配信 You Can't Take My Daughter 親権要求するなんて、ありえへん! | 気むずかしい いろいろ

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後輩、神社・読書・心理・呪いと祟りも。

原作の意図をまったく無視した邦題だったには、がっかり。

ま、おいといて。

 

これは、Analyn Megisonという実在する女性の話。

ほんとうに、ヒドイはなし。

女に人権はないのか?法律は、しょせん男社会優先で作られてるから、

女がこんな目にあってしまうのか。もう本当に悲惨なはなし。

 

これが遠い昔の話でなく、10年ぐらい前のアメリカのジョージア州でのこと。

 

バーで知り合った男にレイプされ、勇気をもって警察に訴えたにもかかわらず、

なかなか裁判が開かれず、男はなにくわぬ顔して、ジムの経営を続けている。

さらには、訴訟を取り下げろと、スーパーの駐車場で、脅してくる。

ムシして取り下げずにいると、家の銃をもって押し入ってくる。

 

なのに!警察は逮捕できない。証拠がないんだと。

 

しまいに、アナはレイプされた男の子を妊娠しているがわかり、出産を決意。

就職先の法律事務所は、レイプ裁判中で、しかもその男の子供を身ごもっている人を雇うと、

会社の信用が落ちるとかいいだし(なんで!?)、退職するはめに。

 

しかも、唯一の見方でいてほしい母親がもう、最悪。

「あなたが誘ったんじゃないの?」

「そんなこと、さっさと忘れてしまいなさい」

「子どもをみるたびに、レイプのことを思い出しちゃうでしょ」

「そんな子、うまないで。わたしの評判もおちちゃうわ」

ほんとうに、最悪。

ここは、フィクションであってほしいと願うばかりだが、

この映画は、アメリカのTVドラマが基だから、情報がほとんどない(泣。

 

裁判ははじまったが、なんやかんや最悪のことしか起こらず、

娘とふたりだけでジョージア州に引っ越すことに。

 

しばらく娘と平和に暮らしていたのだが、

ある日、訴状がアナのもとに届く。

 

レイプ犯が、親権要求してきたのだ!

 

えっ!?レイプ犯やで。だれもが、ありえへん!と思うやん。

なのに、アメリカのほとんどの州では、レイプ犯が親権をもつことを認めてるんだってさ。

ありえへん!50年前とかでなく、たった10年前のことなのに、この法律。

 

片親であることよりも、両親2人が揃っていることの方が、

法律的には「よろしい」ということらしい。

 

ありえへん!

弁護士は、譲歩して親権をゆずり最低限の面会ですむよう尽力すると言い出す始末。

ありえへん!女弁護士までもが、戦えないと言い出す始末。

 

なんで被害者が、延々に虐げられなあかんねん。

ここからアナは、自分で戦う決意をする。

 

母親は最後の最後まで、クズなままだったが、

すばらしい親友、親身になってくれる弁護士、強く導いてくれる空手の師範に出会い、

ようやく真っ当な判断を判事にしてもらえたのだが、、、。

 

日本の法律がどうなってるのか分からんけど、

道徳的に正しいことが、必ずしも法律では正しく処理されてないことにショックをうけた。

「前例がない」という理由で、レイプ魔の主張を「正」として処理しようとする、

法律のプロたちに“正義”がないことが、ショックだった。
 

現在の法律では、だいぶん改正された州もあるとあったが、

アメリカでさえ、こんな程度かと、がっかりした。

 

でも、こういう問題的型の作品を作る女性監督がふえてきていて、

世論をゆさぶろうとする動きは、うれしい。

 

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2020年アメリカドラマ

監督:トリイ・ギャレット

出演:Kirstie Alley, Lyndsy Fonseca, Jason Burkey

 

▼いかれた司法と戦った、たくましく、強い信念の持ち主アナを描いた実話ベース映画なのに、

なんだこの邦題は!


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<今日のいちまい>

▲なんか、めちゃくちゃみすぼらしい、かなしい仔にみえる(笑。

カメラは、真実をうつすのも、嘘をうつすのも上手やな。

 

立川談春のフェスティバルホールでの独演会、

「初耳学」に出演したら、あっという間に完売してた。

やっぱ、テレビの影響力はつよい。

 

刺さる話をめっちゃしてはったから、時間がある時に文字起こししよう。

バラエティはあんまりでなくていいから、落語をもっとTVや映像でみたい。

ラジオでもいい。なんでもいいから、“生”以外で、今の談春落語をきける機会がふえたらうれしいが。

 

DVDも、CDも、もう何年もだしてはらへんから、

“生”と、“今”に、こだわりがあるんだろうな。

ファンとしては、そこに耐えて、必死で“生”を聞きに足を運ぶしかないのか。

 

あー、渇く。