■プログラムと「心得」いただく
この日は2月の定例会。A市教育委員会の会議傍聴は2度目となる。今回は午後2時の開議であった。その20分くらい前、事務局に赴き、傍聴希望を伝える。いつもの総務担当者が対応し、会議室前で待つようにとのこと。近年落成したゴージャスな市庁舎の中を3階の会議室に向う。
会議室前の廊下に置かれた割合良質な椅子に腰掛けて待つと、先の担当者が登場。「少し早いですが」と断り、入室を促す。開会10分前であった。後から委員長の許諾を得るとのこと。
会議室内のレイアウトは前回と変わりなし。窓際9席の傍聴席一番前に腰掛け、ここで例の申請書に記載。本日もまた‘貸切’で会議を傍聴する仕儀と相成りそうだ。理事者たちは続々と入室。委員も漸次登場する。5分前、委員長着席。担当者氏が歩み寄り、当方の傍聴申請書提示し裁可を仰ぐ。委員長、こちらに一瞥をくれ、「ああ、そうですか。はい、はい」。お定まりの手続きを経て、定刻会議。
直ちに開会宣言の後、「本日、日程の一部を秘密会としたい。異議なしや?」の委員長発議。採決が行なわれる。5名の委員、全員挙手。「全員挙手」と、事務局の総務担当者が声高らかに宣告。これで、決まり。配付された議事日程を見ると、後半の議題が人事関連で「秘密会」となる模様だ。
ところで、このA市は情報公開条例もこの時点ではなく(後に制定)、当方の要請には常に非協力的なのだが、どういうわけか、あのB県もなかなかくれないこの議事日程だけは、請わずとも気前よくくれる。おまけに、「傍聴者の心得」まで付録のようにその都度つけてくれる。当方、市の例規集(その自治体の条例や規則などを収録した文書)を読んで、傍聴者心得などとうに承知なのだが、せっかくのご厚志、有り難く頂戴しておく。
トップバッターは、例のごとく教育長。この間に消化した行政上の日程報告である。因みに、市の教育長は県と異なり、教育委員のうちの1名がこれを兼任している。その教育長報告は、10分に満たぬうちに終了。すかさず、委員長、各委員の質問を促すが発言者なし。
■自前の財布を持たない論議
さて、いよいよ平成7年度当初予算と平成6年度補正予算関連の議事に移る。現行法のもとでは、日本の教育委員会には予算案の提案権がない。ただ、首長(A市の場合は市長)が出したものについて意見表明ができるのみである。口さがない言い方をすれば、自分のもちがねがないからオヤジに生活費をねだっているようなものだ。
さあ、そこで、この日のメイン・イベントと思しき「予算」関連の議事だが、その市長から回ってきた予算案の教育関連予算に関する部分にどんな意見を求められたから、それにどう答えようかということを論ずるものだろう。
総務課長が議案説明に立つ。朗々と交渉する課長。10分も経過するころ、やにわに、委員長が口を開く。「総務課長、座って結構です」。直立して説明を続ける課長に、委員長がいたわりを見せた。それに従い着席後も、口頭説明は続く。およそ、20分を要した。
この後、委員たちからの質問となる。小学校で用いられている給食用食器に関することや、中学校における外国語教育に当たるネイティブの講師の確保、通学路指導に関すること、防災計画と関連しての余裕教室の活用法、婦人会館の利用、さらに不登校児童・生徒の問題等々、各委員から矢つぎ早に質問が発せられた。そして、理事者がこれに回答。
しかし、資料が手元にない傍聴者にはこの予算案のディテイルをこの場で把握することはできない。
《今回は、ここまで》