最近、一番よく聴いていたのは、ポリーニの弾く、シューベルト「さすらい人幻想曲」で、あんまり聴きすぎたせいで、気がつくといつも頭の中でこの曲が流れてしまって、さすがに聴くのをやめた。
シューベルトのピアノ・ソナタ21番の非常に美しい旋律に比べると、この曲はじゃかじゃかとしたとっつきにくい曲で、好きになるまで10年ぐらいかかった。
6分ちょっとぐらいから第2楽章だけれども、そこがいい。ベートーヴェンとはまた違った、諦念がよく表現されている。第4楽章は不安感とか焦りを表現している。頭の中を流れているのは、4楽章が多い。たぶん、今の自分の気持ちを、かなり的確に表現しているんだろう。
自分の人生は失敗の積み重ねで、恥ずかしさや後悔でいっぱいだ。そんな人生をきっぱりと受け入れ、そして、それを全部クリアにして、今からできる最善のことは何かを考え、行動したほうがいいだろう。
最近、ときどき両親にすまなかったなと思ったりする。40を過ぎた男が両親にすまなかったなんて思うのは、なんだか変だ。
ぼんやりとだが、たくさん迷惑をかけたなという気がする。迷惑をかけておきながら、つまらない人間にしかなれなかった、という気もしてくる。
そして、そんなことを考えていると、涙を流してすみませんと謝りたい気がしてくるが、そんな大げさなことはちょっとできない。