数学者「平間達也」の偉大な数学とちっぽけな己

数学者「平間達也」の偉大な数学とちっぽけな己

数を扱う人間の目にうつる世界や生活の光景から、ちょっとした数の雑学、初めての数との触れ合い方、論理的思考からの未来予想、逆説パラドックスまで数に向き合った者が綴る、数に苦手意識を持つ人達へ送るブログ


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元の数を除いた約数の総和が元の数と等しい性質を持った数が完全数という話を以前した。
 
中には、いやいやまだなんかあるだろと色んな数を検証して120で歯ぎしりをした人もいるのではないか。
 
120の約数は、
 
1,2,3,4,5,6,8,10,12,15,20,24,30,40,60,120
 
であり、元の数を除いた総和は240、総和は360。
 
誰もが「惜しい!」と思うだろう。
 
何しろ2倍、もしくは3倍なのだから。
 
しかし、このような惜しい数にもやはりお名前が存在する。
 
それはそうだ。
 
何しろ、約数の総和が元の数のある倍数と等しい、という性質を持っているのだから。
 
その名は倍積完全数。
 
特に120なら、3倍完全数と呼ばれる。
 
3倍完全数の中で120は最小の数だ。
 
ちなみに2倍完全数とは、完全数と同義である。
 
ちょっと考えればわかることだね。
 
完全数よりも条件が緩いとはいえないが、完全数よりもなんか多い気がする3倍完全数は、なんとまだ6個しか見つかっていない。
 
小さい順に、120, 672, 523776, 459818240, 1476304896, 51001180160
 
また、このような性質ならば20倍や30倍完全数、100倍完全数もあるだろうと目を輝かせる人もいそうだが、焦ってはいけない。
 
未だに11倍完全数までしか見つかっていないのだ。
 
さらには7番目の3倍完全数はないだろう、つまりこれから先、3倍完全数は発見されないだろうといわれてもいる。
 
これは4倍完全数や5倍完全数も同様で、現在4倍完全数は36個、5倍完全数は65個発見されているが、これで打ち止めと囁かれている。
 
だがあくまで、いわれているだけだ。
 
高名な数学者も時に予想を外すこともある。
 
未だ発見されていない12倍完全数や7番目の3倍完全数が見つけるのはあなたかもしれない。
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
 
0次元は点、1次元は線分、2次元は面、3次元は立体ときたら4次元は何であろうか?
 
よく4次元は時間を意味するなんて言う傾向もある。
 
では、それにのっとって考えるならば、面積、体積ときて次は時積なのか?
 
体積のある立体がある時間からある時間まで動いた総体積を時積だ、などと定義したら面白そうだ。
 
単位は立方メートル秒等と表記したりするのか。
 
人間の体は大変だろう。
 
流動的に成長して体積が大きくなったり、加齢と共に体積が小さくなったりして求めるのが大変そうだ。
 
しかし、3次元で生きている私達には理解が及ばずとも、3次元を絵本を眺めるように生活する4次元上の知的生命体には手に取るようにわかるのだろうか?
 
とまあ冗談はこのくらいにして、数学の世界には4次元以上の立体も当然のように考えられている。
 
それが、超多面体だ。
 
当然ながら目に見えるものではないが、3次元の風景を写真や動画という2次元に収めて楽しむ要領で(これを射影という)、4次元以上の立体を2次元または3次元に射影し落としこむことでその立体を認識しようという方法論もあったりする。
 
