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ヒットを設計する

どうも、木部です。

先日TVを見ていたら亀田誠治さんがJ-POPの音楽理論を説明する番組をやっていたのが大変面白かったのでその話をちょっとしたいと思います。

番組は、ヒット曲がヒットした理由を音楽の構造や技術から紐解いてみるというような趣旨で、私がたまたま見た回は、純情の愛をテーマにしてヒットした曲の数々が同じコード進行を持っているという内容でした。

番組の流れとしてまずそのコード進行を出演者のピアニストが弾いてくれるのですが、カシオトーンよろしくプリセットの定番「カノン」のコード進行だとすぐにわかります。

コードで書くと
「C~G/B~Am~Em/G~F~C/E~Dm~G」。
ルートがドシラソファミレ…と下がっているこの進行を順次進行と言うそうですが、
さらに番組では、この順次進行を使っている曲にどんなのがあるのかを紹介します。

宇多田ヒカル/First Love(サビ冒頭)
山下達郎/クリスマスイヴ(Aメロ冒頭部分)
大事なこと/大事マンブラザーズ(Aメロ冒頭部分)
スピッツ/チェリー(Aメロ冒頭部分)
大塚愛/さくらんぼ(サビ冒頭)

などなど、ざっくざっくと例が出てきます。

ポップスのコード進行には幾つかのお決まりがあるため、
音楽をやっている人ならばコード進行が全く同じ曲がいくつもあるというのは、
当たり前の話なので驚くほどのことではありません。
しかしこの例のコード進行の特徴をひとまとめに「愛の純情コード」とひとくくりにし、歌詞と音楽理論の関係性をサラッとプレゼンする氏の姿は説得力がありました。
そして何よりもこの番組がもうすでにシーズン2で、そしてまだまだこの手の話が番組にできるほどたくさんにあるというところに優秀なJ-POPのプロデューサーである所以を知ってしまったような気がしました。

私が氏の話から真っ先に思い出したのは、日本でも大ヒットしたSweetbox/Everything is Gonna Be Alright。まさにカノンをまんまサンプルした楽曲でしたが、上記の話も踏まえるとヒットしたその理由は、「耳馴染みの良いクラシックをサンプルしたから」だけではなく、「そもそもこのコード進行はポップスの定石であるから」という別の要素もあったのでしょう。

こうゆう理屈を後付けじゃなく作る前から設計する能力あってこその一流の音楽プロデューサーです。

私の勝手な印象かもしれませんが、音楽のこのような話に一般の人は「え、じゃあパクリじゃん!?」とか「なんか商品っぽい?」と嫌悪感を抱き、どちらかというと音楽には、天から降ってきた的な唯一無二の独創的な作品を期待しているように思えます。しかし、どんなに新しい作品も過去の別の作品の上にできており、そのような考え方はナンセンスだと思います。ただその事実に気がつくには知識や教養が必要なので見えにくいのかもしれません。

ハリウッドのアニメ映画などは作品やストーリーの中に、社会行動学や行動経済学などを組み合わせた超高度なマーケティング手法や、過去の映画からの引用が組み込まれているのは有名な話です。私は、エンターテインメント作品として、このような技術が作品の品質を担保しうると思っており、音楽にもそういったテクニックが非常に重要だと思います。

しかし、やっぱりそれがあまりにも見え見えで、作品として本来求められているような芸術性や物語の良さが見えづらくなってしまっている商業的な作品が今は多すぎると思います。
もちろんその中には素晴らしい作品が人知れず埋もれているので、目と耳が超えている皆様には是非音楽や映画をよく探して世界と共有して欲しいと願っております。笑

木部

食欲・音楽欲

皆さんお元気ですか?

スタイリズム森中です。

先日、最近食欲が増しているという事を少し書きましたが、5日ほど前に食中毒になってしまいました。
寿司と牡蠣フライがどうも怪しいのですが、夕食を終えた2時間ほど後(夜中3時頃)に呼吸困難に見舞われ、胃腸の激痛を感じ、翌朝病院に駆け込みました。

消化の良いうどん、お粥しか食べれない日々が続き精神的にも辛いですが、しっかり休む方が気が滅入りそうなので、完治した事を想像しながら、食べたいものリストを頭の中で作っています。(笑)皆さんもお気をつけ下さいね。




僕はずっと音楽業界で仕事をしていますので、通常の方よりは音楽に対しての知識、情報量は持っていると思いますが、音楽が好き!という気持ちや必要性は、多少のバラツキがあるにせよ「無くてはならないもの」という想いは皆同じだと思っています。

無音の生活なんてあり得ないし。

音楽は過去の思い出、時代を思い出させてくれる。
音楽は自分の気持ちを代弁してくれる。(悲しさ、楽しさ)
音楽は仲間を作ってくれる。
音楽は悲しい映像(絵)を楽しく見せる事もできるし、楽しい映像(絵)を悲しく感じさせる事もできる魔法のスパイスでもある。

