1998年57版、初版は1963年ですからたいへんなロングセラーです。いまなお中公新書・文庫ともに読めます。

数回前の紹介で「学者でもオモシロ本が書ける!」というノリでブログを書いてしまいましたが今回再読してそれが間違いだったことが分かりました。これは一世の碩学と謳われた宮崎市定先生がその蘊蓄を傾けて著した中国科挙制度の制度史の本だったのです。

試験地獄の喜怒哀楽エピソードが盛りだくさんですが、それは少し難しい本論を読むための潤滑油といっていいでしょう。1300余年に亘る科挙制度(わが皇室の歴史とほぼ同じ!)を1冊の新書に収めるのはさすがに不可能なので制度が完成しきった清朝のものが主に取り上げられています。それでも複雑怪奇きわまる科挙の不思議さに読者は目眩く思いをなすでしょう。

巻末の「科挙に対する評価」と「後序」は優れた科挙論といってよく、なぜいま日本人に科挙を説くのかがよく分かります。必読の小論です。

本日もお付き合い下さりありがとうございます。