映画 グッドフェローズ マフィアって仕事かけもちで、よう働くな | 気むずかしい いろいろ

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たぶん、何度目かの視聴だが、ようやく全体像が頭にはいったカンジ。それでも、2時間をこえる映画は、集中力が途切れる。

 

この映画、デ・ニーロが主役じゃなかったのか。若くてかっこいい。40代ぐらいだろうか。何度目かの視聴だが、ほとんど中身を忘れてた。実在するアメリカのマフィアが、暴走する仲間の追手からにげるため、FBIの証人保護プログラムを受け、マフィアの悪行が次々と暴かれ、ドンがたくさん逮捕された実話。ゴッド・ファーザーに次ぐ、“ザ・マフィア”映画。

 

戦場のごとく、敵とみなすと即ズドン!昨日まで仲間だった男を、女房ともどもズドン!身に危険を感じたら先にズドン!怪しい奴は確かめずにズドン!欲しいのは金。高級品を運ぶトラックをおそい、空港に持ち込まれる金を奪い、薬も売りさばく。

 

マフィアは、移民街では憧れのヒーローだった時代。あくせく働かずとも、ラクして大金を稼ぐ。気前もいいから、みないい顔をする。だから、マフィアはやめられない。

 

中学時分からマフィアの小間使いとして働き、21歳で会社員の何倍もの金を稼いでいるアイルランド系のヘンリー

ヘンリーが少年時代にあこがれた街いちばんの凄腕マフィアのアイルランド系のジミー

ジミーに、相棒として紹介されて以来、ずっと一緒に商いをしてきたイタリア系のトミー

ヘンリー、ジミー、トミーのシマをしきるイタリア系のボス、ポーリー。※3人の名前が似てて、はじめは混乱。

 

だいたい、この4人が映画の主要人物。あと、肝の据わったヘンリーの嫁。3人のマフィアの友情物語のように思うが、所詮、マフィアだ。用済みとみなしたら、ズドン!とするだけ。

 

ようやく一人前のマフィアとなったヘンリー。はじめは順調に金を稼いでいたのだが、結婚し、浮気がバレ、愛人が増えたことで“金”に対する執着がます。マフィア映画、ヤクザ映画でよく耳にする言葉「ヤクには手を出すな」。金が必要なヘンリーは、シマの掟をやぶり、ドラッグに手を出す。売るだけならまだしも、妻、愛人、シッターまでもドラッグ漬け。その先は、破滅しかない。

 

若い頃は、むじゃきに仕事に精をだしていただけだが、年をかさねると、出世だ、プライドだがでてきて、敵も増えてくる。

 

凶暴さが暴走し、見境なしに邪魔者を殺すトミー。トミーの出世を喜び、蛇のような目で次の商いをねらうジミー。金欲しさにシマでの扱いを禁止されているドラッグに手を出すトミー。暴走する3人に手を焼くポーリー。

 

ニューヨークのマフィアって、当時、イタリア系しかボスになれないという掟があったらしい。だから、街一番の稼ぎ頭だったジミーはボスになれなかった。だからトミーの出世を、心から喜んでいたのだが・・・。

 

マフィアって、不憫。

日本のヤクザとちがって、表向きは一般市民として生活しないとアカンから、基本は毎日働いている。だいたいは、飲食店のオーナーだ。そして夜、仕事をおえてから強盗や殺しをする。“仕事”という面では、つねにカケモチ。大金を稼いだとしても、ビーチでのんびりしたり、高級ホテルでどんちゃん騒ぎするでもなし、せいぜい仲間のバーで、仲間と飯くったり、酒飲んだり、バンドの演奏聞いたり、ポーカーしたり。それ、楽しいんか?日曜、休日は関係なさそうだし、睡眠時間も少なそうだし、なにが楽しんやろうか。アホとちゃうか、と思いながらみる。

 

ぜんぜんラクして稼いでないやん。

 

残念ながら主演のレイ・リオッタの演技が好きじゃない。めちゃくちゃ下手くそと思ったのはあの笑い顔。デ・ニーロのあの引きつり笑いをまねてるような、大げさに右の口角をあげて笑うあの顔、不自然やったな。演出だろうか。

 

ジョー・ペシの狂いっぷり演技は、みもの。ジョー・ペシのマフィア役はいつも、おもろい。

 

覚えていたシーンは、ポーリーが刑務所で、カミソリの刃でにんにくを薄くスライスするシーンだけ。これを見て以来、ニンニクはできるだけ薄く薄くスライスしようとこころがけている。


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1990年アメリカ

監督:マーティン・スコセッシ

出演:レイ・リオッタロバート・デ・ニーロジョー・ペシ

 

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<今日のいちまい>

商店街をぶらぶらしてたら、なんの愛想もない店先に、6種類ぐらいの野菜しかならべられてなく、パイプ椅子に仏頂面で通りをにらんでいる女の人がいた。気になったので店をよくみてみると「有機野菜 奈良産 無農薬」と漢字10文字だけの張り紙が。あまりにもの潔さに惚れてしまい、

「きゅうり、ください」と女の人に声をかけた。

「どれに、しましょう?」と試すように言われ、いちばんイビツなキュウリがならんでいる籠をさし

「コレ、ください」と言うてみた。

 

すると、仏頂面だったおばさんが、ニンマリわらい

「コレは、正解。この白い痕は、虫が食べたあとなんやけど、それはどういうコトかと言うと・・・」と、また試されるw。

「無農薬で、おいしいってコト?」

「せいかい!」とめちゃいい笑顔になった。

 

いろいろ野菜について教えてもらったあと、ぜひ、食べてほしいとおススメされたミカンは、めっちゃ実がつまっていて、ジューシーで、しっかりとしたミカンの実の味がして、おいしかった。薄皮も、スジも、ペロリといける。

 

愛想のない人、潔すぎる人が好きな理由は、こういうトコロだったりする。買い物、楽しかった。