その中で特に4次元の立体を多胞体と言ったりする。
 
胞とは細胞、つまりcellのことである。
 
頂点、線、面に続いて3次元の要素を胞というのだ。
 
線を組み合わせ面を作り、面を組み合わせ立体である多面体を作る。
 
そして、立体である胞を組み合わせ繋いで多胞体を作るというわけだ。
 
ところで、初等幾何からの拡張であるこの分野は認識の一致がされていない部分も少なからず存在する。
 
例えば線分4本で囲まれる四角形があるとしよう。
 
これは2次元の面として捉えるのか、それとも1次元の線分で囲まれた図形と捉えるのか、四角形という単語だけでは判断がつかない。
 
文脈に頼るしかないのが現状だ。
 
また、超多面体と全ての次元の立体を呼称することにしたが、それでも4次元以下の立体には上記の通り多面体、多胞体と独自の呼び方がある。
 
しかし、5次元以上の立体にはその呼び方が確立されていないのだ。
 
いや、それでも一応あるにはある。
 
ジョージ・オルシェフスキーが提案した名称だ。
 
ここで列挙しておこう。
 
5次元、ポリテロン。
 
6次元、ポリペトン。
 
7次元、ポリエクソン。
 
8次元、ポリゼトン。
 
9次元、ポリヨトン。
 
これはまだ広く認知されている訳ではないようだ。
 
ところで、全てにポリがつくことがわかるだろう。
 
となると4次元以下の呼び方も気になる人もいるのではないだろうか。
 
0次元から4次元はそれぞれ以下の通りだ。
 
ポイント、セグメント、ポリゴン、ポリへドロン、ポリコロン。
 
セグメントは地デジ関係で耳にした方も多いかもしれない。
 
問題はポリゴンだ。
 
ポケモンに出てくるポリゴン、あのテレビ史に残るポリゴンショックのポリゴンだ。
 
確かに多角形で構成された人工のポケモンなのだから合っているのかもしれない。
 
しかし、正確にはそれはもうポリへドロンなのだ。
 
最近のポケモンは名前は五文字の縛りがなくなり、六文字までになっている。
 
なのでポリゴンを入手した際にはキチンとポリへドロンと名付けてあげるべきであろう。
 
勿論、ポリゴン2に進化させた際にはポリコロン、ポリゴンzに進化させた際にはポリテロンと呼んであげるべきであろう。
 
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
 
495 
 
これは何の数字か。
 
後々分かるだろう。
 
まずは話を進めていこう。
 
0から9までの数字で好きな数字を3つ選んで欲しい。
 
2つまでなら同じ数字を選んでもOK。
 
選んだら大きい順に並べて欲しい。
 
次に小さい順に並べて欲しい。
 
出てきた2つの三桁の数字で引き算をしよう。
 
大きい方から小さい方を引いてくれ。
 
出てきた答えを先程と同じ要領で、大きい方から順に並べた数字と小さい方から並べた数字を作り、引き算をしよう。
 
この作業を繰り返しすると、495が出現する。
 
どんな数字を選んでもだ。
 
111のように同じ数字を3つ選ばなければ必ず495に辿り着く。
 
495はなんとも不思議な数字だ。
 
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
さぁ、あなたの目の前にとある大きさの正方形がある。
 
その正方形をそれよりも小さい正方形のタイルで埋めて欲しい。
 
そう言われて、すぐに出来ると思えるだろうか。
 
まぁ出来ると思った方が大半だろう。
 
元の大きさの正方形の一辺の何分の一かの正方形で敷き詰めればいいだけだから。
 
しかし次の一言をつけるだけで、先程の質問は一気に難しさが増す。
 
一回使った大きさの正方形は使ってはならない。
 
つまり、1×1の正方形は1回しか使ってはならず、同様に2×2、3×3、……も一回しか使ってはならないということだ。
 
実に難解な問いになるだろう。
 
これは、ニコライ・ルジンが考えた、一般に「ルジンの問題」といわれる問題である。
 
「任意の正方形を、2個以上の全て異なる大きさの正方形に分割できるか」
 
これにルジン本人もそんな組み合わせはない、と予想したが後にいくつかの例が発見されたのである。
 
最小の正方形の大きさと組は次の通りだ。
 
大きさ一辺112の正方形、21個の正方形の組。
 
2, 4, 6, 7, 8, 9, 11, 15, 16, 17, 18, 19, 24, 25, 27, 29, 33, 35, 37, 42, 50の正方形で敷き詰められる。
 
紙を切り取ってどうにすれば出来るか挑戦してみて欲しい。
 
信じられないという人は、完璧な答えとは違うが112の2乗と21個の正方形の面積を比べれば、少しは出来るかなというイメージが持てるはずだ。
 
ここで問題を拡張して、立方体では同様のことが出来るかという問題が想起出来るが、この問題は出来ないということがはっきりしている。
 
何故かって?
 
立方体の底面をまずは敷き詰められたとしよう。
 
すると一番小さい立方体の箇所が必ず存在する。
 
その小さい立方体の一辺をaとするとa×a×mの溝がその立方体の上に出来る訳だが、そこを埋めるには一辺aの立方体ではダメだから、もっと小さい立方体の組で埋めなければならない。
 
もし、それができてもまたその中で一番小さい立方体の上には溝が生まれる。
 
これが永遠に繰り返されるのだ。
 
不可能ということがわかっただろうか。
 
これと似たようなことは黄金比や白銀比でも起こる。
 
今回のように、二次元から三次元への拡張には簡単なようで越えられない溝が散見されるのだ。
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
人は法則が好きだ。
 
原因があり、結果が起こる。
 
ある原因があれば、それは多くの場合同一の結果を引き寄せる。
 
それらの事を通して社会を、世界を、人生を見ることで少しばかりでも簡単に進んでいきたい、扱いたいと思うものである。
 
つまりは、人はみな数学が好きなのだ。
 
何故、そんな唐突にって?
 
