鹿島歴史民俗資料館2023年度 特別展では、明治期の日露戦争に郷土出身者が浜田連隊へ入営する様子を、本人が家族にあてた「軍事郵便」から辿る展示内容が中心でした。
 
松江市鹿島町御津出身の門田喜一さんが、明治23(1890)年に浜田歩兵21連隊へ入営のため徒歩で出かけた様子、訓練や演習の様子、3年間の兵営での厳しい生活の様子などが、手紙の中で綴られていました。当時はまだ山陰本線が開通していないため、浜田へも徒歩で向かっています。御津を出発して出雲市古志で一泊目、大田市仁摩町馬路で二泊目、そして三日目の午前10時頃に温泉津に到着し、そこから汽船にて浜田港へ入港したとの記録がありました。
 太平洋戦争の展示資料については、戦時中の鹿島の各村の様子を写した写真資料が中心です。学童集団疎開についても触れられていましたが、新たな資料の展示はなかったように思います。これまでにまとめられた書籍の内容や掲載写真が中心でした。