読書 拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉 あまりにも複雑なので相関図を作ってみた | 気むずかしい いろいろ

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後輩、神社・読書・心理・呪いと祟りも。

<陰>と<陽>をいっき読み。

 

ネタバレ含むので要注意!

 

祟りや呪いの一種として、「タルパ」という概念は新鮮だった。

一族にまつわる呪い系の話は、実話怪談ではよく目にする話だけど、

その発端が分からないものの一つに「タルパ」を当てはめてみると、

結構、納得できたりする怪談になる。

 

この一連の怪異の発端は最後まで読み解くと、

椚木家の「山神殺し」と海上家の「花嫁の誘拐」とわかる。

タルパはその攻撃の手段だと解釈。

 

タルパ、東北地方では身近な存在なの?

怪談好きだけど、こんなのはじめてきいたわ。

だから余計に半信半疑。

ただ、念のこめ方は中国の蟲毒に似ているところが多い。

人のネガティブな感情は、こうも人智を超えた力を持つものなんだなと、

ただただ驚きながら読みふけった。

 

そして真也とババア二人組は、完璧な造り神を手に入れて、

何を成し遂げたかったんだろうか。

真也は死んでもなお手に入れたく足掻き、どうしたかったんだろうか。

真也の「悪」をほじってみたいと思ったな。

心理の構造としてとても興味のある男だった。クズだけど。

 

そして、生まれ変わった加奈江が登場。

実在しない人物に、こんなに恋焦がれた旦那をもつ妻・真弓はどんな気持ちでこれを読んでるんだろうか。

永遠に自分が二番手のような気にならないだろうか。

 

フィクションなのか、ノンフィクションなのか。それともミックスなのか。

そんな議論をしはじめたら本も映画も楽しめないから、

これはひとつの物語として楽しみました。

 

 

<以下、ネタばれ含む相関図> ※適当に書いたとこもあるから参考程度に。

 

※そういえば、嫁ぎ先の花嫁が次々に死んでしまう一族の話は、

 どっかで読んだな。今度、レビューを探してみよう。

 

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著者:郷内心瞳

 

 

登場人物が多すぎるのと、椚木家を中心として