2025年初版、いまなおヨーロッパ人の心を捉えて離さない神聖ローマ帝国(962~1806年)の概説、それも全皇帝の小伝からなる本という面白い試みです。「賢帝、愚帝、対立王と、歴代皇帝54人!」と帯文にはあります。僕は以前から対立国王に興味があり、全部で何人立ったのかどういう最後を遂げたのか知りたいと思っていましたので本書を手に取りました。

率直に言って面白かったです。王侯などの人物中心の歴史を所詮勝ち組の歴史じゃないかと貶す人もあるそうですがなかなかそうとも言えません。読み進めていくうち、なぜ神聖ローマ皇帝なんてものになりたがるのか解らなくなってきました。それほどドイツ国王・神聖ローマ皇帝の責務はしんどい、割に合わないのです。1077年「カノッサの屈辱」で有名なハインリヒ4世はその後対立国王に立った息子ハインリヒ5世と闘いますがその心中はいかばかりだったことでしょう。キリスト教徒としての心情が彼らの原動力になったのでしょうか。

良い本だと思うのですが注意点をひとつ。講談社現代新書の菊池先生の前著「神聖ローマ帝国」もそうでしたがこの本、誤字脱字・誤記が多いのです。初学者には却って良くないかも知れません。

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