週末の朝。
外は晴天に恵まれ、最高にいい天気。
いつもより遅く起きた朝。
日課となっているピグライフとピグカフェをいじった後に
部屋中に散らばっているDVDを片付ける。

その中の1枚を鑑賞。

『くりぃむレモン』
主演:村石千春、水橋研二
監督:山下敦弘
製作:日本、2004年製作。

原作は1984年に製作されたアダルトアニメ『くりいむレモンパート1 媚・妹・Baby』。
美少女「野々村亜美」を主人公とした、血の繋がらない義兄との恋と禁断の交わりを描いた作品。

【内容】
野々村亜美(村石千春)は、高校に通う17歳。
持病の喘息のため学校を早退した彼女は、2歳年上の兄・ヒロシ(水橋研二)が、
大学にも行かずベッドにもぐりこんだままなのに呆れる。

共に再婚した両親の連れ子であった二人。
血のつながっていない兄妹の間には、誰も知らない、
お互いにも打ち明けられない感情が芽生えていた。

ある日、海外出張で留守中の両親に代わり、ヒロシが亜美の進路相談に出席する。
担任教師・佐々木(小沢和義)の乱暴な態度に、怒りを表したヒロシ。
亜美はそんな兄の思いを嬉しく受けとめつつ、
友人の由美(勝俣幸子)に男っ気がないことをからかわれる。

そんなある日、風邪で発熱した亜美。
付きっきりで看病するヒロシだが、亜美の回復を待たずに彼も高熱で寝込んでしまう。
毛布を羽織ったヒロシは、息を切らしながら亜美のベッドに歩み寄った。
亜美の手がヒロシに伸びて、二人は抱き合い、キスをする。
そしてそのまま、初めての肉体関係を持ってしまう・・・
(オフィシャルサイトより引用)

【感想】
多分、失恋後とかに退廃的な恋愛モノを見まくってた時に入手したDVDらしい。
原作はよく知りません。
なんか80年代当時の規制がまだ未完成であった頃のカオスの匂いがする作品。
宮崎勉とかあの辺の雰囲気がして、僕はこういうロリータアニメが嫌いだ。
そもそも「幼い少女」を恋愛や性の対象にする人間の感覚が僕には理解できない。
まあ、現実の人間に手を出すよりは、アニメに興味を持ってる分まだマシだが。

で、本題の劇場版の方だが、
なんというか、内容は典型的なAVのシナリオ。
兄と妹という禁断の愛(関係)をテーマにしており、
人間の奥底にある「禁忌を犯すことへの潜在的欲望」を煽る内容。
特別、抑揚のあるストーリー展開はなく、
どことなく、若い頃に抱いていた、青春的な性への衝動を思い起こさせるような
ノスタルジックな内容。8年前の作品とは思えない雰囲気がある。

そういった意味で、作品の物語性には何の魅力もない。
映像的雰囲気は、昔の邦画特有の・・・
うまく言葉では表現できないけど、淡々と進む展開や粗い映像、ノスタルジックな雰囲気が僕的に好み。
最も魅力的なのはキャスト。
主人公亜美の少女を演じる「村石千春」が、衝撃的にかわいい。
これは好みかもしれないが、彼女の派手過ぎない「美しさ」が最高に素敵だ。
 


※村石千春(むらいし ちはる)のプロフィール
 生年月日:1984年1月31日
 血液型:A型
 サイズ:T159、B85、W58、H85

それに加え、ヒロシを演じる水橋研二もいい。
男前過ぎず、背も高すぎない。飄々とした雰囲気で、正直カッコよくない。
個性が薄い分、感情移入というか自分を投影しやすい。

結果、映画の世界に入り込みやすい。

というか、僕は原作を知らないため、
「くりぃむレモン」の世界観に特に思い入れがある訳でもないし、
アダルトアニメに対する共感もないため、
純粋にこの作品に当たることができました。

結果、僕にはこの作品は禁断の愛云々よりも
純粋に「村石千春」を鑑賞する意味で作品を観てしまった。

作品の内容自体には何の意味もない。
兄と妹(血はつながっていない)が恋におち、関係を持つ。
親にそれがバれ、どうしようもなくなり、逃げる。
その先には何もない。
それがすべて。
ゆえに、すべては
「好きな女性が妹で、同じ屋根の下で暮らしている。
 妹も自分が好きで、両親が留守の間、二人きりになれる。
 まるで新婚さんみたいじゃん」
というシチュエーションのみに、魅力が凝縮されていると言っていい。

