前回の小学生用「平和学習読み物資料」作りのポイント①では、
① 「歴史の背景」をベース文に入れ、体験者の話を「証言」にしましょう
② 児童の学習の広がりを支える情報を示しておきましょう
の2点について解説しました。〔2023.10.27掲載〕
今回は、前回に続く作成ポイントを3点解説したいと思います。
【読み物資料作成に関する配慮点】
③ 証言の選択基準「5w1Hがどの程度明記されているか」を確認しましょう
さまざまな証言資料の中からどの証言を選ぶか。また、新たに証言を聞く際のポイントとは何でしょうか。
「歴史的な証言」として、「5w1H」はとても重要な要素です。
誰が:氏名・当時の年齢・顔写真
いつ:発生の年月日
どこで:地図で示せる場所
何を・どのような:遭遇した事実の詳細
なぜ:その場所と自分との関わり
複数の事例を取り上げる場合は、証言内にある特徴的な事実が浮かび上がるように、重複を避けましょう。
④ 写真や地図、本文を丁寧に扱うため、「ミニ学習コーナー」で工夫をしましょう
時間をかけて原資料を入手し、読みやすいように手入れをして完成された資料です。利用する児童や先生に、資料を丁寧に扱ってほしいものです。また、作成者の作成意図をとらえた資料の活用が前提にあります。
そのために、資料末尾に「ミニ学習コーナー」や「見つけたこと・感想欄」を設け、資料から考えを深め・広げるための作成者からの「投げかけ」を用意することも大切です。
➄ 証言を直接聞いたり、歴史の現場で確かめたりする活動を大切にしましょう
「読み物資料の作成・活用・保存」という点から、平和学習資料のあり方について解説しています。
しかし、「体験者の証言・歴史の現場」がもっている迫力や実感に勝るものはありません。証言が直接聞ける場合は、ぜひ実施してほしいと思います。本人の許可を得て記録化〔録音・録画〕し、次の読み物資料への原資料としていく機会にもなります。歴史の現場で考えることも同様の考えで機会を確保してください。〔次回へ続く〕