いつ我が家へ帰ることができるか知れない旅にでる
 いつ家族が戦争で命を奪われるか分からない日々を過ごす
 今日交わした明日の約束が保障されない明日が訪れる

 今を生きる子ども達が、とても想像できない日々を体験した小学生がいたことを知ること。
 この事実との出会いや学びは、今を生きる子ども達の「戦争を身近に感じる・考える入口」になるはずです。
 「学童疎開」について、児童が直接手に取って考える資料にはどのような書物があるでしょうか。
 現在、私の手元にある資料を紹介します。
〇『字のないはがき』向田邦子 小学館 2019
〇『お母ちゃんお母ちゃーんむかえにきて』奥田継夫 小峰書店 1985
〇『学童疎開の子どもたち』嘉藤長二郎 汐文社 1995
 第1巻「はらぺこさみしさの日々」
 第2巻「先生ひどいよ!」
 第3巻「悲しかったあのころの宝もの」
〇『わたし11さい~学童疎開のこどもたち』うえすみひさこ 技術経済研究所 2007
〇『うちに帰りたい! 絵で見る学童疎開』全国疎開学童連絡協議会 2007
〇『お手玉のうた』神津良子 郷土出版社 2012
〇『ぼくもわたしも梅の花』日本子どもを守る会 草土文化 1991
〇『わたしたちの戦争体験 4 疎開』学研教育研究社 日本児童文芸家協会 2010
〇『うしろの正面だあれ』海老名香葉子 金の星社 1991
〇『対馬丸~さようなら沖縄』大城立裕 理論社 2015
〇『けんちゃんとトシせんせい』高木敏子 金の星社 1995
〇『あんずの木の下で』小手鞠るい 原書房 2015
〇『疎開生活絵巻』石田米子 吉備人出版 2015


 子どもの目線から戦争について考える。

 戦争被害は戦場へ行って戦った兵士という限定的な見方ではなく、すべての人間が巻き込まれるもの。

 本来守られるべき存在の子どもですら、「少国民」として空襲の危険が高まる都市部に集められての勤労動員作業。

 地方での劣悪な衣食住の環境の中での疎開生活。

 自分の住むまちにも戦争があった。

 その事実を子ども達が知ることからすべてが始まります。

 
【『字のないはがき』表紙より】