1993年初版、大河ドラマ『べらぼう』の松平定信があまりにヤなヤツだったので本当のところはどーなのと本棚にあったのを思い出し手に取りました。思いがけないことに「幕末の天皇」(講談社選書メチエ)、「江戸時代の天皇」(講談社学術文庫)をお書きになった藤田覚先生の御著書でした。
なんだか本に呼ばれたような気持ちで読んだところ、田沼意次が巻き起こしたバブル経済が産んだ利得をあさる風潮を「田沼病」とバッサリ切り捨ててあり驚きました。大河ドラマの脚本家の方、この本を読んでらしたんじゃないでしょうか?松平定信がことあるごとに「田沼病!」と言ってましたものね。
本書は主に政治家としての定信についての評伝です。和漢の故事を引き合いに出し理詰めで自分の意思を押し通すヒトだったみたいでやっぱりヤなヤツでした(笑)。それはさておき歴史の制約がどんな歴史上の人物にもかかります。それがその人の限界にもつながっていく訳です。後の時代から過去を振り返って論評する危うさを教えてくれた本のように思いました。



