数を扱う人間の目にうつる世界や生活の光景から、ちょっとした数の雑学、初めての数との触れ合い方、論理的思考からの未来予想、逆説パラドックスまで数に向き合った者が綴る、数に苦手意識を持つ人達へ送るブログ
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3√8000。
ルートは知っているかもしれないが、中にはこの数はどういったものか知らない人もいるのではないだろうか。
3√xとは3乗したらxになる数のことをいう。
√が2乗したらその数になるものなので、それの3乗版というものだ。
√2は21/2とも書き、それにならって同様に3√2は21/3とも書ける。
ではこの3√の説明を受けて、3√389017は2桁の整数である。
その整数を答えよといったら即答出来るだろうか?
いやいや無理でしょという声が聞こえてきそうだが、では問題の言い方を変えよう。
ある2桁の整数を3乗したら389017になった。
その2桁の整数はいくつか?
これならどうだろう。
何とか出来そう?
でも即答は無理?
大丈夫、次に示す性質を踏まえれば誰にでも答えられるようになる。
それは1から9までの一桁の自然数とその3乗の数の関係だ。
自然数 3乗数
1 1
2 8
3 27
4 64
5 125
6 216
7 343
8 512
9 729
さぁ、何か気付くことはあるだろうか?
よぉく見てみよう。
例えば、3乗数の一の位でわかることはなにかあるだろうか?
そう、ダブる事なく1から9までの数が入れ替わったりしながら全て入っているということだ。
1,4,5,6,9はそのまま1,4,5,6,9、2は8、8は2、3は7、7は3と変化する。
もし、2桁の整数でも1の位の計算はそのまま上の表の通りとなる。
だから389017であれば、答えるべき整数の1の位は3である。
では10の位はどうすればよいか?
ここでtを1から9の数とすると、10×tは10,20,……,90の数となることはおわかりになるだろうか。
すると10×tの3乗の下3桁は全て0となる。
これをふまえると、千の位より上に注目すればよいと考えられるだろう。
389017であれば389に注目するということだ。
ではどのように扱えばいいかというと、例えば10と20の間の3乗数は1000から8000までの間の数である。
同様に、20と30の間の3乗数は8000から27000までの間の数である。
この関係性をふまえて上の表と千の位より上の数を照らし合わせれば、十の位がわかるということだ。
では389017は389に注目すると、389は343から512の間の数であるから導かれる数は7である。
先程の一の位と合わせると、73となる。
各々で電卓を使って確認してほしい。
では今度は自らの力で、答えを出してほしい。
問題となる数は103823、54872、250047だ。
ちなみに、このような方法はおおよその当たりをつけて考える概算の一種と考えられる。
なお、凄いなと感心してくれた方には申し訳ないが問題として出された数がきちんと3乗数の時にしかこの方法は通じないのであしからず。
また機会があったら似たようなことを取り上げるかもしれない。
それではまた。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
ということで、円とは何か?のお話しだ。
円の定義の一つとしては、平面上のある一点から等距離にある点の集合、といえるだろう。
わかった方はおめでとう。
きちんと学校生活での知識を保持していたということだ。
もしくは自らその定義に行きついた方は、円の描き方などを思い出しながら、抽象化出来たということであろう。
ここで大事なのは、平面上、つまり2次元ユークリッド空間上でという部分だ。
もしこの一言が抜けていた場合は、3次元だったら球となってしまう。
つまり、球とは円を3次元に拡張した場合の名称ともいえる。
この、「拡張」という概念は数学において重要な思考の一つなのだが、今回は円についての話なのでスルーといこう。
さて、先程述べたある一点のことを円の中心ということはきっと誰しもが知っていることだと思う。
では、中心と円周上の一点を結ぶ線分のことを何と言うだろうか?
半径?
最近はそれで正解という事が多いが、厳密には違う。
半径は、その線分の「長さ」を指し、線分の名称ではないのだ。
では何というのか?
答えは「輻」だ。
ああ、読みは「や」だ。
そうだね、面倒くさいね。
大丈夫、半径といって差し支えない。
むしろ、「いや、それは輻って言うんだ」って頑固に言ってたら、このハラスメント社会で何と言われることか。
それでは次に、円と2点で交わる直線を何と言うか?
いいかな、直線だよ。
弦?
それは線分だ。
円周の2点を結んだ線分のことだ。
今回はそれを両端伸ばした直線のことを質問している。
それでは、お答えしよう。
この直線は「割線」という。
円を2つに分割する直線だから割線というのだ。
ここで、割線で円を二つに分割したわけだが、この交点をA、Bとしたときに曲線が2つ出来るのは確認出来るだろうか。
それは何と言う?
そう、「弧」だ。
これはよく知っていることだろう。
では貴方は今、どちらの弧を思い浮かべ、弧と考えたのか。
長い方か、短い方か。
これについては、あまり触れられていなかったことだろう。
特に、長い方の弧を優弧(major arc)、短い方の弧を劣弧(minor arc)というんだ。
よく問題で扱う弧は劣弧が大半であるから、この名称は聞き馴染みがなかったかもしれない。
今回は、円に関する名称についてつらつらと書いてみた。
円についてはまだまだこんなものではない。
機会を見てまた紹介できたらしていこうと思う。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也