
数年前にセンター試験にてどこでもドアを題材にした問題が出題されたが、その問題中では2地点間の気圧の違いから実用は難しいというような結論を出している。
どこでもドアは言ってしまえば2地点間の空間平面を無理矢理繋げて移動するという代物である。
しかし、私達は最低限瞬間移動さえ出来れば空間が繋がることは必要としていないのではないだろうか。
まあ、これでも相当にいや実現不可能なレベルの難解さなのだが、最近のテクノロジーの結果を突き詰めて発展していけばもしかしたら可能性が見えて来るのではという思考(いやここまでくると妄想か)をしていこう。
何故なら前提条件が既にこの上なく厳しいからだ。
それでも人間の英知はいつかこの領域に到達するという願いを込めて述べていこうと思う。
まず、現在で既に実用化されている3Dプリンターの技術。
臓器のモデルを既に現在再現し、手術の練習に使用している実例がある。
今は原材料が人間の細胞で出来てはいないが、医療分野においてドナーを待たずに移植の出来る患者自身の臓器の生成は1つの到達点であろう。
次に、脳科学の分野における人間の脳、記憶の完璧な再現、バックアップだ。
これもトランスヒューマニズムの到達目標の1つであろう。
恐らく、臓器のコピーよりもこちらの方が難しいと個人としては考えている。
さて、この二つがもし未来世界においてコンビニ感覚で実用化されている程度に発達したとしたならば、擬似的に瞬間移動が再現出来るのではないだろうか。
つまりはこうだ。
自らのDNA情報は事前に瞬間移動を可能とする施設に登録しておく。
例えば東京ロサンゼルス間で、先ずは東京の施設に向かい、カプセルなのかわからないが何かしらの装置に入る。
その時点での脳の記憶、情報をダウンロード、ロサンゼルスの施設に転送する。
ロサンゼルスの施設では東京の施設のカプセルに入った時点で、その人物の細胞を急速で生成、培養して身体のコピーを完成させる。
身体のコピーが完成したら記憶情報をそのコピーにダウンロードする。
コピーを目覚めさせ、コピー元と違いがないかどうかをテストする。
クリアしたら東京のオリジナルを処分する。
これを分単位、秒単位で行うのだ。
これで東京からロサンゼルスに瞬間移動したと言ってもよくなりそうだ。
わかるだろうか。
妄想に過ぎないと言った意味が。
もし、これらのことが可能な世の中になったとしても、倫理的に問題だらけなのである。
こんなことが日常で起きてたら、エラー1つで人間一人死亡のケースも起きるだろうし、逆にドッペルゲンガーだらけになる可能性もある。
この技術があってよかったなと思えるのは、宇宙に地球の他に人間の住める星を発見して両星間に装置を設置することが出来て瞬時に情報だけは伝達可能、宇宙船では年単位の移動時間が必要という状況になった時くらいのものだろう。
自らの肉体を原子以下のレベルに分解して別の地点で再構成するということもSFストーリーなどでもっともらしく語られる一説ではあるが、今回は私の知識内で今の技術の発展との結びつきを考えられなかったため採用しなかった。
いずれその発想が出来たら話す機会があるかもしれない。
しかし、瞬間移動を実現出来たら人類はどれ程のブレイクスルーを引き起こすのだろうか。
妄想は終わらない。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也