みた“私”への感想 (大滝菜々美) | 劇潜サブマリンBLOG

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毎度ディープブルーな作品づくりをしております。
我々と一緒に心の深海に潜りましょう。素潜りで。



お洒落をしてメイクをきちんとして…
数回しか来たことない原宿へ。

おぼろげな記憶の道を、さも慣れたような足取りで歩く。
案の定道を間違えたものの、そんな素振りは絶対みせず、合ってるかのように歩く。


劇場に着いたものの、ここで合っているか自信がない。
それを悟られないよう、周りを探る。
「(ここだ…)」
小さく安堵。

ワンドリンクだったので、飲み物を頼もうにも飲めそうなのがミネラルウォータのみ。
しかしとっさに昔断念したジンジャエールを頼む。
やっぱり無理だった。
それさえも悟られないようにイッキ飲み。


観劇後。


ものすごく、得体の知れない恐怖が背中にまとわりついた。
人の顔をみれないような、誰とも話したくないような想いに押し出されて、劇場の外へそそくさと出る。

外には素敵な公演をしてくれた役者の方々がお見送りをしてくれていた。
顔をそれぞれみていきたい思いもありながら、それでも黒いもやもやに押し出されて止まらない足。

角を曲がり見上げたら、
うらじぬのさんがホットサンドを持って立っていた。
あっ…!とお互いなったものの、何度か小さな会釈をして逃げるように去る。

この道で合っているのかも若干分からないまま、ただ目の前しか見ずに歩き続ける。

ふと、今いる場所は知らない土地だと…知ってるフリで隠してた自分が顔を出す。奥に隠れてた自分の感情が急に津波のように流れてくる。

より怖くなった。
朝の…観劇前の私の心の状態と、表に現す状態のちぐはぐさを思い出させた。


初めて、
作品への感想じゃなく、作品をみた私への感想を抱いた…そうさせた作品。

もう…怖かった。
フィルター越しでも、舞台と客席でもなく、あの3人の旅行に、私もあの中に、確実にいた…気がした。
そんな作品だった。


あー怖い。せんすい、、。