戦争・銃後体験者の記憶を記録する取組の重要性が指摘されています。
 それに加えて、教育分野においては、記録された戦争の記憶を活用できる環境整備を行うことが求められています。
 ここでは、「平和学習読み物資料」作りに関するポイントについて紹介したいと思います。

【読み物資料作成に関する配慮点】

① 「歴史の背景」をベース文に入れ、体験者の話を「証言」にしましょう
 銃後体験談を「昔話」ではなく「証言」にすること。フィールドワークを「見物」ではなく「見学」にすること。これらはすべて、指導する側の教材研究の質に関わってきます。
 「証言」・「見学」とするためには、
小学校段階での歴史的な背景理解が必要です。その背景の中に、「体験談」や「現場」との出会いがあってはじめて、「証言」「見学」になるのだと考えていただきたいと思います。平和学習プログラム〔児童の思考の流れ・学びの流れ〕をどのように組み立てるかの基本となるものです。


② 児童の学習の広がりを支える情報を示しておきましょう
 学習の進め方は様々ですが、学習が進む中で、児童が主体的に調べていく姿が現れるような工夫が必要です。その際に、関連する図書情報や博物館情報を掲載しておくことが効果的です。校内では、学校司書や司書教諭との連携を図り、学校図書館を積極的に活用する校内学習環境〔人とものとの連携〕を整えておきましょう。地域⇔全国の双方向で、学びが深まり、広がっていくことを期待したいものです。児童の自主的な学びを担任が紹介し、学級全体へ広がるような取組も大切してほしいと思います。[次回へ続く]