アデランスのCMを見てて、驚いた。
アデランスのCMを見ていたことに他意はない。当面被るつもりも植える予定もないし。
画面のすみっこに「J・Hair」って書いてあった。
<日本毛髪業協会>のことを「J・Hair」というらしい。
日本中、あちこち「J」だらけだぞ!
Jリーグ、Jビーフ、Jポーク、Jフォン…。
浜省ファンとしては、<日本>を現す「J」は浜田省吾の「J.BOY」がその起源だと信じている。
こんなことなら商標登録でもしておいてくれればよかったのに…とまで思う。
省吾初のオリコンチャート1位を獲得したアルバム「J.BOY」が発売されたのは、ボクが大学1年生の時であった。
そのアルバムの帯には、こう印刷されていた。
<頼りなく豊かなこの国に 何を賭け 何を夢見よう…>
そう、タイトル曲「J.BOY」の中のワンフレーズである。
しかし、発売日当日にそのアルバムを購入したボクは、その帯の言葉を、手に取った瞬間こう読み取っていた。
<「限りなく」豊かなこの国に 何を賭け 何を夢見よう…>
そして、そこにひとかけらの違和感も感じなかった・・・。
時は1986年。のちにはじけたバブル経済に向け、日本中が浮き足立っていた頃。やがてSONYのコロンビア買収や、三菱地所のロックフェラーセンター買収など、<Japan as No.1.>に国民が酔いしれることになるこの経済膨張の予兆は、経済活動には無縁だった18歳のボクにも、何らかのニオイを嗅ぎ取らせていたのであろうか、ボクは「限りなく豊かなこの国」という誤読したフレーズを、何の抵抗もなくすんなり受け入れていたのであった。
その誤読は、アルバムを勇んで持ち帰り、大学入学のどさくさに紛れて買ってもらったコンポ:パイオニア「Private」のCDトレイに2枚目を挿入し、その7曲目を聴いた時に<間違いだったのか!>と判明するのだが、それまでの何時間かの間、ボクはこの国が「限りなく豊か」だということに何ら疑いの念を抱かなかったということになる。
そして、やはりこの国は「頼りなく豊か」だった。
何を賭け、何を夢見よう…。
あれから20年が経とうとしている今、この国は相変わらず、頼りない。
