読書 弔い怪談 葬歌 / しのはら史絵 | 気むずかしい いろいろ

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芝居、ミュージカル、落語、映画、
後輩、神社・読書・心理・呪いと祟りも。

話者のはなしを丁寧にきいて、怪異だけでなく、その人の人となりまでを丁寧に掘り下げる、しのはら史絵さんの怪談、最近、すきです。

コワいのに、癒される、不思議な怪談。

 

<目次>

歓迎 / 眼が見えなくなった人のお葬式で

丸く収まる / 事なかれ主義の母から引き継いだものと、母の正体

食べるべからず / 若い頃に墓地でおかした悪行が、我が子にかえる<よもつへぐい>

話すべからず / 真ん中に立って写真に映ると魂を抜かれる説を孫に言い過ぎたあまり・・・

捜索 / 女性の幽霊の記憶を流し込まれる怪談師

恐怖症 / 洋館の門扉にぶらさがっていたもの

チェンジ・ザ・ワールド / 死か、聴力を失うか、母の選択

感情移入 / 落語「お札はがし」みたいな実話

深爪 / 血を吸う畳と、張り付いた女

マッサージチェア / 灼熱地獄と最年長

不動産屋と神社 / 会社の屋上にたてた神社入った魔物。ある設計士の忌録の「先生」登場。

創造主 / 貧乏がイヤでお金の神様の神社をつくった幼い姉弟に起きたこと。

空気感 / 事故物件とハーゲンダッツ

首絞め人形 / ネグレクトだった母を呪い、「死ね」とバービー人形の首を絞めた

返したかったもの / 火事でやけた少女が伝えたかったこと

地下鉄 / 何百何千の負の感情をした顔がうかぶ地下鉄

猫爺 / 災害から守ってくれた猫のプーちゃんと、スケベ顔したおじさんの顔を持つ猫

画像の女 / 「確実な呪いの方法」サイトをみていた由美さんの彼氏への呪い

鏡太郎さんの怪談 / ある種に演技論と「だっこさん」

化かされた / ふらりと入った田舎の中華屋で女将とたべたご馳走は

ハリコサンとテディベア / 無性に腹が立ち引きちぎりたくなるティディベアと「ホトホト」

赤卒 / 戦争孤児のシゲちゃんと幸ちゃんと祖父の飢餓との戦い

 

なかなかの良作ぞろい。

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2020/12/28

竹書房