だって、原因を前提に結果は結論と置き換えれば、それは定理となるではないか。
 
だから人は定理を求め欲する。
 
法則と定理の違いは多くの場合当てはまるか、絶対に成り立つかということだろう。
 
法則の場合は多くの場合が経験則に基づくものだ。
 
あるキャバ嬢が「医者には谷間を見せても響かない。弁護士には通じる」と力説していたことがあった。
 
これもしっかりと経験則に基づくだけのものであり、彼女に接した事がない医者はもしかしたら谷間が好きかもしれないし、弁護士でも興味を引けないこともあるだろう。
 
その点、定理は全て前提を満たせば必ずその定理の結論は成り立つ。
 
例外はない。
 
絶対的な信頼がそこにはあるのだから、もっと数学を好きだと思っていいと思うが実際はそう単純ではないようだ。
 
両者を隔てるそれは、具体か抽象か、それとも現実に則したものか思考のその先か。
 
理由の一つは環境の理解の違いかもしれない。
 
法則であれば、生活の中もしくはその延長なので言葉を聞けば理解出来るものであるのに対し、定理は前提環境を理解することから始まる。
 
理解する前に思考を閉ざせばその時点で対話は不可能になる。
 
法則に手を伸ばす人よ、思考を停止することなかれ。
 
思考を巡らせ続ければ、いずれ数学は語り始めるはずだ。
 
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
突然だが、あなたは一回でも思ったことはないだろうか?
 
何をって?
 
sin、cos、tanって見ると嫌気がさす方も多いかもしれないが、値として30゜,45゜,60゜しか教わってないなということだ。
 
これに0゜と90゜あたりを加えて覚えることになるのだが、なんかしっくりこなかったなと。
 
何がしっくり来ないかというと、0゜から30゜足して30゜、次に15゜足して45゜、また15゜足して60゜、今度は30゜足して90゜……「全部15゜ずつ上げていけよ!」と思ってしまう。
 
まあね、和積の公式なんか使って求めることは可能なんだけどね。
 
図からサラッと教えて欲しかったな、なんてね思ったりしたよね、しなかったか。
 
でも、直角三角形で30゜60゜のものや直角二等辺三角形は比があるけど、15゜75゜のものは比がわからないんだよね。
 
じゃあわからなければ調べればいいじゃない、ってことで調べて見ましょう。
 
いつもの通り、図は書きません。
 
皆さんで図を書いて確かめて欲しい。
 
まず三角形ABCを書いていく。
 
角Bが直角、角Aが15゜(言わなくてもいいけど角Cは75゜)とする。
 
次に角Cから辺ABに直線を引くのだが、辺ABと交わる点Dを角CDBが30゜になるように引いて欲しい。
 
これで準備完了。
 
まずは分かる比を書いていこう。
 
辺BCを1とすると辺CDは2、線分DBは√3となる。
 
ここで角ACBは75゜で角DCBは60゜だから、角ACDは15゜。
 
角CADも15゜なので、三角形ACDは二等辺三角形となる。
 
であれば線分ADは辺CDが2なのだから同じく2となる。
 
ここまでをまとめれば辺AB=線分AD+線分DBなので、辺ABは2+√3となる。
 
よかった、あとは三平方の定理を使えば辺ACの比は出る。
 
すると、sin15゜もcos15゜もtan15゜も値がわかる。
 
更にsin75゜もcos75゜もtan75゜もわかる。
 
よかったね、これで図から15゜間隔で全ての三角比の値がわかるようになるだろう。
 
どうだろう、なんかスッキリしたと思ってくれるだろうか。
 
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
 
 
あなたはどんな時に幸運を感じるだろうか?
 
宝くじに当たった時?
 
それとも素敵な恋人を見つけた時?
 
