子どもの頃から、要領が悪いと頻繁に言われてきました。
大人になりなさい
賢くなりなさい
こんな言葉をかなりよくもらっていたので、
自分は正直すぎるというか、不器用だという自覚はあります。
幼い頃の気質って大きく変わることが少なかったり、
本質的な部分は大人になっても引き継がれたりするそうで、
20歳を過ぎても、
「お前は白黒しかない。グレーを覚えろ。」
と言われました。
それくらい、よく言えば嘘がつけない正直者。
逆に表せば、融通の効かない損な役回り。
そんな自分を可愛らしく思うこともあれば、
もう少し立ち回り方を身につけた方が楽になれるなぁと思ったり。
そう、白黒グレーのことを言われたのは、
学生時代のアルバイト先の敏腕店長だったんです。
その人は、それはそれは仕事ができて、
自分の中では尊敬するビジネスマンの一人でした。
私から見たら、「いやいや、店長かなりグレーないじゃないですか、、」と思ったけど、
そんな店長がその話をしてくれた時は、
少なからず、自分の痛い経験を元に、
本気で教えてくれたことはよく伝わってきていました。
ちなみに、
「お前は男やったらよかったのにな。
ガンガン仕事して、どんどん上がっていけるぞ。」
こうも言ってくれました。
私はこれがすごく嬉しかった。
自分の仕事が評価されていると感じて、
「いえ、私は女性として、仕事、やりますよ💪」
みたいに話したように思います。
とにかく、この店長には、本当に鍛えられました。
見込んでもらっていたのもよく分かっていたし、数十人を束ねるポジションを与えてもらって、
会社と店長の理念を共有してもらい、
私がすべきことも明確で、そこに向かって全体を進めていく役割。
めちゃくちゃ楽しかった。
そんな中で、白黒グレー発言や、
その他のいろんな会話があって、
良い学びになっていたり、
人生哲学を教わることも多かったです。
なんだか、みんなで一丸となって本気でチャレンジしてました。
もっと上に、もっと上にって。
実は後日談があって、店長がわざわざ、
「お前はそのままでいけ!」
と言ってきてくれたんです。
不器用なまま、敵を作りながら人から愛されていけみたいな話でした。
その時は意味こそよく理解できなかったけど、
また嬉しかったことを覚えています。
その不器用さと正義感は、お前の財産だ的なことでした。
不器用や容量の悪さを、こんなに評価してもらえたことがなかったので、
すごく新鮮で、「私のこの特徴は、仕事に役立つんだ!」と思えたことを覚えています。
賢くなるな、そのままでいけ!と。
その後、私も社会人になり、
そのままでいったばかりに痛い目を見たことも何度もあったし、
賢く振る舞っていた時もありました。
でもね、その振る舞いで自分を生きている感じはしなかった。
仕事の充実感も薄かった。
大人にはなれた気がしました。
大人ってなんだろう?
子どものままでいいんじゃないか?
40歳くらいの時に、そんなことをよく思うようになって、
2度目の成人式を超えた辺りから、
「子どもの私だったらどうする?」と、
自分に確認することも増えました。
ふと、店長のことを思い出して、
なんだか当時のエネルギーも思い出して、
一生懸命だったなぁ。
息巻いてたなぁ。
楽しかったなぁ。
って、いい時間を過ごさせてもらってきたこと、
改めて嬉しく思い起こしました。
結局、子どもの頃の私は、
今もさほど変わりはなく、
不器用に生きていることが多いです(笑)