なにきっかけか忘れてしまったが、
ずいぶん昔に、深夜に放送していたのをみて衝撃をうけた作品だ。
鈴木砂羽が、小劇場の劇団に所属していて、金を稼ぐためにSMの女王をやっていたり、
劇団員と日替わりでまぐわってみたりみたり、
かと思えば、都心からずいぶん離れた自然に囲まれたアパートでひまわりを愛でていたり、
大胆なヌードと、SMと、ひまわりが印象に残っていた作品。
久しぶりにみたら、まぁビックリ。
記憶してた以上にヌードと、セックスシーンが多く、過激で生々しい。
写真家アラーキーと島本慶の共著を映像化した作品だと知る。
当時も知っていたんだろうけど、すっかり忘れていた。
冒頭、鈴木砂羽演じる、SMの女王がアラーキーに写真撮影されるという、劇中劇のようなシーンがあるのだが、撮影当時、鈴木砂羽は20歳(たぶん)、相当おいこまれた撮影に現場にみえた。素で疲れ果てて、ポーズにアイディアがでず、発狂寸前のようなカンジにみえた。
そういえば、アラーキーは、セクハラ、パワハラで告発されていたんだった。昔から、アラーキーの撮影スタイルは、被写体を極限まで追い込むのは有名だったし、メディアも撮影現場の厳しさをよく取材していた。この作品をみると、追い込まれたからこそでた表情や、演技もあるのだろうから、芸術と言うものは難しい。
そしてもう一つ驚いたのが、劇中劇の演出・出演が、大人計画と松尾スズキだったこと。クドカンと、阿部サダヲと、小松和重が出演し、鈴木砂羽とまぐわっていた。大人計画メンバー、みな若い!そして「青春」という雰囲気がでてた。今みたいに、みなが“一流”になる前。行動や発言の責任を気にせず、自由にふるまっていた時代の、いきいきとした表情が印象的だった。
鈴木砂羽、20歳という若さで、あの面々を相手によくあそこまで演じきった!と感心してしまう。
劇団員で、SMの女王が、デリヘルの友達と奔放に生きている姿を描いた作品。物語の山は特になく、スペイン映画のように、ケロリとした奔放な若い女たちなのである。1994年は平成6年なのだが、平成の女もなかなかたくましく、大人びてみえた。
SNSがなかった時代、人の目も、人の意見も、他人の行動も、気にせず生きていけたから、今よりずっと自由だったし、時間をとても有意義に使えたなと懐かして、恋しくなった。
やっぱりおもしろかった。
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1994年日本
監督:高橋伴明
出演:鈴木砂羽、片岡礼子、松尾スズキ、中島陽子、宮藤官九郎、阿部サダヲ、小松和重、武田真治、哀川翔、大杉漣、萩原流行、田口トモロヲ、杉本彩
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<今日のいちまい>
一人暮らしはじめた時に、実家からもってきたこの毛布。
よくよく考えたら34年も使っている。まったくへたらない。
ウール100%って、やっぱりスゴイな。
タイのジム・トンプソンで買ったシルク100%の毛布は、もう18年になる。
初ボーナスで買ったイタリア製の皮のソファーは、もう20年で皮のへたりもまったくない。
やっぱ天然繊維、少々高くても、めちゃくちゃ長持ちする。
少々たかくても、天然繊維100%の方が、結果的に安上がりを実感する。