2024年5月27日にアップした記事「連続テレビ小説「虎に翼」が描く日本の姿から」の中で、「昭和19年から20年にかけての戦没者数が多い」と書きました。
 昭和6(1931)年の満州事変から昭和20(1945)年8月までの15年間にわたるアジア・太平洋戦争における軍人・軍属の戦死者は、約230万人だと言われています。
 そのうちの大半の死者は、昭和19(1944)年6月のサイパン島陥落から終戦までに集中しています。
 
『NHKさかのぼり日本史②とめられなかった戦争』(加藤陽子2011.7刊)には、「岩手県出身兵士の戦死者数の推移」が掲載されています。
 それによると、太平洋戦争中の年次別戦死者数は

~1942年…1,222名
~1943年…2,582名
~1944年…8,681名
~1945年…13,370名
1945年~…4,869名

となっており、サイパン島守備隊が全滅する昭和19年以降の死者数は、全体の87.6%にもなります。制海権・制空権を失って補給・増員を絶たれ、物量・科学技術の絶対的格差の中で進められた戦闘の犠牲がどんなに大きなものだったかを物語る数字です。
【写真「さかのぼり日本史②」表紙より 】