配信 muro式がくげいかい いろんな愛にあふれている屋外型演劇 | 気むずかしい いろいろ

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コロナ禍で、演劇をやれるのか、やれないのか。やれない理由はいくらでも見つけられる。やれる方法を模索したい。で、ムロツヨシとその仲間が用意した演劇が「muro式がくげいかい」。

 

お客さんの安全、役者やスタッフたちの仕事の維持、演劇の安全性と見た人におよぼす作用、前向きに今日を生きること、どんな苦難でもいつかは必ず乗り越えられること、どんなに困難な状況でも経験を積んで強くなれること。などなど、いろんな“想い”が込められた演劇だった。

 

これらの気持ちがセリフやストーリーに露骨に込められているのでなく、W前説や、行間からヒシヒシと感じてくる。ムロツヨシがこの演劇にかける思いが、ヒシヒシと伝わる。この芝居を、この不安な時期に生でみたら、もっともっと、いろんな感情が湧いただろうと思う。やっぱみたかったな。ロングラン公演に変更だから、しゃーないか。


ストーリーは、muro式はオムニバス形式のシリーズ芝居だったが、今回は1本にまとまっている。“がくげいかい”とあるとおり、子どもも笑って楽しめる内容になっている。むかし話“桃太郎”をベースに、引きこもり気味で、戦う勇気のなかった桃太郎が、おばあさんや仲間に励まされながら、鬼退治にむかい、鬼と戦うストーリーだ。

 

登場する役者は、ムロツヨシ、永野宗典、本田力というmuro式レギュラーメンバーと、オーディションに受かった西野凪沙の4人だけ。西野凪沙以外は、時には黒子となって小道具や、人形をもって舞台を走り回る。屋外会場だから、舞台袖がだいぶん遠く、全速力で走る、軽トラ、ターレットトラックで移動をする。

 

舞台は、4t・7tトラックの荷台を使って場面転換。背景は、子どものお絵描きのような書き割と、シャワースクリーン、噴水と照明を多用して、屋内演劇と変わらない演出が行われていた。ひょっとしたら、屋内よりもめちゃくちゃお金かかってるかもしれない。現場で照明とか見たかったな。

 

クライマックスの、坂道をのぼった先にある剣をとりにいく場面は、成功するまで諦めない、西野凪沙の“どうしよう感”がかわいかった。諦めさせてくれないのかw。ちょっとドSだったりするんだよな、ムロツヨシw。配信では、クライマックスで突風がふき、シャワースクリーンの水が、ゲリラ豪雨のようにムロツヨシに降り注がれ、わざとやってんのかと思ってたよ。ほんとう、たのしい芝居だった。たのしい“がくげいかい”だった。

 

スカパラの音楽も最高にマッチしていて、主題歌だけでなく、劇中音楽も担当していて、元気がよく、明るく楽しい芝居を盛り上げていた。スカパラ音楽のミュージカルとか、もっともっと見てみたい。

 

配信された公演は、4月上旬のよみうりランド特設会場。地方公演が中止になって、約1カ月で配信にこぎつけた。2時間半の映像をたったの1ヶ月で!スタッフの熱量もすごい。ドローン撮影もしてたしな。動かされたんだろうと思う、心が。

 

行くはずだった、大阪公演はロングラン公演という名の元中止に。いずれ、必ず地方公演をする!と。だから、中止でなくて、ロングラン公演に変更して延長と。自分たちが1年以上かけて準備してきた“仕事”が、たった1日ですべてチャラにされる悔しさが伝わる。

 

寒い季節に上演は難しいだろうから、秋か、春かになるけど、秋は第5波くるからダメだろうと思う。これが生でみれるのは、来年春か。チケット争奪戦だろうな。

 

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2021年4月

演出:ムロツヨシ

脚本:ふじきみつ彦

音楽:東京スカパラオーケストラ

出演:ムロツヨシ、永野宗典、本田力、西野凪沙

美術:黒川通利

 

 

 

 

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<今日のいちまい>

めちゃくちゃ日焼けしてしい、顔がヒリヒリする。

日焼け止めキライやねん、とか言うてる場合やないんかもしれん。もう手遅れか。