以前、今昔マップか何か古い地図を見ているときに見つけていた隧道がありました。
この地図のほぼ中央辺りの隧道なのですが…。
わかりやすいように隧道のところに色をつけてみました。西側坑口にカーソル合わせると現在の地図で丸いマークの辺りになるようです。
現道(静岡県道40号掛川天竜線)と少しずれた位置を旧道が通っていた可能性があり、いつかそのうち調べに行きたいと思っていた場所でした。
ただその”いつかそのうち”が長いこと訪れなかったわけですがw
そうなると隧道はこんな位置になり、西側は廃棄物処分場(?)施設の敷地内になる可能性が高く見に行けるとしたら東側だけだろうなと漠然と考えていたのですが
最近になってTwitterでこの隧道を見に行った方の写真を拝見し、これは是非行かなければと思いようやく重い腰が上がり探しに行くことにしました。
ここで新旧地図の等高線をちゃんと比較していれば…と思われた方も多いと思いますが、バカなのであとで気がつきましたw
県道40号から新東名遠州森町PAへ向かう道に入り、オレンジ矢印のように進んでみようと思い現地へ…。
で、この辺(静岡県周智郡森町一宮)から道を逸れて進んできて振り返った写真がこれですが、これだと上りすぎだし隧道はこんな高いところじゃないだろうと思い引き返します。(明るいところが車道)
というか、歩いて入り込めるところはあるのですがかつてそこに道があったようにはとても見えない地形な感じがする…。(^-^;
しばらくここで歩き回ったのですが、それっぽい感じのところがない。違うな。
ということで、車道に戻ります。
ここを歩き回ってる時に見つけたカルピスらしき空き缶ですが、記憶にないデザイン(単に覚えてないだけかもw)でいつ頃のものでしょう?
あ、でも私が子供の頃はカルピスって原液でしか売ってなかったような気もするのでカルピスウォーター初期くらいのものでしょうか?
そういえばTwitterに書いてあった内容を思い出すと「現道のコンクリ擁壁を隔てた…」みたいなことが書いてあったな…。
ということはもっと現道に近いところにあるんだろうと思い、一度現道(県道40号)に出てコンクリ擁壁を見ながら歩いていると、擁壁の途切れたところに道があったのでそこへ入ってみました。
ここから周囲を見回してみたのですが、隧道があるはずの旧道はこの道(山仕事の道?)とは垂直方向に延びているはずでそれっぽい道はありません。
この道はずっと奥へ繋がっているようだったので、どこかへ抜けられるのかとかちょっと気にはなりましたがそれは本来の目的から外れてしまうので県道に戻ることにします。
そして県道をさらに西へ進むと…。
!!
右側の斜めになっているところが擁壁なのですが(最初に見ていた擁壁より古そう)あのコンクリ積みのように見える部分は隧道のポータルなのでは?
そうなんです!
この隧道、てっきり私は現存しているにしても素掘りだと思ってたんです。まさかコンクリ隧道とはTwitter見るまで夢にも思ってなかったんです!
で、こちら側はここに見えている部分以外は埋まっているようなので、Twitterで見た写真はこちら(東側)ではなく西側を撮ったもののようです。
西側は最初の方に書いたように私有地だと思ってたのですが、実際には見に行ける場所にあるということになります。
というわけで、さらに県道を西へ向かいます。
そしてもうすぐ廃棄物処分場(?)の敷地に差し掛かろうという頃…。
あっ!
Twitterで見たのと同じっぽい隧道のポータルがありました!
ここ県道40号はお出かけするときにわりと頻繁に通る道なのですが、まさか現道から見えるような位置に廃隧道があったなんて…。
とはいえ、木も茂ってるし位置的にも車で通った場合は気づくのはかなり難しいんじゃないかと思いますが。
というわけで、登ってきました。
Twitterを見なかったら最初に入り込んだところを彷徨っただけで「残ってない」と結論づけてたと思うので本当に良かったです。
現道との位置関係はこんな感じ。
こんな廃隧道がつい最近までほとんど知られずにいたのが不思議かも。
目線を右に向けると何かのロープが残ってるのと、境界杭?
杭の内容はズームで撮ろうとしたけど何故かうまくいかなくて何が書いてあったか不明です。
ロープは…管理用かな?
今回、私は行かなかったのですが、隧道の上部が崩れてて上から覗き込める?ような箇所があるようです。
お気づきだったかもしれませんが、この隧道ちょっと開口してるんですよね。
しかも微妙に入れそうなくらいに。出れなくなったら困ると思って入ってないのですが。
そしてこの扁額、まさか扁額のあるような隧道なんて思ってもいなかったのでそれに関しては普通に嬉しい点ですが、困ったことに
そこに刻まれていたはずの文字が読めません。
左の2文字は「道」と「隧」でしょう。左から2番目はすごく「隧」っぽいし。
ただし右側2文字がわからない…現地でしばらく見つめていたけどわからない…。
この辺りの地名「一宮」か「円田」が隧道名の有力候補になりそうですが、どちらもなんか違うような気がするし、今昔マップで周辺に書かれた地名を見てもこの文字のシルエットとピンとくるのがイマイチなさそうで…。
岩谷隧道などのように小字を隧道名につけている所はけっこうあるのでもしかしたら小字かもということで一宮と円田の小字です(角川日本地名大辞典より)でも隧道の扁額があの状態ですと厳しそうですので図書館とかで調べるのがいいのかなぁ…? pic.twitter.com/HAJcVHhxix
— もやひ🚸 (@zuido_3) November 23, 2023
一宮または円田の小字一覧を教えていただいたのですが…なんともいえないですね。(すみません他力本願で)
確実に名前を付けられた隧道なのは間違いないだけに歯がゆいです。
で、少しの開口部から中を覗いてみました。
向こう側の光とかは見えません。埋められてるんでしょうね。
中はひんやりしていますが、夏はここまで来る気にならないです。(笑)
だいたい土で埋めようとしてますが、隙間があるのである程度は中に入って進めそうな感じもしました。
いやでもホントに改めて、こんな廃隧道がほぼノーマークで残ってたとはビックリです。
廃棄物処分場(?)の方は位置的に何度も目にしていたかもしれませんが。
最後に記念撮影。(^^)v
またひとつ地元(なのかな?)で知らなかった隧道を訪問できたのは嬉しかったです。
※2024年4月18日追記
この隧道の名前が高確率で「粟倉隧道」であると判明しました。