「このろくでもない、すばらしき世界。」
昨今稀に見る見事なフレーズである。
サントリーの缶コーヒー・ボスのCMの最後に現れるこのフレーズ。見事に現代社会を言いえてはいまいか。
有史以来、とまでは言わないけど、もうちょい時間を新しく持ってきて、人類がこの世に現れて以来。
人は、大きなものを手に入れると同時に、大切なものを失ってきた。
火を手に入れた人は、火災や火傷に対する恐怖と対峙することを強いられ、
産業革命によって物質的な豊かさを手に入れた人は、公害による健康被害を被り、
自動車を手に入れた人は、交通事故に苛まれてきた。
結果的に<チャラ>。
近年の情報通信革新によってとんでもない便利さを手に入れたボクたちは、何を失ったのだろう?
まず、人自らに降りかかっていることから言えば、ゆとり。
仕事をしてて、どこで何をしていてもケータイでつかまってしまうのはいい一例だろう。なんでもかんでも即座に対応を迫られる。ボクが社会人になった頃は、会社に戻ってきて電話メモを見、それから相手にコールバックしていても十分事足りていたはずなのにね。
それから、社会的なことを言えば、「敵」の増加。
めまぐるしいスピードで変化していく現代社会。それに付いていけない人、取り残された人、立ち止まらざるを得ない人。彼らはじわじわと、あるいは急激に「壊れて」しまう。そして、自身が壊れるのみならず、時として周りを壊していく。よく聞く「心神耗弱」というヤツだ。
たしかに、便利である。
楽しいことも多い。刺激も多い。快適になった。
一言で言えば<すばらしい>。
ただし、その分だけ<ろくでもない>。