いずれにしても大多数の他人をくぐり抜け勝ち取った時に幸運を感じるだろう。
 
今回はその名の通り、幸運数の話。
 
幸運数とはどんなものかと定義をいうのもいいが、実際に一つずつ幸運数を拾っていく方が分かりやすいだろう。
 
まずは自然数を1から順に書いていって欲しい。
 
次に2n(nは自然数)番目の数、つまり2の倍数を全て消していこう。
 
消しゴムで消すなり、マジックで塗りつぶすなり、はっきりとお願いする。
 
残ったのは奇数だけになったはずだ。
 
そうしたら、1から数えて2番目の数に丸をつけて欲しい。
 
3に丸がついたはずだ。
 
これが幸運数の一つだ。
 
では、3が幸運数とわかったので、更に残った数の中で3n番目の数を消していこう。
 
3nだからといって3、6、9を消すと勘違いしないでほしい。
 
あくまでも、残った数の中で3n番目の数、だ。
 
残った数は今まで正しく消していけていたら、次の通りになっているだろう。
 
1, 3, 7, 9, 13, 15, 19, 21, 25, 27, ……
 
正しければ、1から数えて3番目の数に丸をつけよう。
 
そうだ、7に丸がついたはずだ。
 
それも幸運数の一つだ。
 
続けてやっていこう。
 
7が幸運数なので、今度は7n番目の数を消していく。
 
消したら4番目の数が幸運数だ。
 
9が幸運数になっただろうか?
 
そうしたら残った数から9n番目の数を消して、その後5番目の数を幸運数にする。
 
以下、延々と無限にこの操作を繰り返し行う。
 
以下、100までの幸運数を列挙しておこう。
 
1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 31, 33, 37, 43, 49, 51, 63, 67, 69, 73, 75, 79, 87, 93, 99
 
幸運と言うにはいささか多い気がするだろうが、苦情はポーランドの数学者スタニスワフ・ウラムにお願いする。
 
この幸運数を提案したのは彼だ。
 
ちなみにこの名の由来は以前紹介した「ヨセフスの問題」で似たような方法を用いて生き残ったヨセフスの幸運から取ったといわれる。
 
一見、数字遊びのような幸運数だが、未解決問題の一つであるゴールドバッハの予想を拡張しての
「4 以上の偶数は 2 個の幸運数の和として表せる」という予想をすることも出来たりする。
 
幸運数の考察をしてこの予想を証明出来たら、本当の意味でその人は幸運だったと言えるかもしれない。
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也
数学者平間達也論破
 
 
論理がしっかりと組み立てられていると、水を飲むかの如くに自然と身体に入ってくる。
 
逆に支離滅裂な論理では脳が拒否反応を起こす。
 
その滅茶苦茶な論理を弾き飛ばそうとする具合にだ。
 
これは人間誰もが持つ脳の力であろう。
 
しかし、あえて滅茶苦茶な論理を用いて耳を傾けさせる技術もある。
 
それが「矛盾」だ。
 
数学では証明の技法の一つに背理法という矛盾を使って行う方法もあるし、他にもアキレスの亀等のような矛盾の題材が多く見られる。
 
これは、一つの物語全体としての完成形で、全体のどこに矛盾があるかと問い掛ける面白さがある。
 
逆にたった一文で多くの人の耳と心を話さない矛盾もある。
 
それが歌詞だ。
 
竹原ピストルさんのあの曲。
 
「よー、そこの若いの、俺の言うことを聞いてくれ。
 
俺を含め、だれの言うことも聞くなよ」
 
誰もが一度は聞き、誰もがその歌詞にツッコミを入れたことだろう。
 
社会へのメッセージを含めた上でのこの矛盾は清々しい程に美しい。
 
誰もがcm内の歌詞などあってないようなものにしか捉えない中で、見事に人々の脳がその言葉をキャッチしたのだ。
 
逆に、一見まとまった完璧な論理に悪意を潜ませて罠にかける詐欺もまだまだ多く見受けられる。
 
犯罪がない世の中を作ることは大切だが、恐らくは無くなりはしないだろう。
 
私たちは目に耳に心に日頃から網目の細かいふるいを設けて、小さき矛盾を拾える力を養っておかなければならない。
 
 
 
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也

 

 

3√8000。

ルートは知っているかもしれないが、中にはこの数はどういったものか知らない人もいるのではないだろうか。

3√xとは3乗したらxになる数のことをいう。

√が2乗したらその数になるものなので、それの3乗版というものだ。

√2は21/2とも書き、それにならって同様に3√2は21/3とも書ける。

ではこの3√の説明を受けて、3√389017は2桁の整数である。

その整数を答えよといったら即答出来るだろうか?

いやいや無理でしょという声が聞こえてきそうだが、では問題の言い方を変えよう。

ある2桁の整数を3乗したら389017になった。

その2桁の整数はいくつか?

