あれから10年経過しているとはいえ、東日本大震災をヒントにした災害系映画は純粋には楽しめない。
アメリカの西海岸一帯に、観測史上世界最大の地震が起きたとしたディザスター・パニック・アクション映画。
あの惨劇を、エンタメ化されることに抵抗ある。アメリカに暮らす人への警告という大義名分かもしれないが、複雑。
大地震でくずれ倒れる高層ビル群、カリフォルニアの中心都市まで襲う津波、割れる大地。その中、離婚した妻と、娘を助けるために奮闘するレスキュー隊をドウェインが演じる。家族を救うために、ヘリを使い、車を拝借し、セスナを借り、ボートを拝借。
日本人の美意識と合わないなと思うのは、いくら非番の日とはいえ、、、、当時、家族の元に駆けつけたくても、任務優先で救助活動に励んだ人がたくさんいた。
エンタメ映画だから、と思い、そんな倫理観をとっぱらって楽しもうと思うのだが、楽しめるわけがない。実際は、こんなにうまくはいかないんだよ。助けたくても、助けられなかった命がたくさんある。被災者のことを思うと、あの辛い日本の経験を、ノーテンキな映画の金儲けに利用すな、と。
娘のキャラクターも異常だった。あんなにレスキューの実践経験ないのに父親から教わった知識だけで、お手本通りに動けるんなら、足ぐらい自分で引っこ抜く知恵あるやろう、と突っ込まずにはいられなかった。
地震研究者が「地震を予知できるって証明できた!」って、震源地の中心で大いに叫んだ直後に、地震にみまわれ死んでしまったのは、あれは皮肉だろうか。本来あるべき遺体を描かなかったのは、映画のエンタメ色を消さないためだろうか。
やっぱり、ノーテンキな映画の金儲けに利用すな!と思うてしまう。
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2015年アメリカ
監督:ブラッド・ペイトン
出演:ドウェイン・ジョンソン、カーラ・グギノ、アレクサンドラ・ダダリオ、ヨアン・グリフィズ、アーチー・パンジャビ、ポール・ジアマッティ、カイリー・ミノーグ
なんで、カイリー・ミノーグ出演してるんだろう。彼女、MVではめっちゃキレイなのに、この映画では口と目のサイズがおかしくて、化粧オバケだった。ギョッとしたな。彼女のファンなんだけどね。
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