もうけっこういい年齢なのだが、生まれて初めて、愛媛県に行ってきた。
道後温泉に行き、それから、松山市の県庁と松山城のあたりの、有名な洋館とそこに併設されている漱石喫茶店とかいうところにも行って、コーヒーを一杯、飲んできた。
それで、家に帰ってから、「坊ちゃん」を読み直してみた。
意図しなかったことだが、夏目漱石がぐっと身近に感じられるようになった旅行だった。
小説、坊ちゃんについてだが、細かい内容はいいとして、清という下女が話に出てくるのだが、この清についての、坊ちゃんの話は、いつも心を打たれる。そして、涙が出る。
例えば、
「母が死んでから清はいよよいおれをかわいがった。時々は子供心になぜあんなにかわいがるのか不審に思った。つまらない、よせばいいのにと思った。(以下続く)」
というふうに、愛情に恵まれなかった子どもが、自分を愛してくれている人を見つけて、本当に、その人を思っている、そんな気持ちがとても心を打って、どうにも涙を流さずにはいられない気持ちになるのだ。
小説、坊ちゃんの一番、いいところは、この清と坊ちゃんの、関わりなんじゃないかなと個人的には思っている。
