『風立ちぬ』堀辰雄 | ジョリのブログ

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 最近は、アマゾンのaudibleで、フィリップ・K・ディックばかり聞いていて、まるで村上春樹の初期の小説を聞いているような気分だったのだが、山本周五郎も聞いたりして、それは、それで感動して、涙なんか流したりもしたのだけれども、ふと、堀辰雄の「風立ちぬ」を聞いたら、やけに感動した。

 自分の大好きな福永武彦は、堀辰雄の大ファンだったことを思い出した。「風立ちぬ」を聞いていると、なんだか、とても心地が良かったのだ。

 

 まあ、それは、なぜだろうかとふと考えたら、堀辰雄の描く世界は、現代の現実の日常生活で味わうような、理不尽さや、ばかばかしさや、ひどい扱いといったようなものを排除した、とてもきれいで美しい、ちょっと嫌味な言い方をすれば、上澄みだけの、美しくて、純粋で、悲しく切ない、そんな、夢物語のような世界を描いているからだと思った。

 

 まあ、小説の中だけでも、こういう世界があってもいいと思った。たまには、こういう世界に逃避しなければ、実際、生きていけない気がする。