これならどうだろう。

何とか出来そう?

でも即答は無理?

大丈夫、次に示す性質を踏まえれば誰にでも答えられるようになる。

それは1から9までの一桁の自然数とその3乗の数の関係だ。

自然数  3乗数

1              1
2              8
3            27
4            64
5          125
6          216
7          343
8          512
9          729

さぁ、何か気付くことはあるだろうか?

よぉく見てみよう。

例えば、3乗数の一の位でわかることはなにかあるだろうか?

そう、ダブる事なく1から9までの数が入れ替わったりしながら全て入っているということだ。

1,4,5,6,9はそのまま1,4,5,6,9、2は8、8は2、3は7、7は3と変化する。

もし、2桁の整数でも1の位の計算はそのまま上の表の通りとなる。

だから389017であれば、答えるべき整数の1の位は3である。

では10の位はどうすればよいか?

ここでtを1から9の数とすると、10×tは10,20,……,90の数となることはおわかりになるだろうか。

すると10×tの3乗の下3桁は全て0となる。

これをふまえると、千の位より上に注目すればよいと考えられるだろう。

389017であれば389に注目するということだ。

ではどのように扱えばいいかというと、例えば10と20の間の3乗数は1000から8000までの間の数である。

同様に、20と30の間の3乗数は8000から27000までの間の数である。

この関係性をふまえて上の表と千の位より上の数を照らし合わせれば、十の位がわかるということだ。

では389017は389に注目すると、389は343から512の間の数であるから導かれる数は7である。

先程の一の位と合わせると、73となる。

各々で電卓を使って確認してほしい。

では今度は自らの力で、答えを出してほしい。

問題となる数は103823、54872、250047だ。

ちなみに、このような方法はおおよその当たりをつけて考える概算の一種と考えられる。

なお、凄いなと感心してくれた方には申し訳ないが問題として出された数がきちんと3乗数の時にしかこの方法は通じないのであしからず。

また機会があったら似たようなことを取り上げるかもしれない。

それではまた。


 

数学者・サイエンストランスミッター
平間達也

数学者平間達也コンパス

 

 

 

ということで、円とは何か?のお話しだ。

円の定義の一つとしては、平面上のある一点から等距離にある点の集合、といえるだろう。

わかった方はおめでとう。

きちんと学校生活での知識を保持していたということだ。

もしくは自らその定義に行きついた方は、円の描き方などを思い出しながら、抽象化出来たということであろう。

ここで大事なのは、平面上、つまり2次元ユークリッド空間上でという部分だ。

もしこの一言が抜けていた場合は、3次元だったら球となってしまう。

つまり、球とは円を3次元に拡張した場合の名称ともいえる。

この、「拡張」という概念は数学において重要な思考の一つなのだが、今回は円についての話なのでスルーといこう。

さて、先程述べたある一点のことを円の中心ということはきっと誰しもが知っていることだと思う。

では、中心と円周上の一点を結ぶ線分のことを何と言うだろうか?

半径?

最近はそれで正解という事が多いが、厳密には違う。

半径は、その線分の「長さ」を指し、線分の名称ではないのだ。

では何というのか?

答えは「輻」だ。

ああ、読みは「や」だ。

そうだね、面倒くさいね。

大丈夫、半径といって差し支えない。

むしろ、「いや、それは輻って言うんだ」って頑固に言ってたら、このハラスメント社会で何と言われることか。

それでは次に、円と2点で交わる直線を何と言うか?

いいかな、直線だよ。

弦?

それは線分だ。

円周の2点を結んだ線分のことだ。

今回はそれを両端伸ばした直線のことを質問している。

それでは、お答えしよう。

この直線は「割線」という。

円を2つに分割する直線だから割線というのだ。

ここで、割線で円を二つに分割したわけだが、この交点をA、Bとしたときに曲線が2つ出来るのは確認出来るだろうか。

それは何と言う?

そう、「弧」だ。

これはよく知っていることだろう。

では貴方は今、どちらの弧を思い浮かべ、弧と考えたのか。

長い方か、短い方か。

これについては、あまり触れられていなかったことだろう。

特に、長い方の弧を優弧(major arc)、短い方の弧を劣弧(minor arc)というんだ。

よく問題で扱う弧は劣弧が大半であるから、この名称は聞き馴染みがなかったかもしれない。

今回は、円に関する名称についてつらつらと書いてみた。

円についてはまだまだこんなものではない。

機会を見てまた紹介できたらしていこうと思う。


 

数学者・サイエンストランスミッター
平間達也