着ドキュメンタリー映画である。
N.Y.マンハッタンの小さなアパートメントの屋上の隙間で3年間生活している、
モデル兼、フォトグラファー兼、俳優のマーク・レイ52歳。
ニューヨーク・ファッションウィークが一番の稼ぎ時で、あとの時間はモデルのスナップ写真をとったり、舞台でアンサンブルの役をしたり、映画のエキストラをしたり。
時々、友人たちと食事をして酒をしこたまのみ、若い女をナンパして、アパートメントの屋上の隙間でねるマーク。
公衆トイレが顔をあらってヒゲをそり、ジムのトイレで体をあらい、服を洗う。
アパレル業界で働くだけあり、ジョージ・クルーニーばりのイケオジが、公衆トイレで変身するのだ。
さぞかし、心底のポジティブ人間なのだろうと思うが、わりとネガティブ発言もしている。
「オレは、どこで道を誤ったんだろうか」
「女の子がだれも相手にしてくれない。オレがおいぼれの、おちこぼれだからだろうか」
「おれは、なにひとつ才能が開花していないんだ」
若い女のこをナンパしては、ヤろうとしてる姿は、同世代のわたしから見て
<バカ丸出し>なのである。
若い頃はモデルで活躍し、需要がなくなった今、方向転換できなかった、夢追い人の1人である。
みていて、イタイ。
この映画が上映されたせいで、アパートの屋根から追い出され、一時期、実家に帰ったとあった。
映画のプロモーションで、いろんなメディアにひっぱりだこになり、海外にもプロモーションで行ったりしたそうだが、その後、目立った活躍はしてなさそうだ。
来日した際には、彼に職探しを!と、アホなクラファンまでやっていた。
わたしには、ルーズな怠け者としか映らなかった。
自由人は、もっと「お金」から解放された人であってほしい。
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2014年オーストリア、アメリカ
監督:トーマス・ヴィルテンゾーン
出演:マーク・レイ
音楽:カイル・イーストウッド/マット・マクガイア
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