麻雀牌が微笑むところを視聴者に見せたい 風林火山オーディション[神尾亮インタビュー] | 神尾 亮の「麻雀のような人生に人生のような麻雀を」

 

 

-今回のオーディションに参加された理由を聞かせてください。

こうプロ活動をそれなりにやっていると気づくんですよ。

 

麻雀牌って微笑むんですよね。

 

微笑んでいる麻雀牌の姿を、Mリーグの視聴者に届けたいんですよね。

麻雀って、打ち手の思いを込めていく「作品作り」じゃないですか。

そして麻雀牌も無機質かと思いきや、意外に意思を持っているんですよね。

 

その麻雀牌の意思と打ち手の思いがシンクロしたときに、フフフって麻雀牌が微笑むんですよ。

 

それをMリーグの舞台でお見せしたいんですよね。

 

 

 

-いやいや、本当の理由を教えてください。
 

すいません、真面目に答えます(笑)

 

 

このオーディションに参加した一番の理由は

「おそらく第2回は無いから」でした。

 

 

こういった企画モノって、初めてやるときは話題性もあって、それなりにリターンもあるのですが、正直かなり運営側は大変なので、そのコストに見合ったリターンを第2回以降も得るには、だいぶ頑張らないといけないんですよね。

そういったこと諸々を考えると、こういったオーディションは今回が最初で最後と考えた方が良いだろうと思いました。

 

そして、このオーディションって、当たり前ですが「2021年現在、麻雀プロをやっていないと参加できない」んですよね。ちょうど今麻雀プロ団体に所属している人間でないと、参加できないんですよね。

 

 

 

以前、モンド新人戦という大会がありましたが、あの大会も、その年に35歳以下の若手雀士でないと参加できないものでした。

1次予選と2次予選の間に面接審査があるという特殊なもので、私は面接の際に「モンドでこんな麻雀番組をやりたい」という企画内容を自作のフリップを用意してプレゼンしました。

 

そういう経験は、今後長く麻雀プロをやっていくうえで、語れるネタになるんですよね。もちろん話のネタになるだけでなく、その時の会場の雰囲気や、どういったことに力を入れる必要があったかという反省が、今後の似た場面でいきてくるんですよね。

 

せっかくその時代に参加資格を持っていたならば、とりあえず参加しておくだけで、今後の麻雀プロ人生につながる経験値を得られるんですよね。

 

今回のオーディションであっても、「2021年にEX風林火山オーディションに参加した」という経験を得るだけで結構勝ちなんですよ。

 

「実際Mリーガーに選ばれたら仕事とかどうするの?」とかって何人かに聞かれましたが、そんなことは選ばれそうになってから考えればいいんですよ。だから、即決でしたね。

 

 

 

-実際に参加してみて、どんなことが得られましたか。
 

 

得られたことは3つあります。

 

 

まず1つ目は、

「オーディションの表側と裏側、どちらも見られたこと」ですね。

 

表側というのは視聴者側ですね。SNSとか見ていると視聴者側の盛り上がりが見てとれます。

 

そして、裏側というのは、参加者、運営側ですね。もちろん細かい話はしませんが、とりあえずめちゃめちゃ運営サイドは大変そうでした。

 

表側の盛り上がりとは逆に、裏側の大変さが色んなところから感じとれて、こういった企画をやってもらえること自体が本当に有り難いものなんだなとしみじみ思えることができました。

 

 

 

2つ目は、

「赤あり麻雀を普段やっている麻雀プロの強さを知ったこと」ですね。

 

私は普段赤あり麻雀を打たないんですよ。赤なしの最高位戦ルールでの勝負をしたくて麻雀プロになったくらいですからね。普段の練習も、最高位戦ルール以外まず打ちません。

 

で今回、第2節にRMUの松ヶ瀬プロと同卓したのですが、バケモンでしたね(笑)どんだけ強いのよ。

松ヶ瀬プロにツモられる麻雀牌も相当気持ち良さそうでしたからね。

 

麻雀プロ4人で卓を囲み、オーディション優勝の1枠のために赤あり麻雀の短期決戦をやるという機会はまず無いので、みんなこうやって勝っているんだなぁというのが間近で知れてよかったです。

私も第3節に160勝てたのですが、それも第2節までの経験があってのものだったと思っています。

 

 

 

そして最後に、得たことの3つ目ですが、これはちょっと地味かもしれませんが、

「自動配牌によるリーグ戦を体験できたこと」ですね。

 

今の麻雀プロのリーグ戦では、配牌を取り出しでやっていますが、いつか自動配牌でやった方が良いんじゃないかという流れがくるかもしれません。

そのときに、想像ではなく、実際に自動配牌でのリーグ戦を経験した1人として意見できるようになったことが大きいと思っています。

 

ちなみに、自動配牌で尚且つスピーディーにやるリーグ戦は一長一短だと思います。終了時間はめちゃめちゃ早くできますが、じっくり対局の時間を噛みしめる感じではないので、効率性とのトレードオフとして、何だろう、言葉にはしにくい対局の凄みのようなものは失う感じはします。

 

とはいえ、早く終わるのもまぁ悪くはないので、気持ちとしてはちょっとアリだなとは思いました。

 

最高位戦の放送対局でも導入するかとなると、それは今の放送スタイルのままだと難しいかもしれません。

自動配牌になると前局の放銃の解説や、アガった人の手順を称える時間はほぼ無くなりますからね。

次局の序盤の解説を放棄すれば良いかもしれませんが、序盤から解説すべき局面というのもあると思います。

 

自動配牌を導入するのであれば、もしかすると、録画対局にするだとか、全員分の手牌を解説しないようなスタイルにするとか、何かしら放送対局のあり方を考え直す必要があるかもしれません。

 

いずれにせよ、そういったことを考える機会が得られたことが大きいですね。

 

 


-もしMリーガーに選ばれたらどういった麻雀を打ちたいですか。
 

正直、めちゃめちゃ視聴者を意識すると思います。

 

これコンテンツ事業ですからね。

 

視聴者が何を求めていて、神尾にどういった麻雀を期待するかを常に考えて、それに応えられるような麻雀を打つと思います。入場の仕方とかインタビューとかもめちゃめちゃ考えそうですね。

 

 

 

ただちょっと怖いのは、ファイナルの最終戦に卓についていても、(今視聴者はどんな盛り上がりをしているかな?)とか(この後の優勝インタビューで何話そうか?)とかばかり頭によぎってしまうかもしれません。

 

放送対局は何度か出ていますが、どうしても画面の向こう側を意識しすぎちゃうんですよね。このあたりはまだまだ経験不足なので、Mリーグを通して学んでいくと思います。
 

 

 

-最後に応援してくださる方へメッセージをお願いします。

いつも応援ありがとうございます。

 

ぶっちゃけ数年前にくらべて最近なぜか神尾がおとなしいなと感じているかもしれませんが、

 

大丈夫です、それにも理由があります。

 

まぁそのへんの話もしたいですが、長くなりそうなので、Mリーガーになってからでも話しましょうか

なんちゃってね^^

 

 

いやぁ楽しいなぁ。オーディション楽しかったなぁ。参加してめっちゃ良かったです。

 

最近は最高位戦第7世代の子達が注目されていると思いますが、たまには第6世代の神尾のことも思いだしてもらえると嬉しいです。

 

次は何しよっかなー。

 

 

ということで、今後ともよろしくお願いします。