2023年6月に結成式を行いスタートした「PIECE of PEACE島根教師の会」です。
 結成1年目の設立趣旨と活動内容をまとめ、本年3月に教育公務員弘済会島根支部が主催する「令和6年度教育実践研究論文募集」へ研究論文を提出していました。
 このほど審査結果の通知があり、個人・グループ部門の「最優秀賞」を受賞することができました。

 この論文は、次のような柱立てで「これからの新しい平和学習」のあり方について提案した内容です。
【主題・副題】
これからの「新しい平和学習」に求められているもの
~戦争を知らない世代による平和学習実践を支援する環境整備に向けた提案と取組~

【論述展開の柱】
1 問題の所在
2 本会組織の属性
3 問題意識と必要とされている取組

 (1)地域についての知識不足
 (2)活用可能な学習資料の未整備
 (3)単元指導計画をチェックする機会の不足
 (4)平和学習実践に関する情報交換機会の不足

4 問題意識から設定した本会の活動基本方針
 (1)研究仮説
 (2)基盤的な具体的取組

①    教材化の視点を当てた現地見学(巡検)の実施
②    戦争体験者の体験の再記録化〔読み物資料化〕
③    実践後の児童・指導者の効果分析

5 研究の実際
(1)    教材化の視点を当てた現地見学(巡検)の実施
① 「巡検」としてのフィールドワークから学ぶ
ア 巡検から考察・収集された情報の構造化
イ 素材「大社基地」のもつ教育的価値の総括

(2) 戦争体験者の体験の再記録化〔読み物資料化〕
①平和学習読み物資料の試作事例
②読み物資料試作から得られた作成の要点
ア 歴史的背景を記述し、体験を「証言」にする
イ 証言の選択基準は「5W1H」の明確さ
ウ 「ミニ学習コーナー」で工夫する
エ 主語を意識して、児童に語りかける構成にする
オ 学習の広がりを支える情報を示しておく
カ 証言を聞く、歴史の現場を自分で確かめる
キ 写真・地図の効果的な配置
ク 写真・地図は、読みやすいよう配慮する

(3)児童・教員の振り返りから実践効果の分析
①児童の振り返りの言葉から
ア 既有の意識・知識を覆す力
イ 同じ子どもの立場・視線で考える意義
ウ 現場で学ぶ意義
②指導者の学習後の効果評価言から

6 おわりに~成果と課題をふまえて
 

 私たちの組織設立の趣旨と活動に対して、高い評価をいただけたことをとてもうれしく思います。

 今後も、私たちが進める平和学習「ふるさとに戦争があった頃」の実践を、より多くの学校と仲間へ届けていきたいと思います。

 

 【教材検討会のグループ別協議の様子から】