世の中で、一番、美しい音楽は何か?と訊かれたら、ショパンのノクターンと答えるかもしれない。
ここ3年間ぐらいは、ほとんどノクターンを聴いていなかったが、それでもショパンのノクターンに対する畏敬の念は変わらない。奇跡的な音楽だと思う。
クラシックが好きになったきっかけはショパンだったので、ショパンのCDはけっこうそろえた。コルトー、ルービンシュタイン、リパッティ、サンソン・フランソワ、ポリーニ、マルタ・アルゲリッチ等々。録音の数はあまり多くないが、リヒテルなんかもいい。
ポリーニの演奏は、ショパン、ベートーヴェン、シューベルトと何でも好きだが、ショパンのノクターンだけはサンソン・フランソワの方がいいと思う。実際、ノクターンを好きになったのもフランソワのCDだった。フランソワのノクターンは素晴らしい。
ノクターンの中でも13番が好きだった。まだ自分が若かった頃、家族が続けて死んでいった。その頃は、本当に心がまいってしまっていて、いろんなことがうまくいかなかった。そんな頃に、ノクターンを繰り返し聴いていた。昔は、一番、心にしっくりくる曲だった。
あまりにも聴きすぎてしまったので、今はそれほど聴こうとは思わないが、それでもたまに聴くと胸の奥につかえた哀しみとかが、一気に吐き出てくるような感じになる。