こんなものは中学生の願望を具現化したに過ぎない。AVのネタだ。

僕が観たいのはSEXではない。
僕が求めているのは感情のもつれ合いだ。
「好き」だけど素直に想いを伝えられない。
でも「想い」を伝えたい。
そして二人には兄と妹という「壁」がある。

そんな不器用な、うまくいかない恋愛を僕は見たいのだ。

その点では、この作品は、前半部分にこそそういった意識しあう
二人という描写が描かれているものの、
二人が肉体関係を結ぶまでの展開が早すぎる。
そしてそのあとはただSEXに溺れるだけで、何も面白くない。

そう。
愛し合うものが体を重ねることは、そこに障壁があればあるほど
欲情を掻き立てるものだ。

世の中に浮気や、不倫。未成年との性交渉、
婚前交渉における生のセックスがいつまでもなくならないのは
そこに理由がある。

僕も、知らなかったとはいえ、恋人がいる女性と関係を持ったことがある。

でも、そこには必ず地獄の苦しみがある。

少なくても僕はそうだった。
その関係の背後にある傷つくであろう人たちへの罪悪感。
そして、不安定な関係に対して抱く不安。
未来なき関係への絶望。

劇中でも、少女側の視点でそれは描かれる。

その苦しみがあるからこそ、
目に見える、今感じるそのセックスの快楽が
唯一の蜘蛛の糸に感じるのだ。
例え、それが天国ではなく、地獄につながっている糸でもだ。

僕がこの映画に望むものは、何だったのだろうか。

僕はもっと二人の恋愛までに至らない「恋の感情」を描いてほしかった。
たとえば、物理的にも、距離的にも、感覚的にも共通のものを持ちたいという感覚。
そして、やきもち。
また、決してストレートには表現できないけど、
相手への好意を連想させたり、印象付けたりするような、
探るような言葉の交わしあいだとか。

そんな些細な言動の積み重ねが、
二人の想いがきっと一つなんだろうなってことが、
決して口には出さないけど、本当は二人とも知っているって喜び。
また、一方では、決して近づけない、
たとえば、恋人であればキスするであろう絶妙なシチュエーションでさえも
どこか理性が働いて、
顔をすごく近づけるんだけど、唇が触れそうになるんだけど
キスはしないみたいな状況。
そんなことへの苦しみ。

そういう感情的描写を中心に描いてほしかった。

【評価】
5点/10点







【オフィシャルサイト】
http://www.amg-films.jp/cream/

くりいむレモン スペシャルエディション [DVD]/村石千春,水橋研二,根岸季衣
¥4,935
Amazon.co.jp

怖い話に「よく考えると怖い話」というジャンルがある。

「ウミガメのスープ」に代表される、オチを明確に記さず、
ぼかした伏線やフリと、
思わせぶりなオチで、
ハッキリと怖い描写をせずして、読者の想像力をもって完結させようという
手法である。

ネット上では、
「ウミガメのスープ」という物語が独り歩きされ、
謎解きのような話が乱発し、
「想像力を掻き立て恐怖を煽る」という本来の目的から逸脱し、
謎解き合戦に陥ってしまっていたが・・・

僕はこの手の話は好きである。

ところで、先ほどある洋画のタイトルを調べたくて
「娘が」とgoogleで入力したところ、勝手に下記の文章が全文表示された。

> 娘が鏡で遊んでいた。
> 娘が右手を振ると鏡の中に映った娘が同じように手を振るのが見え
> ほほえましかった。
> しかししばらく見ていると私は異変に気づき、すぐに鏡を処分した
(原文ママ)

「娘と鏡」という話である。

解説すると、
娘が鏡の前にいた。
主人公である父親に気づき、娘が父親に向かって手を振った。
すると、本来であれば鏡には娘の後ろ姿が映るはずなのに、
鏡に映っている娘も、主人公に向けて同じように手を振っている。
それに気づいた主人公は、鏡に恐怖を覚え、鏡を捨てようとしたのである。


