ブラックジャックにヨロピコ | ぶっ飛び沖縄‼︎

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突然沖縄に引っ越してきました。
楽しいこと、不思議なこと大好きです。


後になってから
思い出すことがある。

当時の勘解由 ( かげゆ ) さんは
作家 山崎豊子氏の真骨頂と言われた
「 白い巨塔 」の主人公
財前五郎のようなエリートを
彷彿とさせた。

一族が医者の家系で
灘高から東大医学部へ進み
金持ちのボンボンだった
スポーツ万能の秀才は
穏やかな自信家。

真人 ( まひと )さんチの
爺やさんから聞いたイメージは
そんな感じだ。

医者になる志を持つ
貧しい家庭の書生たちを
先祖代々、衣食住のみならず
生活や学業全般において
不自由な思いをしないように
離れの広い屋敷に住まわせて面倒をみていた
真人さんの実家は
勘解由さんが執事に収まるのを
歓迎したらしい。

まぁ、無一文になり
不彌也さんに助けられた
没落貴族の末裔の士恩さんと比べると
真逆の育ちだけど
2人はウマが合った。

真人さんの押しかけ執事の勘解由さんは
大学時代にラグビーで鍛え上げた
頑丈な体を持つ元外科医。
子どもの頃のドイツ留学の経験もあって
ドイツ語がペラペラだったからか
執事2人は仲が良かった。


士恩さんは骨格が前から見たら
コンパクトなんだけど
横から見たらば🦀厚みがある。
つまり立体的なのね。
勘解由さんは、どこを切っても金太郎
みたいな丸太のような感じで
私の軍配は言わずとも知れている。
骨格も違うけれど
筋肉の付き方がまったく違うのよ。

元外科医だけに指先が器用で
五感を養う趣味の1つは料理。
パエリア🥘うっまぁ〜い😋
メスを使う指の運動のために始めた
繊細なレース編みは
クロウト裸足の素晴らしい作品ばかり。
ラグビーとレース編みが
どうやって繋がるのか
私には分からないけれど💧

レース編みの網に
ラグビーボール🏈が
引っかかっているのを
イメージするしか出来ない。

不彌也さんチの花瓶の下に敷いてある
勘解由さんの力作であるという
見事なレース編みを褒めていた。
繊細さがスワトウ刺繍みたい!って✨
ちょっとだけトンチンカンだけどさ。
すると、教えてあげると
勘解由さんが言う。

もとより
そんなレース編みなど
面倒くさいのは大嫌いだから
避けるために屁理屈をこねながら
調子こいてペラペラ喋っていると
こちらのレディのオクチを
縫って下さいますか?と
士恩さんが勘解由さんに言う。

怖いにゃ🐈
目くばせが💧切り刻まれそう。
士恩さんのサーベルと
勘解由さんのメスで。
どうせなら足の裏の魚の目を取って!
ついでにカカトの角質も
お願いしますぅ✨
と、返したら
クチの減らないレディですね
と、苦笑いしていた。

クチが減らないから面白い🤣と
不彌也さんからの
お墨付きだったんだけど?


勘解由さんは
循環器系の外科医。

若きドクターは
ある日、搬送された患者を見て驚いた。
知り合いの実業家は
自分のセスナの操縦を誤って
墜落してしまったらしい。

奇跡的に一命を取り留めたとはいえ
全身に及ぶ骨折に加え
臓器の損傷があった。
頚椎と脊椎に負った骨折により
全身の麻痺、呼吸さえ自発呼吸が出来ず
気管切開したために喋れない
動くのは、まばたきだけ。

一生このままだろう
と、勘解由さんは
直感した。

で、しばらくした時
病室から笑い声が響いた。
実業家の声は甲高いから
気管切開を閉じたとは言え
いくらなんでも大き過ぎる声に
おや?と思って
個室のドアを開いた。

