七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第三十一回【夜の部】 | 気むずかしい いろいろ

気むずかしい いろいろ

芝居、ミュージカル、落語、映画、
後輩、神社・読書・心理・呪いと祟りも。

歌舞伎、まださっぱり分からない派だが、今回の2幕はおもしろかった。

 

言葉がわかりやすくてイヤホンガイドなしでも、ぜんぶ分かった。イヤホンガイドなかったらさっぱり分からんことの方が多いのやけど、あれはあれでせっかくの生声を殺すからできればしたくない。だけど2幕は、はずせて見れたのよかった。

 

一緒にいった歌舞伎ベテランさんの感想は

「世代交代したなー」やった。「仁左衛門には一生、男前役だけをしてほしかったからちょっとショックやった」でした。

 

わたしの感想は

「2幕のあの女形の人、女度たかすぎやわ。わたし、女として負けてるわ」と言うたら、先輩方は苦笑いしとった。ま、未だに舌まいて「こらぁ!」って怒る人やからね・・・。

 

2幕の「吉原狐」で、早とちりな芸子を演じた中村米吉、声の出し方すごすぎる。高いキーで女声をだすんじゃなくて、音域ひろく女声だったのがかっこよかった。すべての声が、どの音域も、どの瞬間もすべて女声やった。見た目も美しく、所作もキレイで、着物の柄も美しくて、ほんまビックリした。エエ声やった。

 

吉原で芸子として働くダメ男にホレやすく、面倒見のいい姉さんが、早とちりなうえ、ヒトの話を聞かない人で、どえらい勘違いをしたまま、まわりの芸子仲間、年季明けの花魁、お父さん、下女を巻き込んでのテンヤワンヤ。女役が主役の演目って、歌舞伎にあるんやな。てっきり男中心なんやろうと思い込んでた、もったいない。

 

中村米吉、ほんまスゴかった。声にホレボレしてしもうた。会社の金でいったもんやから席が3階席で鑑賞。しかも乱視が悪化しはじめたからオペラグラスでもボケボケで、顔はほとんど見れてないけど、仕草もめちゃ美しかった。

 

1幕の千鳥を演じた片岡千之助は、仕草がかわいかった。めちゃくちゃ若い女子の幼さがのこる大きい動きがトクにかわいかった。

 

3階席って、大向こうさんがたくさんおって、タイミングがめちゃくちゃよくて、大向こうの掛け声もほぼ初体験。

 

能で何度か見たことある「俊寛」は、やっぱり難解。物語は人間の建前と見栄と弱さがみえておもろかったんやけど、なんせ言葉がわからん。難しいわ。彌十郎のセリフだけはなぜか、意味が分かった。ラストの演出は、すごかったが、3階席なものでちびっとしかみれず。

 

ようやく、歌舞伎おろもいかも!と思えた日。

 

 

_________

2023年7月17日夜の部

@大阪松竹座

平家女護島~俊寛:

仁左衛門、幸四郎、菊之助、千之助、橋三郎、彌十郎

 

吉原狐:

幸四郎、米吉、隼人、虎之介、染五郎、吉之丞、松之助、廣太郎、吉弥、孝太郎、扇雀、鴈治郎

https://natalie.mu/stage/news/526453

 

 

_________

<今日のいちまい>

見終わった後は、いつも通り先輩方とお食事。

 

ほんま、先輩の西杉さん、うまい店いっぱい知ってはるわ。東大阪の「八戒」は、ぜったいに行かなアカンって。

電車で40~50分かかるが、その価値ありやて。先輩、たいがいの人とすぐ仲良くなるから、スゴイ。60前で人たらしのオッサンって、ほんま尊敬する。

 

この先輩、人たらしなんやけど、シェアしたがりさんでもあるから好かれるんやろうな。GIVE8割でできてる。