検索していると、誰かのブログで
この話のどこが怖いのかという議論になっていた。

議論の主旨は、
鏡に映っている娘が手を振ったら、同じように鏡の中の娘も手を振るのは当たり前。
なのになんで不思議・怖い話なのか。

それに対して、鏡の中の映像は反転しているから、
娘が右手を振ったなら、鏡の中の娘は向かって左手を振っているはずなのに、
同じように右手を振っていたらおかしいではないか。

という議論。

作者の主旨、意向をまったく把握できていない。

かといって彼らがバカな訳ではない。

それもそうである。

本文を見ると、
娘は誰に手を振っているのかきちんと記されていないのである。
なので、娘が鏡の中の自分に対して手を振っているとも解釈できる。

であれば
現実の娘が右手を振っていれば、鏡の中の映像は左側の手を振っていなくてはならない。

でもこれは厳密にいうと、最初の疑問・反論にきちんと答えてはいない。

なぜなら本文では鏡の映像がどちらの手を振ったとは一切書かれていない。

娘が手を振ったら、
鏡の中の映像も同じように手を振ったと書いてあるだけである。

つまり、
鏡に映ったまま同じような動きを反転して投影した、という現象を、
同じように手を振った、と表現しているとも受け取れるのである。


つまりは、
本文が、不完全な文章なのだ。

この場合、

> 娘が鏡で遊んでいた。
> 娘は私に気づき、私に向けて手を振った。
> すると、鏡の中に映った娘も同じように手を振るのが見え
> ほほえましかった。
> しかししばらく見ていると私は異変に気づき、すぐに鏡を処分した

と、修正するだけで意味が通る。
かつ、直接的な説明も書いていないため、肝心な部分はぼやかすことができる。

このように文章を作るものは、一度読み手になってみて
推敲することが重要なのである。

今日は久々に普通の日記。

紳士服店の『TAKA-Q』からDMが届きました。
オーダースーツをキャンペーンで値下げするそうです。

基本的に僕は『洋服の青山』でいわゆる「つるし」のスーツを買います。
会員なので、半額サービスの時に商品券やらポイントを併用で、
3万円強くらいになります。

ちなみに「つるし」とは既製品、大量生産品のことです。
普通に紳士服店に行くと、ハンガーにかかって並んでいるやつのことです。
てか、よっぽどお洒落さんか金持ち、尋常離れした体系じゃない限り、
普通は「つるし」を購入しますよね。

ただ「つるし」は、数が限られているので、
必ずしも自分の体系に合うものがあるとは限りません。
ありがちな話ですが、サイズが同じでも、ブランドによって全然作りは違います。
僕はぴっちりが嫌いなので、できるだけゆるめを選びます。

そのため、既製品だと大きいサイズほど、丈も長くなるので、
若者が着るようなスマートなジャケットがほとんどないわけで。

てな訳で、今回初めてのオーダースーツに挑戦してみることにしました。

最初はDMにあったウォッシャブル生地での39,900円のものを選ぼうと思ったのですが、
なかなかお気に入りの生地がなく、断念。
僕は生地の良し悪しがあまり分からないため、好みで選びます。

テカテカやテラテラは嫌いなので、
どちらかというとフェルトっぽい表面が荒目のウール素材を選びます。

明るいグレーのちょうどいい生地を見つけたのですが、
それは7万円台の生地。

DMによるとこの生地だと55,000円まで値下げしてくれるようです。

予算オーバーです。

カードでの分割支払いがOKだとのことなので、
思い切って、ツーパンツにしてみました。

結果、値下げやらオプションやら含め、
75,000円くらいになってしまいました。

むむむ、覚悟はしていましたが普段の2倍の購入価格だ。

でも、なかなか2パンツで明るめのグレーの大きいサイズのものは見つけにくいので、
ま、こんなもんでしょう。

意外だったのが、
オーダーといっても『TAKA-Q』のは「スタイルオーダー」ってやつで、
本当のオーダーメイドではなくて、
「つるし」のベースを加工して作るみたいです。
ぶっちゃけ、「つるし」を直すのとそんな違いがないような気がする・・・
だったら青山で根気よくお気に入りを探したほうがよかったかな。
7万もかけるかいあるかな・・・

とかちょっと後悔なんかしながらも
とりあえずすべては出来上がり次第ですな。
ま、3つボタンスーツで、あの生地のスーツを探すほうが大変か。

なんか、こういう風にいろいろ試してみると、
完璧なオーダーでスーツを1着作ってみたい気になりますな。
型紙から。