そこには
あり得ない光景があった。
見舞客へ普通に話しかけ
ニコニコしている実業家と
何回か見かけたことのある
見舞客の美少年が
微笑しながらうなづいていた。

それから一か月後
見違えるような姿をし
堂々と自分の足で歩いて退院する
実業家を見送る
主治医の勘解由さんがいた。

医療機器や医療知識や技術
そんなものが役に立たない。
自分は、いったい
何を知ったつもりに
なっていたのか。

正直言って
勘解由さんは落ち込んでいた。
自分の学んだ知識が
まったく役に立たない。
あの、美少年の持つチカラのことを
退院するまで話していた実業家の話は
看護師の誰一人として
口にしていなかった。

頸椎や脊椎の骨折の跡が
見当たらないレントゲン写真。
経過して行く様子があるはずなのに
ある日突然に直っている。
そう、初めてあの美少年が
訪れた日を境に
実業家の状態は加速的に
完治へ向かって動き出したのだ。

軽い鬱になるほど
勘解由さんは悩んだ。
生まれて初めての挫折を
味わっていた。

医者は専門分野があるけれど
そんな理屈など関係なく
あの美少年は治してしまう。

その悩みがキッカケとなり
実業家を通じて
真人さんと会うことで
勘解由さんの人生は
誰にも止められないほどに
その様相を変えて行く。

ご多分に漏れず
勘解由さんもマンガの
ブラックジャックが大好きで
読んでいたらしい。
医師免許を持つ手塚治虫氏が書いた
超有名なマンガには
東大医学部の学生から
ウソを描くな、という抗議が
入ったことがある。

それに対し手塚治虫は
東大生ともあろう者が
漫画にウソがある事も知らんのか?
と、答えたらしい。

ブラックジャックには
作者自身の創作がある。
無茶な手術の描写もあるし
あり得ない状況下での
信じられないストーリー展開もある。

勘解由さんの目の前で
起きた奇跡は
まさに、ブラックジャックという
創作の漫画に登場する
創作された描写そのもの。
いや、それ以上だったという。

真人さまは
病名など聞きません。
よほどのことが無い限り
依頼人の体を触ることなく
ただ対峙するだけです。

何もしません。
ただ、奇跡が起こる
それだけなのです。


不彌也さんと士恩さんは
カインとアベルの兄弟みたいな
あるいはライバルみたいな
主従関係を超えた
絶ち難い宿縁が見て取れる。

フェンシング、チェスは
主従関係なく真剣勝負だし
乗馬も最初のうちは優雅に
パカパカ走っていても
いつのまにか競走してるし。
不彌也さんの望んだ通りだったのだろう。

そんな2人とは違って
真人さんと勘解由さんは
穏やかな一日を
温室に咲く薔薇を愛ながら
アフタヌーンティーを楽しむ
そんな感じだった。

兄弟と姉妹の違い
そんな感じ。
私には弟だけで
姉妹となると感覚的に
イマイチ分からないけれども。

静留もソフィーも
一人っ子だけれと
私たちも姉妹みたいな感覚とは
ちょっと違う。

好きなことや好きなものは
真逆なくらい違うし
共通の好みというと
楽ちんな島ぞうりくらい。

静留はピンク系一択。
ソフィーはベージュやサンド、グレージュなど
アースカラー系のナチュラルカラー。
私は、ゴールドやシルバーの
ビジューが付いたブラック系。

つまり。
玄関のポーチに
とっ散らかった島ぞうりを
間違えることは無いのさ。


ブラックジャックのような

1匹オオカミタイプではなく

医療界に隠然とある学閥の

寵児だった勘解由さん。


財産、名誉、出世、
金持ちで美人の婚約者など
おおよそ世の中の男が
ノドから手が出るほど欲しがるものを
アッサリ捨てて
真人さんの側にいることを
選んだんだよね。

パーマクリスト。
キリストの御手 ( みて ) 
と呼ばれる薬草類は
昔から世界中に見られる。

もしかしたら
勘解由さんは
真人 ( まひと ) さんの中に
キリストをみたのだろうか。