私は、流行とは加速度の大小のようなものであると捉えています。
加速度とは単位時間に速度が変化する割合のことです。
流行も単位時間にどれだけ特定の物を買ったか、特定の場所に行ったかなどの数の変化でニュースになります。
ある番組では、ある島に観光客がどれだけ行ったのかを過去と比べて何倍かで表して流行の真実味を謳っています。
ですが、落ち着いて考えればわかりますが、この数字にはあまり左右されない方が懸命かと思います。
例えば去年と比べて20倍増えたとしましょう。
過去が1人なら20人、つまり19人増えただけでも20倍と言えてしまうのです。
10人なら200人に増えたら20倍、100人なら2000人に増えたら20倍ですね。
逆に1割増えただけだとしても、10万人であったら?
そう、1万人増えて11万人と言えます。
たった1割でも1万人。20倍といっても19人、190人、1900人。
これは元の数を特定しないことで生まれるカラクリです。
しかし、流行を生み出すには重要な要素の1つといえます。
この○○倍という数字で表せる事実を上手く使って起爆剤としたケースも少なくないでしょう。
どのように数と向き合えるかが肝心ですね。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也