などなど魅力いっぱいです。

ただ残念ながら現在、録音物(CD、デジタル配信含む)のセールスは不況。

それはお金を払いたくない、昔より他の娯楽にお金がかかるから(携帯、インターネット等)等の要因だけで片付けれる程、単純なものではないと思います。

原因は様々な要素が絡み合ってはいますが、僕が感じる、とりあげたい1つの要因は、

「本来日本の消費をこれからどんどん支えて行く若者層から見て、残念ながら''音楽''があまり''イケテナイ’’''進化がない''から。(音楽を聞く事、好きな事が''イケテナイ''のでは無く)」

音楽と映像を比較して下記に例を挙げてみますと


<音楽>
音質、クオリティーが上昇どころか、下がっている。

メディア...レコード、カセットテープ~CD(ここまでは賛否両論あれど一応上昇)~Mp3(圧縮、劣化)※ハイレゾ、Super Audio CDはオタク的で主流にはなっていない。

主流な再生環境...ステレオシステム~デジタルオーディオプレイヤー~携帯~パソコン

 
<映像>
クオリティーが誰でも分かりやすくどんどんあがっている、アナログ~デジタルの違いも分かりやすく革新的。

メディア...ビデオテープ~DVD~ブルーレイ。
主流な再生機器...ブラウン管~プラズマ、液晶~どんどん薄くなり~3D、4K等が主流に。

昔はテレビよりコンポ、ビデオテープをたくさんもっているよりアナログレコード、CDをもっている方が''イケテル’’感じがしました。

目は耳よりクオリティーの違いが分かりやすいという差はありますが、音楽もクオリティー高いメディア、再生機器がこれから先、主流になる時がくれば!と淡い期待をしています。(もしデジタルダウンロードがCDよりダウンコンバートされたものでなく、ハイレゾクオリティーでi-Podの様な新しいスタイルを提案出来る再生機器が発売されたら等)

その時が来るまで、音楽そのもののクオリティーは下げないという''音楽欲''を忘れずに現在の音楽ビジネスに向き合って行きたいと思います。

乱筆失礼致しました。

スタイリズム 森中

レコーディングスタジオ ''monogram sounds''

みなさん、やはり秋は食欲が半端ないですね。
僕も1日4食、お腹いっぱい最近は食事をしてしまいますが、運動は全くしていないのでちょっと心配です。

今回、書かせて頂くのは弊社の4本柱の1つ’’レコーディングスタジオ''monogram sounds''の運営'''です。

昨今、CDのセールスが激減しているという話しは皆さんご存知かと思いますが、それに従い、音楽制作費、宣伝費、販促費は激減しています。(言い出したらキリがないくらい広範囲で予算は削減されてます)

今回、こちらでお話をしたいのは音楽制作費です。

最近は昔よりパソコンソフトの発達等で制作費が確実に昔より抑える事が出来るようにはなりましたが、大切な''クオリティー''という一番大切な部分が軽視されている気がします。(あくまで主観ですが)

弊社のアーティストはこの部分にとても敏感で追求するアーティスト、エンジニアが多いのでクオリティーをサポートする場所=レコーディングスタジオがあればいいなと常々思っていました。

レコーディングスタジオを所有してプラスになる点は

1、弊社アーティストのDEMO、実験したい事等を無料で追求出来る。
2、時間が許す限り、音質の向上を予算を気にせず行える。
3、低予算のプログラムでもスタジオ料金を安くする等、総合的にコントロール出来る。
4、アーティスト、ミュージシャン、音楽関係者と触れ合う機会が増える。

等多数です。

しかし、本格的なプロ仕様のレコーディングスタジオを1から作るのには多額の投資が必要となり(ただでさえ、今は先ほどの制作費の減少もありレコーディングスタジオの運営は難しい)願望はありつつも現実味はありませんでした。

ですが、2012年の夏に、伝説の音楽プロデューサー佐久間正英さんが80年代音楽黄金期に作られた''Dog House''スタジオが空くので興味ありますかとご紹介いただく機会がありました。

1からスタジオを作るよりは費用が抑えれるのは大きな魅力でしたが、修繕、新たな機材の購入、家賃の増加を考えると冷静に考えなくてはいけない部分があり少し悩みましたが、結論を出すのに2週間しか時間が無い状況でしたのでスタジオを一度見せて頂き、一番大切な音の印象が良かったので、即決しました。(スタッフはかなり驚いてましたが)

某有名マスタリングエンジニアの方に強力なアドバイスを頂きながら、弊社所属のレコーディングエンジニア池田新治郎を中心に、とにかく''音’’がきっちり判断出来る、モニター環境がすばらしいコントロールルームを作ろうとスタジオを仕上げてきました。(ブースはあまり広くないのですが、佐久間さんはここで録音するドラムの音がとにかく好きらしく、弊社で運営してからもレコーディングに来て頂きました。GLAYやジュディマリのドラムもここで録音していたみたいです)

やはりレコーディングスタジオの運営、経営はとても大変ですが、弊社はレコーディングスタジオの運営のみをやっている会社ではないので、スタジオ運営は赤字でも見えない音楽のクオリティーアップ、新しい試みのお手伝いは出来ているのではないかなと思ってます。

音楽不況と呼ばれる今だからこそ、クリエイティブの強化は強みになると思ってます。

レコーディングスタジオをお探しの皆様、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。色々意見交換等もさせて頂ければと思ってます。

monogram sounds
http://www.styrism.com/studio/index.html