続いてペア編です。

ここ最近の日本ペア界の盛り上がりを象徴するような3組がまさに出場したと考えてます。



三浦璃来/木原龍一組

(SP1位:84.91、FS WD)


もはや言わずと知れたトップペアです。りくりゅう組を何回現地で見ても「1組明らかにスケートのスピードそのものが速いし、トップスピードになるまでも早い」という感想になります。アクセルラッソーリフトはスピード、回転速度、テイクオフとランディングの工夫のスムーズさはまさに3拍子揃っています。
そのトップスピードの中で演技をやるので、実は2人の中で腕で引っ張り合う力は我々の見えないところで大きく掛かっているかもしれません。今回は璃来ちゃんの肩の脱臼でFSは棄権ということになりました。目指している五輪での良い演技というのを考えると全日本で悪化させないという判断だったと思います。どうかお大事に。。


籠谷歩未/本田ルーカス剛史組
(SP3位:48.33、FS2位:85.14、総合2位:133.47)

ルーカスくんは2年前からペアを始め、籠谷さんは今季からペアに参戦というペアです。まだ回転数が少ない技が多いとは言え組んでから1年経過していないとは思えないです。
ペア技ならではのツイストリフト、デススパイラル、スロージャンプはまだ慣れていないなりに籠谷さんの思い切りの良さでペア技らしい形になっているように見えました。
そして何よりも既に3種類のリフトがある程度こなれているように見えるのが驚きです。リバースラッソーは降ろし方に不安にあるだけである程度勢いを保ったまま実施し、ハンド・トゥ・ハンドのグループ4リフトはリンクをいっぱいに使ってレベル4を獲得しました。
まさに3年前のゆなすみ組を見ているような気持ちになりました。


長岡柚奈/森口澄士
(SP2位:72.91、FS1位:142.39、総合1位:215.30)

SPではりくりゅう組の後に滑りましたが、滑りのスピードやスケールという点ではりくりゅう組に全然負けていないなと感じました。基本的にまだプログラムの中で常にスピードを保ち続けるというスタイルで複雑さという点ではまだ先に伸びしろがありそうという感じでもありますが、組んで3年目でここまで来ていることに驚いています。リフトのキャリーの距離という点では恐らく世界の各ペアの中でもトップ水準であると感じています。
さらに、9月にドミトリー・サヴィンチームに移籍してから、明らかにスロージャンプの大きさと幅が大きくなりました。ドミトリー・サヴィンチームと言えばハセヴォロやパヴスヴィという大きなスロージャンプを跳ぶ組が多く、ゆなすみ組にもこのノウハウが板に付いているのではと思います。
今回全日本ではFSで142点という高得点が出ましたが、同じ演技を国際大会で実施しても同じくらいの点数が出ると感じます。9月に五輪予選はギリギリで通過しましたが、最終的に五輪本選で入賞(8位以内)を狙うには十分すぎると思います。


総括

日本のペアは、組み立ての頃は元々シングル時代からの流れで難易度の高いソロジャンプが強みになる場合が多いですが、そこから次に得意になる技がリフトという傾向が非常に強いです。りくりゅう組のスピードと回転の切れ味が良いリフト、ゆなすみ組のとにかく猛スピードを推すリフトが見どころになっています。そしてあゆルカ組も早くも難しいリバースラッソーリフトやレベル要件をきっちり取ったグループ4リフトに挑んでいます。

ペアもまた拠点問題が残ってそうではありますが、次のミラノ五輪でりくりゅう組、ゆなすみ組の活躍が高く見込まれるのはもちろん、他の国のペアもまたレベルアップされており、大変に盛り上がることが予想されます。五輪そのものはもちろん、五輪後の盛り上がりがどうなるかというところがとても興味があります。