本当に大好きな曲で、もう30年ほどずっと聴き続けている。やっぱり、ゼルキンのこの演奏が、なんと言っても好きだ。
この曲を聴くと、いろんな気持ちがあふれ出る。苦しんでいる人を思いやりながら、結局は、何もできない無力感。そんな心の底の苦しみ。
しかし、このとてつもなく素晴らしい音楽を、言葉で表現しようとすることは、無理がある。ただ言えることは、ピアノの一つ一つの音色が本当に完成されていて、素晴らしいということだ。
音楽とは関係のない話。
最近は、とんでもないひどいことが、続いた。そのせいかわからないが、ゴールデンウィークの途中で、突然、右耳に何かがつまったような感じになった。すぐに直るだろうと思っていたのだが、結局、2、3日たっても直らなかった。それで、連休明けに耳鼻科に行ったのだが、突発性難聴だと言われた。お医者さんは、まあストレスだろう、ということだった。
それで、薬をもらって過ごしていたのだが、耳は相変わらず、つまった感じのままで、低音が聞こえなかった。
その後、先々週の月曜日に急にめまいがした。スポーツクラブに行っていたのだが、これは普通じゃないと思って、ジムに行ってすぐに家に引き返し、家で一時間ぐらい横になっていた。
軽いめまいは何度も経験したことがあったが、今回のめまいは明らかに変だった。平衡感覚がおかしくて、お酒を飲んでくらくらするというような感覚が、ずっと続いていた。
これは、まずいだろうということで、一時間ぐらい横になっていたのだが、こんどは急に吐き気がして止まらなくなった。結局、10回ぐらいは吐いた。そして、まったく動けなくなったので、迷った末に救急車を呼んだ。救急車はすぐに来た。救急隊員の方が来たとき、うつ伏せになってじっと倒れこんでいたのだが、救急車の担架に乗ろうとして、ちょっとでも動こうとする吐いてしまって、呼吸ができなくなり、どうしても救急車に乗れなかった。結局、救急車が到着してから、10分ぐらいかかって、やっと担架に乗って、病院まで行った。
病院はすぐ近くなのだが、車に揺られて運ばれている途中も、吐き気と呼吸ができなくて、お腹が痛いのとで、本当に苦しくてたまらなかった。
途中、もうこのまま死ぬのかもしれないとなんとなく思った。「ああ、人生って、本当にあっけなく終わってしまうんだな」と思った。
病院に着いて、夜中の間、点滴をして、次の日の朝にはだいぶ、体調は回復した。それで、月曜日の夕方に入院して、水曜日のお昼ぐらいには退院した。
他にも、いろいろと今回のことで書きたいことはあるのだが、まあ、今日はこれぐらいにしておく。
体調が少し良くなってから、病室のベッドの上で、ドストエフスキーの「白痴」を読んでいた。
例の、死刑囚が死刑の直前になって、死刑が取りやめになったことを知るくだりを、読んだのだが、なんだか、ちょっぴり、自分も、その気分がわかった気がした。